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異世界で無双してもコンプレックスは直らない件  作者: 製造物
三章、始めの街的なところ編
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48、ご飯おーいし、この街ー

 俺はあの後土下座をリーラに要求された。イケメン様ことキリアにリーラを宥めて貰ったおかげで助かったのだが・・・。


 そして店の中はちんまりとしており10人が限度だろう。木製の机や椅子、キッチンは清潔感があり、ほんわかとする。


「へー、ていうことは妹とは知り合いだったんだね!・・・ギョーザ一人前お待ち!」

「おっどうも。・・・ところでリーラの妹さんって特殊能力持ってたりしない?」

「・・・やっぱり普通はそう思うんですよね。あの人に会う度に胃痛に会う僕は間違ってないんですよね!!」

「ああ、胃痛はおかしいがお前は間違えてはいない。目の前の子とその妹は何かがおかしい!完璧にだ!」

「聞こえてますよー、クシヤキお待ち!」

「「すいません、そして頂きます!」」


 こんな感じでほんわかトークが進んでいく。ちなみに今リーラは俺とカウンターを挟んで様々な料理を調理し、キリアは俺の隣に座っている。


 リーラは明らかなおテンパタイプ。どちらかというと小学生男子みたいな知能を持っている。それを言うと絶対キレられると思うが・・・。


 一方、相方キリアは基本的には普通なのだが、どうやらストレスを感じやすいタイプらしく胃痛が度々起きるようだ。哀れな性質よ。


 トントンと包丁の刻む音が響く。


 勇馬のお腹の虫は何度もクルルルルと鳴いていた。


 ランは『ごはーん、ごはーん、シショーまだぁ?』と念話を飛ばす。


 キリアは何度かシーラさんを見て少しだけ顔を赤らめていた。


 勇馬はニヤリと笑っていた。ははぁん、そういうことか、と。


「はい、スキヤキお待ち!」


 ・・・なんだかとても懐かしいな。昔は毎食のように出て来たのに・・・。


 今目の前には料理の数が数十も存在している。


 というかネーミングと見た目が日本にいた頃と大概同じなんだが・・・気のせいだよな。気にせずに・・・


「「「『いただきます』」」」


 ちなみにこの声は勇馬、キリア、リーラ、ランの4名によるものだ。賢者の書ははみ子だ。賢者の書は少しだけ、いや大分「私の目の前で食べないでください」と考えていたりする。


 勇馬は生姜焼きもどきをご飯もどきの上に乗せまとめて頬張る。


 すると勇馬の服がはだけた!なんてことはないが、それぐらい美味しかった。


 食レポ?そんなもの無理です。専門外です。邪神にでも頼めば?


「・・・はぁ、なんだか懐かしい味だなぁ」


 ふと日本を思い出した。あの両親(人でなしと天然阿呆)は元気だろうか?と。


 そんな想いを乗せながら勇馬はホロリとその言葉を呟いた。


 すると、いきなりリーラとキリア、特にリーラがその台詞に対して驚愕と取れるような反応を起こした。


 彼らは掴みかかるように急に接近し、そしてリーラが叫んだ。


「もしかして勇馬、()()について何か知ってる!?」

「っ!?」


 今度は勇馬が驚く番だった。


 地球だとっ!


 というかそうなると今目の前にいる彼らはこちらに召喚された人間ということか?


 その割には2人ともどことなく西洋的な顔立ちをしているが・・・


「もしかして、君って“転生者”じゃなかったりする?ちょっと顔が日本のモデルみたいな感じだし」


 モデルとは失礼な。


 いや、そんなことより・・・“転生者”?


 つまり彼女達は召喚されたわけじゃないのか?


 詳しく話を聞くと“転生者”はリーラだけであり、あくまでキリアはたまたま知り合った友人といった関係らしい。


 ちなみにキリアは友人と言われた瞬間少しがっかりとしていた。キリア、早計だ。しっかりと彼女は君のことを意識していると俺は予想しよう。そっちの方が面白いし。


 閑話休題、リーラは前世、高校に登校中、トラックに轢かれて死亡。そのあとカリエント家に女の子として産まれることとなった。


 しかしこちらの言葉はなぜか日本語であり、覚える必要などはなかった。そのため不自由どころか結構な優等生として有名だった。


 ・・・たしかにあまり意識はしていなかったが言語も書きも日本語・・・おかしいな?


 それはともかくその後、前世の夢であった料理人になることに。その店を作ろうとした際にキリアと会う。そしてリーラは料理人として、キリアは食材などを安価に仕入れるため冒険者といった感じで共同して店を建てることになり今こんな風になっているようだ。


 ・・・とある美食家と料理人の関係を彷彿とさせるな・・・。


「・・・なんか壮絶だな」


 死んで、転生して、子供として生活をして送って、料理人になって・・・なるほどだいぶハードな人生だ。勇馬はそう思った。


「それでキリアはなんで協力をするようになったんだ?」

「えーっと、・・・単純に彼女の料理が美味しかったので・・・」


 このヘタレめ!と勇馬は心の中で罵った。ちなみに勇馬には好きな人などはできたことはないので彼よりもよっぽど恋愛経験は無いはずなのだが・・・。


「それにしても、勇馬は勇馬で異世界召喚・・・本当にファンタジーだよねー」

「本当にそれなっ!」

「ふ、ふぁんたじー?というか異世界召喚がワッドライトで行われていたとは・・・」


 やはり地球の人々から見ればこの世界はファンタジーらしい。勇馬は自分の感性がおかしくないと安心した。


 それにしてもキリアは“ワッドライト”という言葉に少し敏感に反応しているように思える。何かあるのか?


「あー。やっぱり、地球出身の方と話すのはのは楽しいなー」

「ええ、久しぶりな感じで良いですね」


 俺もよく思えば2ヶ月ほどは誰とも話してなかったわけで・・・久しぶりにキチンと話した人が地球から来た人とはなー。


「そうなんだよね!まだ、喋り足んないし・・・今日はうちに泊まっちゃえ!」

「「・・・えっ?」」


 衝撃的な言葉に俺とキリアは口を揃えて唖然としたのだった。

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