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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ネガティブ彼女とネイティブ彼氏

作者: 酒仙寺

燦燦たる太陽が天へと登りつめ、人々に罰だと言わんばかりにジリジリとてらし続ける午前八時


人々の暑さと社会の理不尽さに限界が近づき、苛立ちは頂点へと上り詰めつつあった。


道行く人々は、ふと香る甘いオレンジの香りに止まることのなかった歩みを止め、彼らはそれを二度確認し、思わず目で追ってしまう。


まるで理解できないものにであってしまったかのように



そして彼らは魅了されてしまったの。あまりにも美し過ぎるその美貌に、彼らはなす術なく



長い髪は絹のように夏風に流れ、夏にふさわしくない残雪を思わせる白く輝く髪。白いワンピースと髪の毛の間から見えてしまった白いうなじに彼らは興奮と歓喜を覚えた


そして小さな後ろ姿から見えたマシュマロかのように柔らかそうな二の腕を抱きしめ、小さく備え付けられた指に自分の指を絡めて、握りしめたい、彼らはそんな



衝動に駆られる。



ーーー愛したい、抱きしめたい、奪いたい、壊したい、笑わせたい、泣かせたい、怒らせたい、喘がせたい、絶望した顔が見てみたい、その純血の肌に汚らしい自分の液体を余す事なく吐き続けたい、その狂おしく愛おしい小さな唇に、己の欲望という形取ったこの大きくなった凶器を咽ぶほどに突っ込みたい、その唇を泣いて抵抗されながらも無理やりにでもキスしたい、その美しい瞳を自分以外誰にも見られないようにくり抜いてとっておきたい、あぁ、ーーーーーしたいーー





人々は段々と冷静でいられなくなる。欲望がとめどなくこぼれ落ちる。だが、どうしてだろう。人々は次の瞬間には絶望の色に染まる。



ーーー一体、誰だ隣の男は!?!?




彼女の隣には、ゆうに190はあるだろう背丈に今にも服がはち切れんと言わんばかりの大胸筋。

雄々しくも漢を語るはその背中。


抱きしめられたら一溜りもないだろうその二の腕とゴツゴツとした大きな手。


手には無数の傷を帯び、その大きな拳骨で多勢の人を殴ってきたと物語る。道ゆく人達、男は恐怖を覚え、女はメスの本能が彼との子孫を作ろうとする


ーーーだが、二人に声をかけようとするものはいるだろうか?



そんな不埒ものどもはいない。なぜなら二人の間に隙などなかったのだ。二人は互いに愛を誓い合っており、永遠の愛が二人の永久の幸福を祝福している……そう人々は感じた。なら我々はどうするべきだろうか?



ーー人々は一斉に膝をつき、祈りを捧げる。国や文化、地域、人種によってその祈りの捧げ方は違う。


だが思いは一緒だ。


ーーーー感謝する気持ち


あぁ、ありがとう……っと




ーーーーーーーーーーーーー


「ねぇ、なんか色んな人達が見てくるわ……もしかして私が気持ち悪すぎて……!!……そうに決まってるわ……ごめんなさい、醜い顔なんか晒してごめんなさい。生きていてごめんなさい。お母さん、先に逝って参ります。産んでくれてありがとうございました……」


「日本語訳(こっちはクソみたいに暑い!!クーラーが欲しいもんだ!!)」




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