56、誘拐が日常茶飯事っておかしいですか?
“女”?
多分だけど黒髪ロングは俺のことだよな?女とは書いてないしそうだと思う。
そんで俺とキリアの周りにいた女・・・リーラだよな?
いや、だが有り得ない。そうなるとランのガードを防いできたのか?
ランはずっとリーラの周りを見張っていた。そのリーラを誘拐するにはランを倒すという条件が必要になる。
この町にはランどころか狼すら倒せない冒険者が大半、というかほぼ全体的にそうだ。
というわけでその可能性はほぼな『シショー、ごめんなさーい』・・・ラン?
人垣の方に目を見やるとそこにはランが足と足の間を通り抜けトコトコと(走ってます)向かってきていた。
・・・え?リーラは?
『おい、ラン。リーラは?』
『それがね、リーラさんがね、「お買い物行ってくるからお留守番しててねー」って言ってたから待ってたんだけど、帰ってこないの!・・・ボクのせいかなぁ』
・・・まじかよぉ。
つまり、この紙の内容は本当だと考えてもいいわけだ。
キリアが気になったのかメモを覗き込んで見ていた。こいつもまたギョッと驚いていた。
「ユーマ!この内容って!?」
「とりあえず、ムスク。今すぐ四階を使わせてくれ。有無は言わせねぇ」
キリアの疑問の声を制し、勇馬はムスクを脅す。
「わかったが・・・理由は後で聞かせてくれるんだろうな?」
「ああ、約束する。あと、シシラさんも付いてきてくれ」
「・・・はい。わかりました」
俺たちはギルド室へと向かい始めた。
犯人はもう目星はついているが・・・さて、どうなるものか?
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「いきなり本題だが・・・おそらくリーラが誘拐された」
シシラさんとキリアがその言葉に顔を歪ませる。
当然の反応だ。シシラさんは家族として、キリアは友達、はたまたそれ以上のもの。
俺?あまり気にしてませんが?
だって俺、よく誘拐されたりされかけたりっていうのが日常ですもん。今更、驚くのがおかしいくらいに。
さらに言えば相手は取るに取らない相手。すなわち雑魚。簡単に潰せる。
だからそこまで不安ではない。
だがあくまで不安要素はある。
たしかに相手は驚異にこそなり得ない。だがそれは俺にとってのだ。
それはリーラにとって驚異にならないという話ではない。
さらに相手が単細胞どもでこちらとの力量を理解しようとせず無闇にリーラを傷つけようとする危険性もある。
その点を考えると厄介だ。
さて、ここで問題なのはキリアもいっしょに連れて行くのか?ということだ。
ここに書いてあるのは俺たち2人が相手の本拠地に行くこと。
もし、俺1人ならば特に問題なく相手を倒してリーラを助けられる。
だが、キリアも指定されているんだよな。
もしキリアがついてくるなら正直邪魔。俺とランで行って助け出す方が効率的。
「キリア、ちょっといい・・・」
俺はキリアにそのことを話しかけようとした。
しかし、キリアの目は真っ直ぐに俺を射抜いていた。
そして、キリアは口を開く。
「ユーマ、足手まといなのはわかってる」
キリアだってバカではない。それぐらいのことは理解している。
「だったら・・・」
「でも!それでも!俺はリーラを取り返しに行きたい!」
普段、温厚としか言えないような性格をしているキリア。
その男が今、自分自身の願いを押し通そうとしている。
どれだけ無謀かは理解しているだろう?
どれだけそれが意味のないことだと理解しているだろう?
勇馬には理解ができなかった。
だが、それでも・・・その願いに手添えはしようと何故か思わされた。
勇馬はキリアの肩に手を乗せた。その肩は少しだけ震えていた。
武者震いなどではないだろう。口答えをした目の前の存在が埒外の化け物であることを理解してこその震え。
それでも自身の欲望を押し通そうとした。
それはある人は愚者と呼ぶかもしれない。
ある人は無駄だというかもしれない。
だが、あえて今回はその背中を押す。
「俺はあくまで手助けするだけだ」
その言葉にキリアは目を見開く。
「リーラを助けるのは俺じゃない」
その言葉がキリアに火が灯らせる。
また、キリアは震える。今度は恐怖によるものではなかった。
「お前だ」
全身に力が込められた。
周囲がクリアになる。
高ぶっている心を抑えながら、返事を、数少ない友人へと、返す。
「ああ」
こうして、ヒロインを取り戻す、皇子様の物語が動き出す。
勇馬:さて、なんで投稿時間がいつもより断然遅れてたのか説明できんだろうなぁ?
製造物:黙秘権を行使する!!
勇馬:コイツに尋問を始める!!
ヤクザ:YES、SIR!!
製造物:ノーゲー○・ノー○イフのアニメ見まくってました!!
勇馬:・・・殺せ
ヤクザ:了解です!!
製造物:ギャー!!




