表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑アイロニック  作者: mnt。
1/2

I can't forget you. -貴方を忘れることが出来ないの。

「ねぇねぇ、今日転校生来るんだって!」

「え、ガチ?美少女?それともイケメンかな〜。」

「俺は可愛い女の子がいいな〜。もしそうだったら彼女にしてぇな。」

蝉が鳴き始めたある暑い夏の日。若干季節外れの転校生のせいか、生徒たちは興奮気味に話を積もらせていた。しばらくすると、朝のHRの鐘が鳴り響いた。

「はいはいお前ら、転校生来たから席に着け〜?」

鐘の音と共に教室の扉がガラガラとなり、気だるげな男教師が入ってくる。男にしては珍しく髪をハーフアップに結ったメガネの若々しい教師だ。いつもは、席に着くのも遅い生徒も転校生が気になるのか大人しく席に戻っている。

「じゃあ転校生を紹介するな〜?入っておいで。」

教室の扉の向こうから静かな足音が聞こえ、一人の少女が教室に入ってきた。辺りが静かになり、誰かの息を飲む音が聞こえた。

「じゃあ、自己紹介頼むぞ。」

「はい、せんせ。初めまして、綾瀬星屑って言います。みんな気軽に星屑って呼んでくれると嬉しいです。よろしくね?」

いじらしく少女らしい声で星屑は微笑む。長い桃色の髪を2つに結い、珍しい赤とグレーのオッドアイ、右頬には十字のようなものに点2つが刻まれていた。

「よっしゃー!可愛い子きたー!!」

転校生が女で喜ぶもの、顔には出さないが男ではなく不満なもの様々だった。

「じゃあ、なんか転校生に質問とかあるやついたら今いいぞー。」

朝のHRが面倒くさいのか、質問コーナーを開く担任。生徒は質問したいことが沢山あるのかそわそわしだす者が多かった。

「はいはいはーい!彼氏いますかー!?いなかったら俺が立候補っ。なんつって。」

巫山戯た質問をしたのが、クラスのムードメーカーの吉川だ。最近彼女と別れたらしく、彼女持ちというステータスの為手当り次第彼氏に立候補している。

「星屑ちゃんって名前にしては珍しいよね。名前の由来気になるー。」

次に質問したのは、見るからに一軍感が滲み出ている女子だった。

すると、困ったように眉を下げ一つ一つ質問に答えていった。

「まず、一つ目の彼氏いますかー?の答えはいませーん。転校する前は好きな人いたよ、だから今はフリー。名前の由来?はうーん、なんで星屑なのか分からないけど、私の世界一大好きな名前なんだ。」


そう、世界一大好きな名前で世界一大好きな響き。私の全て…私の全てだったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