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38、森の熊さん(スモールサイズ)

『ボクを弟子にしてください!』


 その発言は勇馬を大いに混乱へと落とした。


 その混乱ゆえに勇馬はとりあえずその子熊を脇へ抱え、再びイソギンチャクの部屋へと戻った。


 そして今勇馬は必死に考え込んでいた。そしてその横では子熊が蝶々らしいモンスターを追いかけていた。


 ちなみに今の勇馬の心境はこの通りである。


 まて、まずおかしいだろ。なんで魔獣が人間に対して弟子入りを志願するのか。それ以前に親を殺したのになんでそれでも平気なのか。またなぜに【念話】が使えて、人語を理解できるのか。というか、なにゆえこのクマさんはダンジョンの化け物なのに可愛いのか。


 そんな疑問が頭の中に浮かびまくっていた。


 そして勇馬はその疑問を蝶々の鱗粉によって麻痺状態に陥っていたクマさんに投げかけた。


 すると・・・


 まず1つ目の疑問には『強さに種族は関係ありません!』という正論を。


 次に2つ目の疑問には『親には共喰いされそうになっていたのです』というエグい言葉を。これに関しては賢者の書から付け足しがあって、『同種族の場合は相手が子供でも食べることで魔石を取り込み成長できますので』と帰ってきた。つまり人間の場合は人間食っちゃえば成長できるんだなとグロいことを思った。


 3つ目の疑問には『なんでか知りませんが僕だけが使えます』という謎は謎のままになって帰ってきたような感じだった。これに関しても付け足しがあって、『おそらくこのクマが特殊個体であるからでしょう。』と帰って来やした。


 そして最後の疑問には『それは知りません』とピシャリと言われてしまった。これに関しては賢者の書も『知りませんよ。そんなの。特殊個体だからじゃありません?』とぶっきらぼうに答えてきた。


 その結果、1人で進んだ方がいいという効率か、このクマさんをもふりたいという欲望が頭の中で駆け回っているのだ。


『いや、なんでこのクマを食べるという選択肢が無いんですか?特殊個体なんですよ?』


 ・・・は?そんなのこのクマさんがかわいそうじゃ無いか。何言ってんの?


『・・・』


 なんか言いたげだけど無視しとこ。


 その時服を少し引っ張られるような感覚を覚えた。振り向くとそこには上目遣いでこちらを見てくるクマさんがいた。潤った目で!


『ボクじゃ・・・だめですか?』


 クマさんはこちらを仲間になりたそうな目で見ている!潤った目で!


 もう一度言う、潤った目で!


 その目は見事勇馬のハートを射抜き、


「ーー。採用!!」


 即決させた。


『わーい、やったー』


 勇馬は自覚がないが、女子っぽいところがある。例えば今回の可愛いもの好きであるとか。


『じーーー』

「あ?なんだよ?」


 賢者の書は1人(1冊)ため息を吐いた。


 このマスターは大丈夫か?と。

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