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下僕。時々たまらなく不思議な気分になる
うつ伏せに寝転び、お気に入りのクッションを抱き込んで、スマフォをいじる。
いつものこと、何気ない時間、その脇腹で背中をどっしりと預けてせっせと毛づくろいをするガリガリ君。
振り向けば自分の体よりも何倍も小さい生き物だとわかるのに、のほほんとスマフォを見ているふとした瞬間――その熱量の大きさを実感する。
不思議な気分である。
こんなに小さくて、わかるようでわからなくて、当たり前にいるこの猫という、ガリガリ君という生き物が謎に思え、でも、無防備にシャリシャリなんて意味不明でありながら、寝る準備をしているのだ。
ちっこいくせに、なんという命か……
なんて格好つけて、照れくさくて、信頼してくれているのだろうなという温かさと重みにしんみりする。
そんな夜である。




