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大学馬術部について

 私がウマの魅力を語るこの作品は、小説というか説明書。ウマに興味はあるけれど、競馬を少し知ってる、馬術って何?!という人にぜひ読んでほしい。そしてウマと馬術を好きになって欲しいの!


 色々なこと語るけどあくまで個人の見解だから偏った内容でも多めに見てね♪


第③章 大学馬術部のこと


 馬のこと、馬術のこと、少し好きになってくれたかしら? 馬と人が繋いできた歴史、優雅で可憐な競技、ほんと魅力的よね。

 今週からはいよいよ第三章、大学馬術部について。学生たちがどのように馬と暮らし、部活という一つの団体を運営していくのか。その辺りを語っていくのだけれど…… 優雅で可憐な馬術に魅力を感じた人は、この章はご遠慮してもらった方がいいかも。学生たちが織り成す馬術部員の群像は、優雅で可憐という言葉の馬反対、対角線上にいるからね。

 これはあくまで二千年代前半のお話。この物語は一部フィクション(ほぼ実話)ですって思って読んでよね!


 まずは、馬術部のスケジュールについて。

 馬の世界だからもちろん朝は早いわよ。五時に集合して部員全員の出席確認。

「集合~」「おはようございます」って始まったあと、部長が一人ひとり名前を呼び、返事するの。

「西京」「ハイ」「山川」「ハイ」って全員続くのよ。

 囚人か。

 朝五時から毎日続く、監獄のような点呼。何かに心を支配されていないと、まず大学生は毎朝五時から活動できないわ。入部から一ヶ月でこの点呼に何の違和感も感じず、返事できることが馬術部員の第一歩よ。少しづつ洗脳が始まっていくのね……

 九時からは授業があるから集合の後は朝練。毎日馬に乗れればまだ五時に集合する甲斐もあるってもんだけど、乗れない日なんてざらにあるわ。馬も生き物だから体力の限界があるし、部員も多いからね。

 そして誰が馬に乗れるのかの基準は、なんと駆けっこよ。先輩が降りた場所に一目散に駆け寄った下級生が次に乗れる権利をゲットするの。クセのある先輩なんてわざと遠い所で降りて、必死の形相で駆け寄ってくる下級生を得意げに見定めるの。二十歳にもならない新入生たちに競争の原理を教えてあげるの。なんて優しいのかしら。

 朝練が終わったら、本業である授業をうけるのよ。急いで授業に参加する馬術部員は汗だくで、動物臭を身にまとい登校するの……まぁ周りの学生からしたら迷惑な話よね。青春の香りは甘酸っぱいとはいうものの、一定のラインをはるかに越える汗と獣臭は周囲の目線を冷たくするのに十分ね。

 お昼を迎え、ゼミの仲間との楽しいランチ。やっと学生らしいキャピキャピできる時間……も簡単には与えてくれないわ。お昼の作業の為、厩舎に向かいボロ掃除よ。どんだけ獣臭をまとわせれば気が済むのかしら。当番制だから毎日じゃなくて五日に一度程度なんだけどね。

「ランチ、学食いこーよ」

「ごめん。馬のウンコ掃除してくるわ」

 ってことが何回か続けば、誘ってくれる学科の友達はどんどん減ってくる事くらい容易く想像できるわよね。

 授業後は馬を歩かせたり、ブラッシングしたり、手入れの為にまた厩舎へ。この日、三回目の厩舎よ。このあたりで自覚しなければならないわ。馬術部員は部活のついで学業を学ぶため大学に通うのよ。

 陽が落ちるころ、やっと部員たちに自由が訪れる。と言っても翌朝はまた五時集合。夜は短い。だけどこの時間でお酒飲んだり、ゲームしたり、テスト勉強をしたり……個人の時間は今しかない。今しかないのーと羽を伸ばすのも一瞬。二十時半からは当番制の夜作業。そして一年生はそのまま厩舎泊まりが待ってるの。先輩たちの汗が幾重にも染みこんだ黄色い布団で就寝。

 

 この生活に魅力を感じたあなた! 今すぐ馬術部に入りなさい!

こんな生活絶対嫌だと思ったあなた! 正しい。私もそう思ってたから。


 だけどね。多くの若者が輝く〈ステレオタイプの青春〉を犠牲にする価値がるのよ。馬術部には。

 淡く美しい青春よりも、どろっ泥の深い青春を求める人には馬術部に洗脳されてみるのがおススメよ!


次回も馬術部の素晴らしい所、もう味わいたくない苦痛をお届けするわよ。では、またね!


――――――――――

次がたのしみ!と少しでも思っていただけたらブックマークと評価(☆☆☆☆☆を★★★★★へ)お願いいたします。

1件のブックマークでやる気出る単純な人間です。

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