6、RPGなこの世界●
前回までのあらすじだ!
突如、クラスメイトとともに異世界へと召喚されてしまったヤクザの息子完全万能男の娘系主人公、黒輝 勇馬!
クラスメイトがヘイヘイフー!と騒ぐ中、一国の王であるイミス・ヴィル・クロードと互いを平等に考える条約を結んだ!
これだけだ!
・・・なんでこれだけなのにこのコーナー開いたかって?
知るか!
以上だ!
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「すてーたす?」
俺は壮大な機械を見上げながらイミスに尋ねる。片言なのは状況がある意味で飲めていないから、だ。
そしてイミスは『知らないの?』的な感じで自信満々に目の前の機械とその性能について饒舌に話し始めた。
「うむ、その通りじゃ。この神具は測定した対象のステータスを測るための物じゃ。・・・まさかこれすらもお主の世界には無いのかの? 貴様らの世界にはこちらに無いものが多すぎるのではないか?」
それはお前らの世界がRPGの世界だからだろーが!
そう俺は心の中でツッコミを入れる。そうとしか言いようがない。
まあ、ステータスというものは皆様の予想通りゲーム的なアレらしい。
そこに映されるのは名前、性別、レベル、生命力(HP)、体力(SP)、神力(MP、というか俗に言う魔力のこと)、筋力(AP)、抵抗力(GP)、神法抵抗力(MGP)、速度(FP)、そして称号とスキルと分けられている。
これらのステータスを上げるには鍛錬などが必要となるようだ。ただしレベルは称号によって鍛錬するものが別である。
例えば称号に【鍛治師】だけを持っているとする。その者が戦闘に参加するとする。するとレベルは一個も上がらんのだ。
つまり戦闘だけでレベルが上がる、というわけではなく各々に適した鍛錬を行うことで自身のステータスを効率よく上げられるのだ。
さて、すこしだけ説明した称号だがこれは生まれつきの才能か条件を達成することによって獲得できる。これは持っているだけで効果を発揮する。
一方スキルも獲得条件に関してはそれと同様だ。しかし、スキルは称号獲得に応じて獲得することも多い。またこちらは任意で発動する必要があるのだ。
ざっとステータスの説明はこんな感じである。
「まぁ、ユーマは最後にして他の奴らからにするかのう。貴様は最後の楽しみじゃからのう」
「・・・別にいいが。あまり期待すんなよ?」
「最悪お主は文官としてでも雇うわい。貴様のステータスが何にしろハズレはないのじゃよ」
「・・・あっそ。ならいい」
勇馬は直球の褒め言葉に僅かに照れた。そして顔をイミスから見えない位置に隠す。勇馬は根幹からのツンデレである。
「じゃあ、まず俺から行きますよ」
勇馬がツンデレている間に天翔がその器具の前へと進み出た。・・・目をキラキラと輝かせながら。
あいつには危機感というものがないのだろうか? そんなにあいつ、オタクだったのかなぁ~?
「・・・怪しいとか思わんのか?」
「なんでです?」
どうやら真性のど純粋な男らしい。流石のイミスも唖然とした。そら、未知の物体に自ら進み出るなんざ普通おかしいからな。
イミスよ、お前はおかしくねー。そいつがおかしいんだ。あいつには人を疑うという機能がついてないんだ。
そんなことを考えてるとき天翔は器具の説明を受けていた。目が爛々と輝いている天翔はほっとこう、そう思えた。
それよりも、あの器具がどんなのか見ておく必要がある。
とはいえ壮大な部分が付いているとはいえ、どう見ても血圧計なのだが・・・。
操作方法も血圧計そのものだ。腕突っ込んで測ってもらうだけ、以上!
天翔が腕を突っ込んでちょっとしたらその器具の上に近未来的な画面が出てきた。俗にいう【ステータス・ウインドウ】というやつだ。
そのウインドウもどきをジーッと見るとこんなんが見えた。
天翔 総司 ♂ Lv.1
【種族】
上級世界人
【ステータス】
HP 1500/1500
SP 800/800
MP 1000/1000
AP 500
GP 550
MGP 650
FP 600
【称号】
勇者、聖人、聖神の加護を受けし者、上級世界人
【スキル】
光神法Lv.3、障壁Lv.2、火神法Lv.1、水神法Lv.1、土神法Lv.1、風神法Lv.1、HP自動回復Lv.1、MP自動回復Lv.1、成長倍加Lv.1、聖神の加護、アイテムボックスLv.1
・・・もうホントにRPGだなぁ。てか、天翔凄そうな感じだなぁ~~。
なんたって勇者なのだ。あれだ、チートとかいうやつだ。流石はヒーロー的な精神の持ち主だ。
ちなみに、種族の部分にある【上級世界人】はこの世界の人間よりも上の世界にいる人間のことを表すそうだ。だから、こっちにきたらこっちの世界の人よりも強いわけだ。
こんな色々設定いらん!ややこしい!
「次、黒輝勇馬さん」
あらま、いつの間に最後まで回ってきたのか?
それにしても・・・やはり男の性なのかワクワクはする。・・・魔法は使いたいなぁ~。
そう思いながら血圧計もどきに腕を通す。
目の前にステータスが現れる。俺のステータスとやらはどんなものか見せてもらおう。
そうして出てきたのがこちらになりま~す。
黒輝 勇馬#♀《男の娘》Lv.1
【種族】
上級世界人
【ステータス】
HP 150/150
SP 560/560
MP 0/0
AP 380
GP 200
MGP 15
FP 8900
【称号】
剣闘士、美食家、魔女、被封印者、上級世界人
【スキル】
剣術Lv.4、闘術Lv.4、天眼Lv.1、念話Lv.1、魅了Lv.1、万能味覚Lv.2、封印Lv.3、成長倍加Lv.1、アイテムボックスLv.3
『娘』、『女』、『魅了』、それらがいきなり俺の怒りを頂点までぶっ飛ばした。
そして怒りのままに俺は咆哮する。
「ふざけんなぁああああああああいやぁああああああああああああああ!!!!」
そして後頭部あたりがプツンッ、と切れた感覚を鳴らす。
そんな俺にこのあとの記憶はない。