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上級生とバイトについて

 私がウマの魅力を語るこの作品は、小説というか説明書。ウマに興味はあるけれど、競馬を少し知ってる、馬術って何?!という人にぜひ読んでほしい。そしてウマと馬術を好きになって欲しいの!


 色々なこと語るけどあくまで個人の見解だから偏った内容でも多めに見てね♪


 大学馬術部一日のスケジュールを見てもらえば、この部活がおちゃらけたサークルではないことはわかっていただけたと思うわ。多くの時間を捧げなければならない本気の部活動なのよ。体育会系だから上下関係もかなり激しいの。泣

 入部した時にまず叩き込まれるのは、二年生の指示をしっかり聞くこと。この「聞く」とは、言ってることを聞き取るということではないわよ。言う事に従うという意味ね。返事は「はい」か「YES」の二択。あ、「かしこまりました」を加えた三択かしら。

 二年生は上司。だから口答えなんてできるはずもない。一年生に直接指導するのは二年生の役割だから、一学年差は毎年険悪な雰囲気に包まれるの。個人個人で見ればいい人もいるし嫌な奴もいるけど、学年全体では仲が悪くなるのが宿命ね。

 三年生は天皇。返事は「御意」のみ。だけどいつも意地悪(きつい作業などの指示)してくる二年生と違って、三年生は学年間の問題を仲介してくれる存在なの。だから不思議と一学年差は険悪に、二学年差は良好な関係となるのよね。三年生は一年生を可愛がる。酒やカラオケや麻雀、いろいろな良くない遊びを伝授されるわ。一年生連れまわしたくなるのね。

 いよいよ登場。四年生は何だと思う? ズバリ、神様よ。万物を創造したのが四年生。もうここまでくると、反発する気持ちや口ごたえという発想すら出てこない。神の前ではひざまずき、両手をあわせ祈りのポーズでありがたいお言葉をいただくしかないの。まぁカルトの域よね。

 大げさな表現になったけど、部内の学年ヒエラルキーは確実に存在するの。集合時間の早さやプライベート時間の減少などで退部を選ぶ学生も多いけど、このヒエラルキーに馴染むことが出来ず退部していく者も非常に多いわ。乗馬クラブで相応の代金を支払い馬に乗ってきた高校生が、大学の部活動に所属した途端に最下層に放り込まれるわけだから無理もないよね。

 あともう一つ、退部の大きな理由となるものがバイト問題よ。部活が忙しくてバイトが出来ないという事じゃないわよ。

 基本的に馬術部の会計は、馬術連盟や大学学生部からいただく運営費がメイン。部員達から持ち出しとなるお金は大会のエントリー料金くらいなの。ただこのお金だけで運営できるほど甘くなくて、馬を十何頭も飼育したり輸送するための馬運車を維持するお金、また遠征費などを考えると全く足りないのね。

 そこで馬術部がバイト先と契約し、毎週末に部員がバイトに通うの。バイト先は多種多様で、観光牧場での引馬もあれば乗馬クラブのお手伝い、競馬場でのバイトもあるわ。中には稲刈りなんてのもある。馬とは全く関係ない農作業まで行うのね。

 そんなバイトで得た給料は、全て部に吸収される。部費をほとんどとらないんだから当たり前と言えば当たり前なんだけれど、自分の一日という時間を労働に費やし、得た対価を全て部に取られるのは何とも表しようがない虚無感に襲われるの。

 一年生の週末は厩舎作業かバイトで過ぎていくわ。馬に乗るために入った部活でバイトばかりさせられるのが嫌になって部を去っていくことも当然よね。だけど、この労働がいかに馬を飼育することが大変か教えてくれることでもあるの。馬に乗ることはとても楽しいことだけど、動物の命を管理するって体力や精神力だけでなく多くの経済力が必要だと身に染みて感じるわ。

 とはいえ、何事にも代えがたい経験だと前向きにとらえる部員はほんの一握り。今日もバイトだよーと愚痴を言い、頭を空っぽにして労働に勤しむのよ。



バイトであった事件簿や、嫌なバイトをいかに楽しい時間にするのか、部員たちのたくましい姿勢など、またいつかご紹介したいわ。 ではまたね!



――――――――――

次がたのしみ!と少しでも思っていただけたらブックマークと評価(☆☆☆☆☆を★★★★★へ)お願いいたします。

1件のブックマークでやる気出る単純な人間です。

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