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学園に入る半年前、久しぶりに父と兄に会えたエリーナは嬉しそうに2人に抱きついた。
「エリィ元気にしてたかい?
久しぶり会うとより一層可愛いね。
変な虫が付いてないから心配になるよ」
「父上、エリィは可愛い過ぎるから、本当心配になります。
エリィずっと僕達と一緒にいようね」
冗談か分からない様でリチャードはエリーナを抱き締めていた。
「あらあらエリィが可愛いのはわかりましたから、こんな所で話さず中でゆっくりお話ししましょ」
呆れながらマリアンヌは3人を応接まで連れて行った。
久しぶりに会えた2人と楽しく過ごした。
次の日エリーナは緊張な面持ちで執務室に向かって行った。
なんの話だろう?
アルの事かな?
悪い話じゃ無いといいな……
中に案内されソファに座るとロバートが
「エリィが言った事をリチャードと一緒に調べてみた」
体を固くしロバートの話を待った。
「まず初めにアルフォンス殿下の事だが、術、病気をはじめ色々な者達で調べたが、結果はすまない、分からなかった。
だが殿下は諦めて居ない。
この件はもう少し待ってて欲しい」
「分かりました」
悲しそうに返事を返した。
「もう一つ前世と異世界の事だが、調べた結果、約2百年前にエリーナと同じ事を言ってる者が居たと分かった。
その者が残した日記を読み、異世界に行く事ができる事が分かった」
エリーナはロバートの顔を見て「嘘!?」と呟いた。
「その日記はこちらの世界に戻ってきた、後の事は虫食いが激し過ぎて読むことが出来なかった。
エリィが言う小説の事を調べに僕は行こうと思う。
ただしこちらに帰れなくなるのも困るので、行くのは2日間が限界だと思う。
向こうの状況が判るエリィが一緒に行ってくれると助かるけど、危険が無いわけじゃない。
エリィどうする?一緒に行ってくれるかい?」
「行きます」
こぶしを握りしめ、
私達の未来のために。
もう戻る事がないと思っていた、日本に行く事を決めた。