初手婚約破棄
俺の名前は『神崎霊』。通称レイ。今ちょっとだけエッチな恋愛ゲームをしている途中。ストーリー的に言えばこの主人公が色々あって学園にいるお嬢様達を攻略していくと言う感じの奴。しかしこのライバルの男が中々いい男で……ぶっちゃけこいつルート無いの?って考えた程には良い奴なのだ。……というのも、婚約破棄されたんでもう一度復権して告白してくると言うガッツの持ち主、主人公より応援しちゃったね……。
「はー専用ルート無いのが真面目に悔やまれるわ~」
さて、そんな俺は今ゲームを終えた後の心地よい気分に浸っている。と言うよりなんか凄い眠い……なんだこれ……こんなに眠たくなること……あ……る……。
「あの~大丈夫か?あんた」
「……え、誰?」
なんか、凄い体が軽いんですけど!?うーわ凄い筋肉!誰の筋肉!?あっ夢かぁ!それにしてもなんと言うかリアルな夢だなぁ!……で、なんで俺は森に寝てるんだ?後この可愛いリス娘はどなた?
「元気そうだね……じゃあ私はこれで」
「あぁ!では自分は行かせてもらおう!」
「どこに?」
「城にさ……!」
リス娘は分からないが、この服装は……そう!悪役令嬢に婚約破棄されたあのライバルキャラが着ていた服だ!つまりは今城に行けば婚約破棄を防げるかもしれない!……なんで森に寝てたのかは分からないけどな!
「貴様なぜ」
「悪いどいてくれ!」
「ぬわーっ!?」
ふっ、悪役令嬢……いや、『アージェン・クロニクル・ファラ』よ。ハッキリ言ってお前にはライバルであるこの俺は似合わないぜ!そして知ってるんだよなぁ!お前がこいつの地位を奪い婚約破棄するあの名シーン!だったら俺から願い下げだこの野郎!
「えっ嘘!?」
「久しぶりだなファラ……さてと……」
「既に婚約破棄したはずですが!?」
……え?
「そうだぞ!この外道!」
「お嬢様にどれだけひどい事をしてきたか……恥を知れ!恥を!」
アレ。これもしかして……既に俺婚約破棄されてます?!と言う事は俺既にバルコニーから突き落とされたって……コト?!
「ワァッ……!?」
「出ていけ!貴様の顔は二度と見たくもないわ!」
うっそだろお前ぇ?!と言う事は冤罪を既におっ被せさせられた状況……って事?!待ってじゃあなんで生きてるんだ?確かに落とされたはずでは……いやそれよりも!
「衛兵!このクソをつまみ出せ!」
「はっ」
「くっ、捕まるのはまずい!」
今はただ逃げるだけだ!捕まったら処刑だよん!