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異世界で無双してもコンプレックスは直らない件  作者: 製造物
四章、無法侵入する帝国編
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82、ヒキガエルは気の毒に・・・

「ユーマ!! なんでアンダマイトの鉱石場の場所を明かすことになったんだ!!?」

「いやー、ノリで」

「ノリでじゃない!!」


 屋敷での宴会を終えて勇馬はヒキガエルの家へと帰ってきた。商談に関しては明日の夜頃にこの街の外で行うようだ。大きな商談のため他の人々に見られることを避けたい、とのこと。


 ちなみに、俺の商談はリシャーナ達に【念話】によって現場実況をしていた。途中で脳内にうるさい声が響いていたのだが・・・流石、勇馬と言うべきか。完全に無視していた。


「いやだってアレ、ブラフだもん」

「「「・・・は?」」」


 勇馬、さらっと嘘発言。皆さん、口があんぐり。


「・・・でも相手は【読心】持ってたから嘘はつかなかったのでは?」

「おう、まあ嘘がバレる程度だがな」


 さっきからなんでも無いように、というか未だに死んでいるランを膝の上に乗せ看病しているついでに言っているのだから本当にそう思っているのだろう。


「だったら、バレるんじゃないのかい?」

「いや、俺いつ()()()()()()()()()()って言ったよ?俺があげたのはただの情報だけなんだけど」

「そういえば、たしかに・・・」


 そう、勇馬が交換条件にしたのは“勇馬が始めて見つけた鉱石場の情報”である。鉱石場をあげるという風に思わせる言葉こそ言ったが、そんなことは一切言っていない。


「だが、情報を譲渡するのでは結局同じような物じゃないか!!?」

「いやあともう一つ“罠”を仕掛け終わってる」

「罠?」


 勇馬がニヤリと口角を上げる。


「ああ、あいつの【読心】を利用した・・・な」

「それは・・・どんなものなのだい?」

「時期に・・・というかもうわかるよ」

「へ?」


 その瞬間、紅い光が窓から、扉のガラスから勇馬達のいる部屋を照らした。


 そして、その僅か後に灼熱の炎獅子が勇馬達を呑み込むようにして覆いかぶさった。


 ..............................................................................


「なな、何をやっておる!!ゼスト!!?これではエルフどもが死んでしまうではないか!!??」


 小物感を溢れさせながら慌てふためくファットは彼の従者であるゼストを罵っていた。


 かつて帝国の兵であったヒキガ・エールの屋敷は今、火の粉が舞い踊る黒炭の舞台へと成り果てていた。


 もともとファットがこの屋敷へと自身の傭兵を連れて来たのはエルフおよび【剣姫】捕縛のため。それならば屋敷を包囲し、中へと進軍すればすぐさま捕縛できるだろう。


 ゼストの服装は黒スーツと白手袋のみだが本人曰く、「鎧などは邪魔ですので」とのこと。流石は昔、帝国にいただけのことはある。


 彼らについては、というか【剣姫】については妙な噂が流れているが、どうせデマだとファットは脳裏から投げ捨てこうして来ていたのだ。


 だというのにゼストの力を出して仕舞えば彼らはすでに灰へと生まれ変わってしまっていることだろう。


 珍しい奴隷であるエルフの補充、および絶世の美女である【剣姫】を手に入れられるチャンスであったのに、そんな感じでファットはゼストに向けて激昂する。


 しかし、


「ギィヤァアアアアアアアアア!!!!」

「たっ!??タスケェえええ??」

「くっ、くるなぁあああああぁああ!??」


 彼らは現れた。


 屈強な傭兵達の鮮血と断末魔とともに。


「よう。・・・取引は明日、しかも街の外で、じゃなかったか?ゼストさん?」


 そんな阿鼻叫喚の地獄を生み出した【剣姫】と呼ばれる悪魔は薄い笑みを浮かべながら問いかける。


 彼の象徴である剣は取り出されていない。


 それにもかかわらず裂けている己の部下。恐らくは手でちぎったのだろう。


 その剣の代わりと言おうか、一冊の本が彼の手中に収められていた。


 ファットはもうすでに使い物になりようもない。黒髪の男が放つおぞましいほどの威圧に呑まれてしまったようだ。


 一方で問いかけられた疑問にこちらもまた表情一つすら変えずにゼストは質問に答えた。


「エルフとの関係があなたにあると思いましたので。それにあなた方も元々裏切る模様でしたので」

「あれ?バレてた?」

「ええ。それはもちろん」


 2人の間の空間が裂ける。


 それほどのプレッシャーが2人を中心に渦巻いていた。


 かたや怪物達の血肉を貪り、変貌を遂げた剣士。


 かたや伝説の【聖王】にその腕を認めさせた戦士。


 決戦が近いのを表すように2人が動く。


 黒髪を揺らしながら手にある書物を虚空へと投げ捨てる。


 笑みで白髭を揺らしながらはめられている手袋を外し空へと投げ飛ばす。


 2人が歩を進めるごとに重圧の密度がまた増す。


 やがてその歩みは駆け足へと、そして疾走へと。


 そして瞬く間に詰められた2人の距離。


 放たれた各々の一撃。


 空を裂くような鋭利な脚線。


 地を砕くような獰猛な拳撃。


 蒼雷と紅炎、衝撃と爆風が入り込む。


 ぶつかり合う破滅は拮抗し、空気を揺らし、大地を焦がした。

殴られる→刑務所→家勝手に使われる→家燃える

彼の人生はどこでまちがえたのか・・・


あとアルファでも再開しました。

しかし、こちらの方が進んでいるので別に大丈夫ですよ

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