74、やっと章のタイトル回収
ホンマにそれなっ!!!
勇馬のSAN値がピンチになった後、もうすでに日は沈んでいた。
勇馬がひたすら端っこの方でプルプルしている間、ほかのメンバーはどのようにして帝国へとバレずに侵入するかを考えていた。
最悪、勇馬にお願いして【魅了】をして貰えば一瞬なのだが・・・先程の件のせいで許可してもらえるかどうか・・・。
『それにしてももう君は旅立たれるのですなぁ。もうすこし長くいてほしいものだったのですが』
「すみません、メラタリア様。我々の事情で・・・」
『よい、我が君の大切な女の望みとあらばな』
メラさんもはや完全に勇馬に心酔していらっしゃる。
「それで・・・なぜメラタリア様はユーマにそこまで心酔していられるのですか?」
『それはまずあの強さだ。我々真龍をあそこまであっさりと倒してしまうものは人間では【王】クラスのものしかおらん。見ると我が君はまだ【人】クラスでしかない。ここからさらにどれほど進化するのか見たいというのも理由だ』
リシャーナは密かに驚いていた。実は勇馬、リシャーナたちに最低限の情報しか話していない。名前と特技と冒険者であること、あとは性別のみ。
出身地やあれほどの実力を持った理由などは全くもって話していない。
なので彼がまだ【人】であったことは知らなかった。おそらく【王】だと思っていたのだが・・・違ったようだ。
『まあ、あとは・・・我が君の美しさ『吹き飛べ!!』ゲボッ!!』
「・・・いつの間に復活したんだい?ユーマ?」
瞬間、黒の髪が空を舞いながらメラタリアの一部を蹴りによってチリへと還した。どれほどの威力が込められていたのか・・・真龍でなければ死んでいる。
「たく・・・そんでそろそろ行くのか?あとなんか嘆いてる間になんか鉱物見つけたぞ」
『ああ、そういえば何か変な鉱物が隅の方にありましたな。神力を吸ってくるので処分もできないのですよ、我が君』
勇馬とメラがみやった方向には黄金色の輝きを持つ鉱物が確かにあった。2人ともあれなに?といったご様子だ。
「・・・それアンダマイトじゃないか?」
「『アンダマイト?』」
『たしか、最近ふきとばした門にも使われてたやつだよねぇー?』
ユーマ陣営が世間を知らなすぎる。あとランが『ふきとばした』などと言っていたが、神力に強い上に最硬を誇るアンダマイトが吹き飛ぶなんてあるはずがないので気にしないことにした。
「アンダマイトはこの世で最も籠城に必要な鉱物と言われているんだ。武器として一番なのはあくまで加工がしやすくて二番目の硬さのミスチルなんだが、アンダマイトは神力を吸う上にすごく硬いから重宝されているんだ」
「ああ、なるほどな。アンダマイトを武器にすると常時神力が吸われるから使い手の神力が保たないのか」
「それもあるのだがそれ以上にミスチルは軽量だからね。使いやすいんだ」
なるほどな、と勇馬は頷いた。ところで、
「この鉱物はどうする?」
「そうだな・・・残念だが掘ることができないから今回はリタイヤだね。勇馬がいるからできるだけ今掘りたかったが悔やんでも仕方がないね」
そうか、それじゃあ残念だけど今回はサヨナラだな。
勇馬は寝転がって即刻寝た。リシャーナは少しだけ微笑ましいように勇馬を見て就寝についた。
そうして次の日の朝を迎える。
「では、これから帝国に向かう!作戦は仕方がないがユーマの超外道作戦でいく!!」
「・・・やらなくてもいいんだぞ」
「いや、やはり入場券を貰うにはその作戦が一番なんだ。どうかよろしく頼む」
「・・・まあ、いいけど。リシャーナだけ」
「「「なぜ中途半端に我々を省く!!?」」」
『どうでもよいが、我が君よ。今度は我もちゃんと強くなって君を支えられるよう精進いたしますぞ』
「おう、またな」
こうして、勇馬たちは旅立った。
ちなみに門を抜ける際にまたもや勇馬が口説かれて全身から鳥肌が立ったことはお決まりと言うべきなのか・・・なんだかとても哀れだった。
最終的にはリシャーナが励ましたことで復活するのだった。




