人馬一体について
私がウマの魅力を語るこの作品は、小説というか説明書。ウマに興味はあるけれど、競馬を少し知ってる、馬術って何？！という人にぜひ読んでほしい。そしてウマと馬術を好きになって欲しいの！
色々なこと語るけどあくまで個人の見解だから偏った内容でも多めに見てね♪
簡単に魅力を語ったほうが伝わるかと思ったけど、【人馬一体】についてはもう少しお時間いただいていいかしら？語りたくてウズウズしてきちゃった。なぜ私が人馬一体こそ馬術最大の魅力かと思うのか。２つのキーワードがあるの。【ウマ娘】と【相性】よ。
馬術だけではなく競馬でもよく言われている格言に『馬８：人２』というものがあるの。結果に対しての重要度の割合を表したものね。チカラの出力をつかさどる馬の割合がいかに大きいかという話。
まさにその通りだと思うわ。馬術競技では馬のチカラが及ぼす影響が大きく結果に反映される。競馬も同じ。ただし、競馬は多頭数で競い合うからペースや展開、他の人馬との駆け引きが存在する分、人（騎手）がコントロールすべき割合は馬術に比べ大きいと思うの。
馬術は競技中のペースやバランスを馬に伝え、チカラを引き出すことが人（乗り役）の役目だけれど周囲との駆け引きがない分、馬のチカラが占める割合はさらに大きいと思う。
だけどこれはあくまで競技本番での話。初めから競技に必要な動きや人の指示に従う従順性を持ち合わせている馬なんていないわ。どんな馬でも生まれてから体が大きく成長し、初めて背中に人がまたがるところがスタートラインよ。
そこから馬に様々なことを教え込んでいくことを調教というの。生まれ持った馬のポテンシャルは様々で、得意不得意・向き不向きがもちろんあるのだけれど、ポテンシャルをチカラに変えていくのは人の調教によるものなの。
パワー・俊敏性・操作性・我慢する力・爆発力……馬術競技に必要な要素は様々あるけれど、その各項目のゲージをＦからＥへ、ＥからＤへ、更にＡやＳに。と向上させるために調教するの。
【ウマ娘】のトレーニングと同じね。トレーナーとウマ娘の関係性は、まさに馬術の調教を積んでいく人馬そのものよ。一つ違うのは馬術では人が馬に騎乗し自らの技術と知識と経験で馬のチカラを引き出し積み上げていくところ。トレーニング内容を決め指示するだけでは馬は成長しないのよ。
そうして人が馬を調教していくのだけれど、同時に人は様々なことを馬から学ぶわ。そうして得たチカラを発揮するのが競技という場。人と馬の二人三脚が絶対に必要。馬と人とが一つになって挑むことこそが本当の人馬一体の意味じゃないかしら。
そこに【相性】という要素が絡んでくるわ。馬と人が言葉を交わせない限り、完全に分かり合うことはできない。言葉を交わしあうことが出来る人間同士でさえ相性があるのだから、馬と人との間にも確実に相性が存在するわ。
どんなに相思相愛の人馬であっても相性が合うとは限らないのがアニマルスポーツの定めね。
競技として結果を競い合う以上、より高い総合力を示した人馬が勝つわ。人と馬のつながりの強さは時として結果に比例しない。絆や愛などの美しい言葉のみで結果は出ない。スポーツである以上、これは避けて通れないの。
長年愛情を注ぎ共に歩んできたけれど、結果が出ない。担当する人が代わっただけで結果が好転しだす。そんなことはよくある話よ。
相性とはトッピングと同じ。カレーにあんこをトッピングするよりも、トンカツを組み合わせたほうが確実においしくなるの。だけどお団子にはトンカツよりも絶対にあんこよね。
いかに多い種類のトッピング相手とチカラを出せるかという幅広さも乗り役の技量といえるけど、反面数少ないフィーリングの合う相手と巡り合ったときにとんでもないチカラを発揮するのも一つの技量ともいえる。
上手い人と能力高い馬が組み合わさった時、もちろんチカラを発揮する可能性は高まるわ。だけど何をもって上手いとするのか、どんな要素が優れている馬を能力の高い馬とするのか……正解は一つじゃないの。もしかしたら正解なんてないのかもしれない。
そんな手探りの未来に人馬がチカラをあわせ、挑む。だから馬術は尊い、と私は思うの。
次は馬術用語を説明していくわ。馬術用語を知ればさらにウマに魅力を感じられると思うわよ！
では、またね！
――――――――――
次がたのしみ！と少しでも思っていただけたらブックマークと評価（☆☆☆☆☆を★★★★★へ）お願いいたします。
1件のブックマークでやる気出る単純な人間です。
