プロローグ②
2話目です。
目隠しをされ地下牢から出されて、聖騎士2人と馬車で長距離を移動する。
禁忌の森とは何なのか?答えの出ない疑問を考えていると聖騎士が話しているのが聞こえた。
「この子も運がないな。ライトレーンに生まれなければ人並みの人生があったろうに。」
「うちの国と教会は光の女神様の信者ばっかりだから仕方ないさ。 他国は多少の差別があるくらいだから普通に生きられた。なんなら学術国のマーリンなら差別すらなかっただろうな。」
光の女神?闇魔法は宗教的に問題があるのか。
生きのびることができたら学術国とやらに行ってみたいが。
「子供1人で禁忌の森に捨てられたらすぐに死んじまうだろう。バラン様の立場では仕方ないが。」
「アリア様はずっと反対されていたが、バラン様達が相手ではな。」
「禁忌の森は立ち入り禁止区域で魔物も大半はB級以上、さらに森の奥にはS級以上が住む古代遺跡だ。大人でも1日もたない。実質、死刑と変わらない。」
「嫌な仕事だぜ、まったく。」
やばい。まったく生き残れる気がしないぞ。
この8年間で出来た事は、基礎の魔力操作のみだ。いくら転生した記憶があっても魔物に勝てるとはまったく思えない。
「そろそろ着くぞ、準備しとけよ。少しだけとはいえ森の中に入るんだ。俺たちも気をつけないと危ない。」
「了解。」
ほどなくして、馬車が止まった。
荷台から降ろされて目隠しをしたまま、半日ほど歩いた。
「この辺りでいいだろう。」
目隠しをはずされると、見た事のないような大木ばかりの森の中だった。
「何故かここまで魔物には遭遇しなかったな。」
「そうだな。まぁ光の女神様のお陰ってやつだろう。帰りも戦わないで帰りたいもんだぜ。」
確かに禁忌の森と言われるわりに魔物には一度も会わずにここまで来られた。だがここから生きて出られるか不安しかない。
「お別れですよ、グレン様。」
「俺たちも仕事だ。恨むなよ。」
聖騎士達が去っていった。
8歳で魔物がいる森でサバイバルか。
生前でもサバイバルの経験はないし、使える魔法は身体強化と少しの生活魔法のみだ。
絶対に生き抜いてクソ親父、ぶん殴ってやる。
短くてすみません。