3
応接間に移動し、ソファーに案内されるも、二人は、尻尾をお互いの腰に回し、手を繋いで体温を分かち合っていた。
移動したことによって少し落ち着いた両親達はこれからの事を相談し始めた。
「やっぱりこれって『運命のツガイ』よね」
王妃陛下は甘みのある紅茶を飲みながら話し出した。
冷静さを取り戻した国王陛下は
「じゃがまだそうと決めるのは早くないか?
大体私達は17歳を過ぎた時に分かったじゃないか」
そう、国王陛下も王妃陛下も『運命のツガイ』どうしである。
「そうですけど、あの二人の言ってる匂いと、行動がツガイを見つけた時の獣人の行動にそっくりですよ。
あっそういえばレオパルト公爵達もツガイ同士でしたよね?
お二人はどうでしたか?」
母親マリアンヌは一口紅茶を飲んだ後、頬に手を置き話し出す。
「私は17歳の時にロバートに出会い、なんとなくいい匂いがしてなって思っていました。
その後18歳になってハッキリとツガイと認識しました」
まだ困惑が取れていない父親ロバートは
「私も18歳の時にマリアンヌがツガイと認識しました」
「そうじゃよな。
アルは15歳、エリーナ嬢は13歳になったばっかりじゃ。
流石に『運命のツガイ』認定するには、前例がないか、調べてみないと分からないが、婚約するには早すぎると思う」
「嫌です。エリィと離れたくないです」
アルフォンスは尻尾をピンと立てて、即座に反論をする。
「アルそうは言ってもね。まだ二人は成人してないのよ。
それにレオパルト公爵達もまだまだエリーナ嬢と一緒に暮らしたいのよ。
なのにアルの我儘で家族を引き離すの?
それで本当にいいと思っているの?」
尻尾を股の間に挟みながらアルフォンス不貞腐れていた。
「エリィはどうしたい?」
母親マリアンヌは問いかける。
「私はアルと一緒居たいです」
そう言うとアルフォンスは尻尾を振りましながら、エリーナを抱きしめる。
「でも……私お父様達とも一緒に居たいです…」
と小声で、どう自分の気持ちを伝えていいのか分からず、尻尾だけが、ダラリとソファーに横たえる。
そんなエリーナの様子を見た国王陛下は
「じゃあ二人を婚約者候補とする。
王妃教育をするために、王宮に来たらいい。アルもエリーナ嬢に会える。
もしツガイじゃなくても、候補だから令嬢に瑕は付かない。
成人になっても二人が変わらず、お互いをツガイと認識していたら、婚約者とし二人を祝福しようと思う。
アルこれで今は納得してくれ」
「はい」
婚約出来なかった事は残念だが、エリィなの気持ちを考えるとこれで妥協するしかないと、諦めた。
「エリィ僕に毎日会ってくれる?」
「はい。アルに会えるの嬉しいです。」
満面の笑みを浮かべるエリーナにアルフォンスは抱きしめ、頬擦りをし、尻尾を振り回した。
そんな二人を見ながら、国王陛下はロバートに声を掛けていた。
王妃陛下の勧めで、王宮で昼食を頂き、レオパルト公爵家に3人は戻った。