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4話。依頼についてのあれこれ

設定の説明的な話なので少し長めです


本日二回目の更新

「さて、依頼を探すか」


埼玉県は入間市に造られたとある施設の中で独り言ちる俺。


異界探索とは。読んで字のごとく異界を探索することである。


異界とはある程度の格を持つ妖魔が創り出した領域のことを指す。


異界の探索及び異界に現れる妖魔を退治する人たちを退魔士という。


異界は出現する妖魔の強さに応じて深度が設定されている。


詳細は以下の通り。


深度1。レベル上限5程度。

一つの世界というよりは一般的な家屋に妖魔が住み着いた感じ。

退魔(異界攻略)報酬は20万~30万円。

数は不特定多数。


深度2。レベル上限15程度。

そこそこ強い妖魔によって創られた世界で、広さは半径1~5キロ前後。

一般的な退魔士とされる人たちが命を懸けて探索している。

退魔報酬は100万~200万円。

一つの県にだいたい10箇所くらいある。


深度3。レベル上限30程度。

深度2の異界から広さと出現する妖魔の強さを倍にした感じ。

一流扱いされている退魔士が命を懸けて探索している。

退魔報酬は500万~2000万円。

一つの県にだいたい2~3箇所くらいある。


深度4。レベル上限40程度

深度3をさらに強化した感じ。

ここくらいから神と呼ばれる存在が出現する。

日本で有数の退魔士が命を懸けて探索をしている。

退魔報酬は1億~。

一つの県に1箇所あるかないかくらい。


深度5。レベル上限60程度

神が創った異界。

普通に死ぬ。探索している者はいない。

退魔報酬の設定はなし。

一つの地方に1箇所あるかないかくらい。


深度6。レベル上限80程度

強めの神が創った異界。

並みの者では足を踏み入れただけで弾け飛ぶ。

探索している者はいない。

退魔報酬の設定はなし。

一つの国に1箇所あるかどうか。


深度7。レベル上限なし

主神クラスがいる異界。

ニンゲンが干渉できる異界ではない。

探索している者はいない。

退魔報酬の設定はなし。

世界に何箇所かあるらしい。


と、このような感じである。ちなみにレベル云々は神様がわかりやすくするためにつけた便宜上のものであり、公式にそう定められているわけではない。


深度6以降が顕著な形ではあるが、基本的に異界に入るためにはその異界が生み出す圧力に耐えられるだけの力、いわゆる霊力や魔力と呼ばれる力が必要となる。


俺が異界探索を行っているのに、両親が異界探索を行わないのは彼らにこの力がないからだ。


退魔報酬は異界の主を討伐することで支払われる報酬である。だが、当然のことながら主が討伐された異界は消滅してしまう。


退魔士でない者からすればその方が良いのだろうが、退魔士としては飯の種が減るのは困る。


それに現在異界に潜っている退魔士の大半は俺のような金がない神社の関係者だったり、寺の次男坊とかだったりするのでお互いの気持ちは痛いほど理解している。


なので、俺を含む退魔士は稼ぎ場をなくさないようにするため、基本的に異界を【攻略】するのではなく【探索】することを旨としている。


この場合の【探索】とは異界の中に存在する【物品の回収】と、異界の中にいる【主以外の妖魔を討伐】することを指す。


【討伐】とは、異界を探索している際には異界の主以外の妖魔とも相まみえることがあるので、それらを討伐して妖魔が異界の外に出ないようにすることと、討伐した妖魔の力を吸収して自己の強化(レベルアップ)をすることを指している。


退魔士が金策以外の目的で異界に潜る理由でもある。


余談となるが、ゲームよろしく、魔物は討伐した際に素材を落とすことがある。


そうして獲得した素材は魔力の塊なので色々な用途に使えるし、なによりそこそこ高値で売れるため、それを目的として探索に臨む退魔士も少なからずいる。


ただし、ドロップアイテムが得られるかどうかは完全に運次第なので、討伐だけでは十分な金にならない可能性がある。


よって大半の退魔士は異界の中に存在する魔力を帯びた物品を回収して金にすることを生業としている。


買取の対象になる物は様々だが、一番有名なのは異界が生み出す不思議な力に浸されたことで特殊な力を得た石、今や業界内で【魔石】と呼ばれるようになった石だろう。


【魔石】は基本的にどこの異界でも得ることができるが、異界の深度によって【魔石】に含まれている力の含有量が違うらしい。そのため深度3以上の異界で得られる石は高値で買い取られている。


ただまぁ、深度2の異界で得られる石も買取対象になっているので、俺はこちらの方を主な収入源としている。


というか、一度深度3の異界で手に入れた【魔石】を売り出したときに色々と面倒なことが発生したので、今の俺には深度2以外の異界から得た【魔石】を売りに出すつもりはない。


ちなみに退魔士たちから一番人気がある依頼は、深度1の攻略依頼である。


なにせ深度1だ。広さは一軒家程度なので探索にも時間はかからないし、何より敵が弱い。


油断さえしなければそれなりのレベルしかない退魔士でも無傷で攻略できる程度の強さでしかないのだ。


効率も良ければ安全性も確保されている仕事なので、これ系の情報が張り出された時は文字通り依頼の取り合いとなる。


俺も見つけたら率先して持っていくことにしている。


順番が前後するが【依頼】に関しての説明をしよう。


と言ってもそれほど難しい話ではない。


よくあるアレだ。ギルド的なやつが取りまとめている感じのやつだ。


ギルド的な組織の正式名称は、たしか全日本退魔士協会だっただろうか? 


