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その頃国王陛下達と共に、玉座に座りながから、14歳になる王太子殿下である、

アルフォンス エーヴィヒは、朝から何処か落ち着かない様子で今年デビュータントの挨拶に応えていた。


今日は体調でもおかしのか。

それに時間と共に、甘く身体が熱くなる、でも落ち着く匂いまでしてきたぞ。

今すぐにでもこの匂いの所まで走って行きたい。



そんな様子のアルフォンスを見て、王国陛下は「あとレオパルト公爵で終わりだ。最後までしっかりしない」

「すみません。気を付けます」

「まぁ、いいじゃありませんか。

アルも初めて公務で緊張してたんですよ」

と王妃陛下が優しく助け舟を出した。


「レオパルト公爵家の皆様をご案内いたしました」

騎士に連れられては国王陛下達の元へ案内されたエリーナは先程から香る匂いに衝撃を受けながらどうにか、国王陛下の元へと進む。



「大国の太陽であらせられ…」



「えっ!」

「アルフォンスどうした?」


急に挨拶の途中なのに、王太子殿下のアルフォンスが興奮すると出てしまう、耳と尻尾を振り回しなが、エリーナの元に走り出し、抱きしめた。


「あぁこの匂いだ。僕が求めていた匂い。

朝からどうも落ち着かなくて、さっきから、熟れた果実の様な甘くて、でも落ち着く匂い。

君から香って来てたんだね。

あぁどうしょう。離さない。

君は僕の『運命のツガイ』だ」


普段正統派王子であるアルフォンスは、狼科で銀髪金色の瞳をしており、王族は元魔法量が多いが歴代の王族を抜いて、桁外れの量を持っている。

15歳だが成績優秀で強い魔力と騎士並みの実力を持つ完璧。

次期国王として人望も厚い。

そんな彼が、エリーナのことを離さず髪の毛に頬擦りをしながら冷静さを失っていた。


そんな中エリーナも、耳と尻尾を出し、


あぁなんていい匂いなの。

私ももう離れたくない。

貴方は私のもの。

ずうっとこのままでいたい。


アルフォンスに抱きつきながら、香ってくる匂いに酔っていた。


そんな二人に国王陛下はじめこの部屋に居る一同が戸惑い、動く事が出来なかった。


そんな中片腕でエリーナの腰を抱き、もう片方の手で頬を添えながら

「可愛らしい君の名前を教えてくれる?」

エリーナは頬を真っ赤に染めながら、アルフォンスを見つめる


「レオパルト公爵家長女 エ、エリーナ です。

親しい人達は皆、エリィと呼んでくてれます」


「エリーナか。可愛い君にぴったりの名前だね。僕もエリィって呼んでもいいかな」


「はい。貴方にはぜひエリィと呼んで頂きたいです。

私にも貴方のお名前を教えて下さい」


「あっごめんごめん。エリィの事を早く知りたくて、僕名前教えてなかったね。


僕はエーヴィヒ王太子 アルフォンスだよ。

エリィにはアルと呼んでもらいたいな」


「アル様」

瞳を潤ませながら答えると

「違うよエリィ、アルだよ。

エリィには様を付けて呼んで欲しくないよ」

少し不貞腐れながらアルフォンスはエリーナに応える。そんな様子を見たエリーナはクスリと笑い

「ありがとうございます。アル」

「エリィの可愛い声で呼んで貰えるととても嬉しいし、幸せだよ」

と、満開の笑みを浮かべ、二人とも尻尾を振りながら、ギュッと抱きしめあっていた。


そんな幸せな時間を邪魔する様に、

「アルフォンスいい加減に離しなさい。

レオパルト公爵が困惑しておる。

急にどうしたんだ」

アルフォンスの普段との違いに、どうしていいのか分からなくなった父親である国王陛下が頭を抱えていた。


そんな父親の気持ちを分からないアルフォンスはどうしたらエリーナを離れないで済むかを考えていた。

そして顔だけレオパルト公爵に向け

「彼女と一緒に暮らします。エリィを僕に下さい」

と真剣な眼差しで応えた。


その言葉にレオパルト公爵ロバートは目を見開き、どう応えていいのか分からず、狼狽えてしまった。




「ねぇ、皆様この後のご予定は大丈夫かしら?

もし大丈夫なら、場所を変えてこの後の事を、話し合いしませんか」

と、王妃陛下が助け舟を出す。


「はい。時間は大丈夫ですので、よろしくお願いします」


母親である二人は戸惑いをかくしながら、落ち着いた様子で会話をしていた。


「そうじゃな。ゆっくり話そうじゃないか」

息を吐き国王陛下は応えたが、ロバートはまだ困惑して答えることが出来ずにいた。


そんな両親を尻目にアルフォンスとエリーナは抱き合いなが、共に香る匂いを胸いっぱい吸い込みながら、離れずにいた。


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