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異世界で無双してもコンプレックスは直らない件  作者: 製造物
三章、始めの街的なところ編
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63、最後の最後までぇ(怒)

「・・・で、お前らいつ式上げんの?」

「「気が早いよ!!」」


 おおー、息ピッタリじゃん。やっぱり君ら相性良いね。


「まあ、冗談は置いといて。・・・キリア、お前いつ国に帰る予定なんだ?【聖人】はもう取れただろ」

「・・・もうバレてるんだ。流石だね、ユーマ」


 そう、コイツ俺が蜘蛛と戦ってる間にいつのまにかゲットしてたわけ。というわけでイミスからの課題はクリアしていて、もういつでも帰れるんだよコイツ。


「たしかにもう僕は王都に帰れるよ。でもそれよりもリーラの意思を尊重しようと思ってるし、・・・なによりもまだ挨拶も済んでないからね。しばらくは帰られないかな?」

「そうか・・・まあ、国に帰ったらイミスによろしくって言っておいてくれ」

「・・・え?お父さんと知り合いなの、ユーマ?」

「あれ?言ってなかったっけ?俺、アイツと名前で呼び合う仲なんだけど・・・」

「・・・もう、突っ込む気力もないよ」

「ホント、めちゃくちゃだよねー。勇馬君って」


 ・・・返す言葉もございません。


「ああ、それとユーマ。これを受けとってくれ」

「・・・?コレは?」


 それはまさしく黒い板としか言いようがない物。・・・まさか!ブラックカード!!?なわけはないがな。


「王都の門番に見せるといい。何が起こるかはお楽しみということで」

「お前もいい性格になったもんだな」

「それはユーマに言われたくはないかな?」


 さて、そろそろ話も存分に交わせたしな。


「んじゃ、ぼちぼち行くよ」

「そうかぁ、会うのはしばらく後になるかな?」

「かもなぁ」

「次会うときはまた地球の話で盛り上がろうぜ!」

「おう、約束だ」


 彼らに背を向けて「あばよ」と仕掛けたときだった。


「「そーいーん!!敬礼!!」」

「「「「「「「「ハッ!!」」」」」」」」


 ・・・は?


 思わず後ろを振り向く。すると、


「ふふふ、それではさようならですねー。ユーマさん」

「また来てくれよー!ユーマ君!!」

「【剣姫】様ぁあああああああ!!!御元気でぇえええええええええ!!!!!!」

「我が女神に幸あれ」

「姉御ぉー、頑張れぇー。応援しますぅー」


 上からシシラさん、ムスク、ザルド、坊さん、モヒカンとなっている。・・・あれ?なんでここに?


 それどころか町の人々、門番A&Bまでいる。・・・彼らにはとんでもないことをしたよなぁー。


「【剣姫】様!!どうかご無事を!!」

「最後に一回踏んでください!!姉ぇ様!!」

「一発デコピンよろしくです!!」


 ・・・最初の以外、全員おかしいだろ。


 とりあえず全員にお仕置きをかました。


「ドッキリ大成功、かな?ユーマ」

「まさかキリア、コレお前が?」

「実際に計画したのは私でーす!!」

「リーラ!!?お前こんなことできたの!??軽く感動するんだけど!!」

「最初から最後まで失礼だねー」


 そうか、コイツら俺のために集まってくれたのか・・・俺、そこまでのことはしてないんだがな。


「してますよ?」

「だから、最初から最後まで心読まないでください、シシラさん」


 ホント、心臓に悪いんだよ。


「ふふふ、でもユーマさんに自覚がないだけで本当にそれだけのことはしてるんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ、だってあのストレッド・キャッスルはユーマさんが止めていなければこの町に多大な損害を及ぼしたでしょうし、犠牲者も沢山出たと思いますよ。それを考えると感謝しても仕切れない程ですね」

「・・・そうなんですか」


 なんだかむず痒い。こんなに真っ直ぐ褒められたことがなかったし照れるな。そんだけ俺がねじ曲がってんのかな?


 人々が俺に向けて喝采、拍手、シャンパン、花びら、紙吹雪を送る。・・・ここまでのどんちゃん騒ぎ、すげーな。


 本当に照れる。・・・けど嬉しいのもなんだかんだで事実だな。


「ありがとうな」


 みんなに向けて笑顔を送る。


 人々から見るとそれはまさしく女神の微笑み


 ちょうど勇馬の後方から風が吹き、勇馬の髪が芸術的に広がったのもその笑顔を一層神々しく輝かせた。


「「「「「「「「「「ウボァああああああああ!!!!!」」」」」」」」」」


 多くの人々がその笑顔に気絶する。犠牲者はたっぷりだ!!


「・・・出ましたね、犠牲者」

「コレは俺が悪いのか?」


 なんか釈然としねぇ。


 すると、キリアが俺の前に進み出てくる。そして、右手を俺に向けて差し出し、口を開く。


「今度会うときは、君を支えられるようになるよ。だから、待っててね」


 この言葉とともに。


 ・・・ずるいなぁ。


「おう、待ってるぜ」


 強く握り返す。俺の涙腺は緩みかけている。


 その涙を見せぬように俺は今度こそお世話になった町に、人々に背を向ける。


 そして、手を頭より少し上になるまで上げ、


「あばよ」


 さっき言えなかった言葉を今度こそ言った。


 もう後ろを振り返らなくてもいい。


 いつか帰ってこよう。ここに。


『またこよーね、シショー』


 おう、そうだな。


 そして、俺は歩き出した。


 次の冒険に向けて。


「「「「「「「「「さようならぁあああ!!!【剣姫】様ぁあああ!!!!」」」」」」」」」







 ・・・最後の最後にそれを言うのかテメェら。


 ・・・もう一度戻って殴ろうか?


『もういこーよー』


 ランの【念話】が俺の頭に響いた。

お次は閑話でございまーす。できれば今日のうちに三章終わらせたいでーす。

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