秋の朝きみを想う
朝、霧雨が降っていました。東の空は晴れていましたから、朝日が昇ってくると、西の空に見事な虹が架かりました。それだけのことで、しあわせな気分になれましたから、人間というものは扱いやすいものなのかもしれません。
すみません、脈絡のないお話です。
雨を境に、秋はまた 色を深めていくようで
街を歩けば街路樹の 落ち葉は道を染め上げる
朝を歩けば、きみの手の ふと懐かしく思われて
上着に入れた我が指の きみ恋しさを持て余す
秋の朝の朝焼けの 雲に移れば朱に染まり
紅さえ知らぬ唇の 自然の赤をしのばせる
冷たく澄んだ冬の気は 秋に溶け入り、解き残す
きみの言葉の冷たさを 季節を越えて、思わせる
空を見上げて、西の端 眞白き月の暮れゆかば
想いに暮れる、我も、また 何処にか暮れて消えようか
わたしが暮らす街の街路樹は桜です。じゃあ、秋は関係ないだろうと言われてしまいそうですが、これが、なかなか見事です。ムラはあるのですが、綺麗な赤色に染まります。それらが風に散っている様には、春とは、また違う風情があります。