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6

その頃エリーナは父親のロバートと一緒に王宮の門を通っていた。

馬車の中では、

ピンクと白のドレスの着て

ハーフアップにした髪型をしたエリーナは

「お父様今日このドレスと髪型で良かったかしら?

やっぱりもう一つのドレスが良かったかしら?

アル気に入ってくれるのかしら?」

と朝からアルフォンスに会える事にテンションが上がっていた。



「エリィはどんな姿でも可愛いよ」


朝から繰り返される質問に苦笑いをして答えていた。


王宮の馬車留めに着いて、ロバートにエスコートされて降りようとした時、尻尾を振り回したアルフォンスが走ってきた。

それを見たエリーナは、「アル」と叫びながら父親のエスコートを忘れ、馬車から飛び出しアルフォンスに抱きついた。

そんなエリーナをアルフォンスは受け止め、その場でクルクルと回り会えた喜びを分かち合った。


「エリィ会いたかったよ。

一晩会えなくて寂しかった。

寝る直前までエリィの事考えてたよ。

僕のエリィ会えて嬉しいよ」


「私もアルに会えて本当に嬉しい。

家に帰ってからもアルの事ずっと考えてたよ」


と何年も会えなかった恋人のような様子の2人に、王宮で働く者達は呆気に取られていた。


そんな2人にロバートはため息をつきながら、臣下の礼を取り、

「殿下にご挨拶を申し上げます。

ほらエリーナもちゃんと挨拶をしなさい」


アルフォンスに会えた喜びでご挨拶忘れてしまってたエリーナは、カーテシーをしようとしたが、アルフォンスはエリーナを離さず、「エリィはこのままでいいよ」とニッコリ笑った。

その顔を見たエリーナは腕の中で頬を染めて悶絶していた。


ロバートはまた、ため息を付きアルフォンスに

「陛下達とこれからの事を詳しく話合ってきます。

エリーナの事をよろしくお願いします」


「僕の命に替えてもエリィを護ります」


……重い……

いやそんな大袈裟な……


と、もう何度目付いた分からないため息をつきながら国王陛下の執務室に向かった。

中に案内されると、

「国王陛下にご挨拶申し上げます」

臣下の礼を取ると

「よい。今日は堅苦しい事は無しじゃ」

と国王陛下は砕けた様子でロバートをソファーに座らせた。

「ロバート顔色が悪いが大丈夫か?」

と顔を覗き込んできた。


ロバートは先程見た2人の様子を話、またため息を付いた。


「そんなに酷いのか…」

「何度もエリィに注意はしているが、聞く耳を持たない」

「まぁ、うちの息子も同じで、ずっとニヤけとる…

昨日からツガイに付いて書物を見たが、前例はない。

だが2人を見るとツガイの状態で間違いは無いと思う」

「私もそう思います」

「前例がない分、早期のツガイ認定もしずらいしな……

おっ、お前なんか術でも掛けたか?」

とふざけた様子で聞いてきた。


「ふざけるな!だれが可愛いエリィを王妃にしたいなんて望んでもないわ。

エリィは平凡でもいい、幸せに暮らして欲しいんだ!」

とロバートは唸りながら、睨むと


「あはは、わかってるよ。お前がそんな事望んでない事ぐらい。だが王太子殿下の王妃を狙っている貴族達は面白く無い者もいる、そんな事言う奴等も出て来ると思う。だからこそこれからの事を考えないとな」

眉間に皺を寄せる。

「そうなんだ。私が魔法大臣に就いてなければ、こんなにも悩んだりしなかったんだが……」

またため息を付く。

陛下は

「昨日決めた通りに、貴族達に告知する。

だがツガイの事曖昧にしたいんだがな…

無理じゃろな…」

「そうですよね……」

と頭を抱える2人。

「一応今から2人を見に行くか?」


予定調整し、2人がいる庭園に向かっていった。



実はこの2人は小さい頃からの幼馴染で、今日は話し合いという名の愚痴りたいだけで集まっていた。

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