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事故のニュース

 

 ある日の昼下がり、所用でH君が車を走らせていたときのこと。気分良くハンドルを握っていたのだが、ふとしたときに違和感を覚えた。


 さっきから、全く信号に捕まっていない。


 不思議なことに、その日に限って赤信号にぶつからないのだ。おかげでスムーズに目的地まで辿り着けそうだが、少し気味が悪い。罠に誘い込まれているような、H君はそんな感覚を持った。


 そんな嫌な予感は、ある踏切にさしかかったとき、最高潮に達した。H君は、思わずごくりと唾を飲む。ハンドルを握る手のひらは汗でじっとりとぬれていた。


 何度も通ったことのある、何の変哲も無い踏切だ。警報音も鳴っていない。すぐに通り過ぎればいい話だ。だが、H君は躊躇した。信号のことといい、なにかがおかしい。もしこの踏切に入ってしまったら――。


 結局H君は、後続車がないのを確認してから、車をUターンさせた。遠まわりすることにしたのだ。その後は嫌な感覚は消え失せ、無事目的地に着くことができた。


 その夜、H君の住んでいる町がニュースに出ていた。事故のニュースだ。


 H君はそれを見て、なんてことだ、と頭を抱えてしまったという。


 ニュースでアナウンサーが伝えたことは――『本日の午後2時頃、○県×町で、軽自動車が2kmにわたり信号無視を繰り返し、その結果、』







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