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異世界で無双してもコンプレックスは直らない件  作者: 製造物
四章、無法侵入する帝国編
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75、シャーラ、ヘッチャラッ!!

「・・・俺にとっての一番の敵は門番なのかもしれない」

「たしかに今君口から変な物が出てるしね。なんとなく精神ダメージがすごかったことだけはわかるよ」


 口からエレクトラプリズムが放出される勇馬。目は死んでいる。かろうじて賢者の書を持つ程度には意識は保てているようだが歩く力は無いようだ。


 そのため今リシャーナに肩を貸してもらい歩けているのが現状である。背後から勇馬に恐ろしいくらいの殺気が襲いかかりにきているが勇馬にとってはそれよりも門番のセクハラの方が恐ろしい。


 ちなみに今エルフたちは変装用の神具を使って人間になっている。耳にかけるイヤーカフスである。


 これをつけ忘れていたのか・・・。こんぐらい忘れんなよ。


 とりあえず勇馬はツッコんでおいた。なんだか久しぶりに自分がツッコミに回ったような気がする。


「それで・・・この後どうすんの?」

「そうだな・・・やはり身体を借家で休めてから明日エルフの国に向かおうかと思う」

「まあ、それが妥当か」


 実はメラとの別れから今で3日である。俺は全然オッケーだがリシャーナを始めとするエルフどもがゼエゼエハアハア言っている。


 ヒスリアは・・・ッチ!!疲れてない!!


「私の顔をみてなぜ舌打ちをするんだ貴様は」

「お前という存在が残念だからだよっ!!」

「それをいうならば貴様の見た目の方が残念であろう!!」

「「ああ!!?」」

「2人とも落ち着きたまえ!!騒ぎが起きてはならないのだよ!!」


 俺たちはお互いに人差し指を天へと向けあう。ああ、喧嘩するほど仲が・・・よくないな、これは。


 そんな騒ぎが起きる中、人々が彼らに群がる。・・・というか「喧嘩か?」とか「俺、あのキノコに銅貨10枚!!」だとか「・・・なんかあの女の特徴、吟遊詩人が言ってたのに似てんだけど」とか「もしやあれが【剣姫】なのか!!??」とかそんな感じの声が・・・おい、この辺にももうあの恥ずかしい名前が広まってんのか!!?


 なんだかおかしい目線を感じた勇馬がエルフ達を見ると・・・なんでか「えっ!!?カッコいい二つ名だ!!」といった風に目をキラキラとさせている。なぜだ!!??ここには厨二しかいないのか!?


 俺が軽く戦慄していると人垣を割く巨体な男が現れた。


 見た感じヒキガエル。縦にも横にもでかい。だが筋肉は一応鍛えられている。


 軽く【鑑定】・・・実力は一応強めの部類に入るのか?オール1000のステータスと炎の神法、あとは鉄球使いなことがわかった。


 どうやらこの辺りの統治を行う帝都から派遣された刺客のようである。こんな辺境辺りにくんのな。


 すると舌舐めずりをしながら変装しているはずのエルフを一瞥する。看破されたのか!!?


 すると涎が垂れている太い唇が動いた。


「そこの奴らに見覚えがあるなぁー。たしかぁ、エルフだった奴らだよなぁ?ちょっとぉ、フード外してみてくれない?」


 ふてぶてしい態度で粘り気が感じられる言葉。悪い、俺コイツのこと好きになれない。


 それにしてもまさかここに正体を見た奴らがいたとはな。【地眼】で周りを見渡すと・・・あと3人はいるな。あくまでコイツは陽動、ほかの奴らでエルフを捕獲といったところかな?


 だが、今はリシャーナ達は変装している。バレることはないだろう。


 実際に彼女達がフードを外すとヒキガエルは心底驚いたように彼女らの耳を見た。


「これでよろしいでしょうか?これで失礼致します」


 リシャーナがバレていないとはいえ逃げるのが得策だとここから去ろうとする。だが・・・


「待てぇ。私はまだ君らに行っていいって許可した覚えはないよぉ」


 と言って贅沢な脂肪の詰まった腕で行き先を塞ぐ。


「なんででしょう?待つ必要が無いのですが・・・」

「私は帝都の軍人だぞ!!口答えするな!!!」


 汚らしい唾を飛ばしリシャーナに腕を伸ばす。


 だが、それよりも明らかに小さな指がその腕を振り払った。


「相手はエルフでも無い一般人だって手を出す・・・間違ってないか?軍人さん?」

「ふん!再度言う、口答えするな!!」


 聞く耳持たずといったご様子。ただし、


「なっ!!?腕が動かない!!?」


 俺の指によって固定されている腕が動かないことでどうやら驚いているようだ。


 これはスキルに頼ってるわけじゃなくてただの武術。敵の力が入りづらいところに手を添えるだけである。


 これが結構効く、特に何も考えずに動く脳筋とかね。


「貴様ぁ!!抵抗する気か!?女の分際でぇ!!」

「・・・当然だろ。一応俺も冒険者でね。荒事には暴力が一番だろ?」


 その言葉に反応したと思えばいきなり神力が奴のもう片方の手に集まっているのが見えた。


 戦闘開始ってことでいいですね。


「“ブルー・クリムゾン”!!」


 青と緑が混ざりあったような濁った焔が放たれる。


 勇馬はそれに対して、なにもしなかった。


 ヒキガエルは俺を反応さえできない雑魚と取ったようだ。口角が醜悪に上げられる。


 炎雷が勇馬を飲み込む。


 後ろにいるリシャーナ達は巻き込まれなかったようだ。銀の少女の目がなんだかヒキガエルに対して優しげだ。


 むしろ哀れなのは貴様らの方だろうにとヒキガエルがエルフに目をやる。


 瞬間、放たれた俊速のブロー。その一撃は巨体を人垣の上へ吹き飛ばし、民家の壁にぶつけた。


 彼の体重もあったのか壁が崩落する。ナンマイダブ、ナンマイダブ。


【天眼】で見るとまだ意識はあるようだ。それどころか人1人ぐらいのサイズの鉄球が吹き飛んで来たし。


 もちろん片手で受け止める。身体を傷つけないように脚を通して地面に衝撃を逃す。


 割れる地面


 鉄球がもとある場所へと戻る。


 民家の壁の奥から現れる鬼の形相のヒキガエル。シワでめちゃくちゃで気持ち悪いです。


「貴様ぁ!!!何者だ!!?」


 怒鳴り散らすヒキガエルに鼻歌を交える1人の影、その男は言う。


「俺は黒輝 勇馬、ただの冒険者だ」

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