組織の名前はさておくとして、やっていることは異世界モノの小説に良く出てくる冒険者ギルドのような感じである。


依頼主が報酬付きの依頼を出し、退魔士がそれを受ける。簡単に言えばそれだけなのだが、実際は情報の取りまとめや、依頼主と退魔士が揉めないようにするための防波堤としての役割も担っているそうだ。


組織ができる前の話だが、一般的な退魔士には(国や企業と契約を結んでいるような一部の退魔士は別)仕事を得るための伝手が存在しなかった。

 

ネットや電話帳に載せたり広告を出すにしても限度がある。


なにより【魔石】をはじめとした素材を売り込む先がない。


つまり異界を探索したり妖魔を討伐できる力がある退魔士も、金を稼ぐ手段がなかったのである。


いくら力があろうと生活ができないのでは意味がない。


また、意味もないのに命懸けで異界を探索する物好きなどそうそういるはずもなく。


結局組織ができる前は、積極的に異界を探索しようとする者は極めて少なかったらしい。


このままでは稀少な魔力を宿した物品が捨てられてしまうし、それを収集できる力のある者も埋もれてしまう。


それは損失だ。それも取り返しがつかない類いの。


そう考えた国や企業が、力をもちながらその使い方を見つけられていない者に稀少な素材を回収させるための手段として設営したのがこの組織の始まりと言われている。


この組織(以下協会とする)にとって最重要な役割は依頼主と退魔士の間を取り持つことにある。


協会が発足した当初は、依頼する際に一定の手数料が発生するため、依頼主が協会を通さないで直接退魔士に依頼する場合もあったらしい。(というかそれが当たり前だった)


ただ、その場合いざこざが発生した場合には双方でなんとかしなくてはならなくなるし、なにより仕事を得られる退魔士が固定化されてしまう。


いざこざについては単純な話で、特殊な力を持つ退魔士に力ずくで迫られれば依頼主がただではすまないし、そのつもりがなくとも結果として依頼主を害してしまった退魔士とてただではすまない状況となる。


具体的には国が抱えている退魔士による懲罰部隊が組まれるそうだ。


依頼主としても僅かな手数料をケチったせいでそんな面倒を背負うのは嫌なのだろう。今や真っ当な依頼主は協会に依頼を出すのが常となっている。


また退魔士としても『騙された挙げ句文句をつけたら懲罰部隊が派遣された』なんて話になれば面倒どころの話ではない。そのため「協会を経由せずに依頼を出すような依頼主は信用するな」という風潮が生まれている。


こうして協会を間に挟むようになったことで、依頼主はモグリの退魔士にちょっかいをかけられたり、退魔士を名乗る怪しい宗教団体に不当に高い金額を請求されることがなくなったうえ、成功報酬の支払いだけをすれば良いようになったので無駄な出費を押さえることができるようになった。


退魔士は退魔士で依頼主に騙されることがなくなり、安心して仕事を受けられるようになった。


まさしくwin-winの関係である。


まぁ一番の勝者は、異界に臨む退魔士を確保することに成功しつつ、依頼主から手数料を、退魔士からは税金を得ることに成功した国かもしれないが……まぁ、なんだ。別に誰も損はしていないのだから、この協会を設立することを決定した当時の政府や企業の判断は間違っていなかったといえるだろう。


もちろん先に挙げたように、依頼先が一部の歴史と力を持つ退魔士の家の場合は国や企業が協会を通さずに直接依頼をすることもあるようだが、それに関しては例外事項である。


話が逸れた。俺にとって重要なのは、この協会が『依頼をこなせる実力があれば他は問わない』という完全成果主義ともいえるスタイルを貫いていることだ。


おかげで俺はこの歳で【依頼】を受け、金を稼ぐことができている。


労働基準法? 青少年育成保護?

なにそれ美味しいの?


一般労働者や一般の子供を護る法律の重要性はさておいて。


「さて、なにかいい依頼はあるかねっと」


依頼自体はネットでも検索できるが、往々にして依頼は直接協会に見にきた方が良いものを得られるものだ。


事実、深度1の依頼など、公開された時点で持っていかれるので、対象がよほど辺鄙な場所でもない限りはネットで見つかることはない。


さらに、俺には自分では気付かないところに気付いてくれるアドバイザーが憑いている。  


よって時間に余裕があるのであれば、多少遠出をしてでも直接依頼を探すのが一番効率が良いのである。


『お、これなんてよさげじゃぞ』


こんな風にな。

閲覧ありがとうございました。

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