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異世界で無双してもコンプレックスは直らない件  作者: 製造物
三章、始めの街的なところ編
70/132

60、こっちの方が主人公らしいのはなぜでしょうか?

 〜キリア〜


 キリアは木を乗り越え、勇馬に教えられた道をもとにリーラのいるアジトへ向かっていた。・・・肩にランを背負いながら。


『次こっちを曲がるといいよー』

「って、喋ったぁあ!!?」

『静かにしないとダメだよー』


 いやいや、今はそんな些細なことは問題ないならない。今、幻聴が聞こえていることこそが問題なのだ。


(僕、今まで色んな病気や怪我にかかってきたけど幻聴は初めてだなぁ)


 胃痛、頭痛、吐き気、目眩、魔獣にやられ大量出血、暗殺者による背中ぶっ刺され、毒により長時間にわたるダメージ、さらには一時期不治の病にかかったこともあった。


 だがなぜか。そうなぜか、幻聴は経験していなかった。


『幻聴じゃないよー』


 ・・・まじで?


『まじでー』


 まじのようだ。


 ・・・え?ユーマ、この子喋れるの?


 今ほどユーマがいなかったことを後悔したことはない。誰か!説明してください!この状況を!!


『そろそろアジトが見えるよー』

「・・・ホントだ』


 そこはボロボロの廃墟。だが門が神力を吸収する鉱物、アンダマイトでできており、壊すのは容易ではない。


 しかも丁寧に門番までいる。1人でも倒し損ねて応援を呼ばれてしまえばひとたまりもない。


 どうしたものかとキリアが考えた時、神力の収集の反応をキリアは感知した。


 敵にばれたか!?と思ったのもつかの間。その方向を見ると・・・


『チャージ完了まであと1びょーだよ』


 巨大神法を発動しようとしているランがいた。


 キリアはとりあえず色々ツッコミたかった。


 何で動物が神法を使ってるの?とかその前に脳内に響く声はなんですか?とかチャージって確か神法の中でも上位技術だったよね?とか神力の大きさハンパじゃなくない?とかめっちゃくちゃ思っていた。


 だが、その思考を吹き飛ばすように、


『はっしゃー!!“ばくはー”!!』


 ギュオン!カッ!ズガァアン!!ギャー!グッシャーン!ガラガラ


 ・・・建物が吹き飛んだ。


ちなみにだが“ばくはー”は神法の技名である。ランらしいネーミングセンスであった。


 えっと・・・ごめんなさい。


 敵であるはずの人々に心からの謝罪を送る。


『さあ、いこー!』

「・・・」


 ランが喋るごとにキリアが静かになっていく。というか無表情だ。


 だが、流石は冒険者の集まり。半壊した門をくぐり抜けると冒険者たちがキリア達を包囲していた。


 そして、冒険者達の奥には高台があり、その上には教祖の服装をした、キリアにとって見覚えのある人物がいた。


「やあ、思ったよりも遅かったじゃないか?()()()?」

「くっ!貴方が犯人だったのか!ビトールさん!!」


 それ人は王都にいた際、お世話になっていた大臣の1人。


 思わずキリアが神法を使おうとする。しかし、


「皇子?この方がどうなってもよろしいので?」

「っ!リーラ!!」


 高台の横に潜んでいた冒険者が鎖で縛られているリーラを引きずりながら現れた。


 リーラは身体中にアザを作り、ひっそりと目を閉じていた。


 キリアの中に激情が吹き出す。


「どこまで腐ったんだ!ビトールさん!?」

「さあ、私は常にこのような性格でしたよ。さて、私の要求を飲んでもらいましょう」


 だが瞬間、


『“ふっき飛ばせ〜”!』

「え?」


 ドドドドドドドドドドドッガーンッ!!!


 いつのまにかキリアから離れていたランが高台を、リーラを縛っていた男もその他の冒険者たちも殲滅した。


 おそらくムスクさんがここにいれば「人がゴミのようだ!」と言ったことだろう。


 色々ランさんやべぇえ。


 キリアは胃が痛くなった。


 すると高台から現れる影、もちろんビトールだ。


「ふざけるなよ、貴様!正気か!?人質がこちらにいたというのに乱射など!?」


 それに関してはこちらが聞きたいです。ランさんに。


 急にビトールがリーラめがけて走っていく。おそらくは人質の確保のためだろう。


 ランは慌てて神法を放とうとする。だが、


「させるか!!」


 今度は皇子様の方が速かった。


 剣の腹でリーラに向けられていたビトールの手を払った。そして、


「お前が触れていい人じゃない!“コール・スコール”!!」


 風の弾丸が邪悪を吹き飛ばす!彼の技名やセリフが多少、木暮風なのは気にしないでほしい。


 そして、床に倒れ込んでいるリーラをそっと抱き寄せた。


「よかった、よかったよ」


 目に涙を浮かべ喜ぶキリア、しかし


「キリア君、ちょっと恥ずかしいんだけど・・・」

「え?」


 あれ?気絶してたんじゃ?とキリアは目を点にする。


 すると、


「いや、まさか私がヒロインみたいな展開になってない!?ってちょっと気が遠くなってただけで・・・気絶してたんじゃ・・・ないよ」


 顔を赤らめながらポツポツと珍しく小さな声で話していた。


 そして、今の状況をキリアは整理する。


 ・リーラは気絶していなかった。

 ・今絶賛リーラを抱き寄せ中


 ここでまずキリアはリーラから手を離した。顔を真っ赤にしながら。


 そして改めて今の状況整理を続行する。


 ・つまり先ほどまでも気絶はしていなかった

 ・よって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 そして気づく


 あれ?つまりさっきまでの自分の本心は聞かれていたの?


 と。


 胃が絶好調で痛くなる。最早その痛さはユーマのデコピンと同等だろう。


 そして次の言葉を呟いた。


「穴があったら埋めて下さい・・・」

「えっ!ちょっ!キリア君!?まさかのここで気絶なの!?」


 そしてそんな光景を見ながらランは自分のシショーから言われていた指示を思い出す。


『お前はあくまで皇子の手助けをしろ。助けるのはあいつ自身に任せとけ』


 という指示を。


 これでいいのかなぁーとランは頭を傾けた。


 刹那


 地響きが世界を振動させた

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