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12、しーごとは積もるーよ、どーこまーでーもー●

「イミス!!なんだこの金の配分方法!?アホか!?」

「どこがじゃ!?」

「なんで刑務所に金使いまくってんだよ!?しかもその使い先が囚人の食費って、こんな食費でなにを買うんだよ!?」

「ふむ・・・まず食事はちゃんとコース分けしておるし、・・・」

「アウトォォォオオ!!!!」

「なぜじゃ!?」

「そんな食事農民ぜってーしねーよ!そんなの貴族の食事だろーが!囚人の食事なんざ硬い黒パンぐらいで十分だよ!」

「「「「ひっっどっ!!」」」」

「酷くねぇぇぇぇ!!!アホンダラどもがぁぁぁ!!」


 この会話は俺とイミス、騎士達のものである。議論の内容は税金の使用先についてだ。


 先ほども言ったように俺はこのような異世界にしてはリアルな仕事ばかりしている。


 園田は会計、ただし俺より労働時間短い。


 蓮はこの世界に新しい娯楽を作り上げた、恐ろしいもんだ。もちろん俺より労働時間は短め。


 他の奴らは訓練をしている。こいつらが一番、自由時間が長い。


 俺もしているが、プラス仕事なのでアホらしいくらいに疲れる。


 ひいては、国の重鎮達と肩を並べて議論しているわけだが、勇馬が萎縮するどころかむしろ重鎮達の方が勇馬に対して驚きの目を向けていた。


 重鎮達は最初俺に「上位世界人とは言え子供、政治に口出しする脳などどこにあろうか、いや無い」とかいう反語を立てたり、「ガキが出しゃばることなどまず許されない! なぜなら我が美しいから!」などと仰け反って(のけぞって)いたのに、今では「「「「「俺らいらなくね?」」」」」と自分たちが議会にいることに疑問を感じていた。


 ちなみにこの会議の時間は夜の10時であり、この後俺には書類まとめやら各部署の管理などをする感じだったりする。


 寝るのは2時ごろになりそうだ、そう思いながら俺はこの会議を進めていった。


 ......................................................................


 ~蓮~


「勇馬、さすがに大丈夫?」


 アゲハちゃんが寝不足らしき勇馬くんを見ながら、心配し始めた。それも仕方がないだろう。


 だって・・・


 私たちの目の前にはアッツアツのシチューが入っている皿に顔を突っ込ませながら熟睡している勇馬くんが目の前にいるからだ。


 周りからはすごくドン引きされている。全く、美人が台無しだね。


 ・・・こんなの本当にあるのだね。物語の中だけだと思っていたよ。


「うーーん、だいじょ・・・グー」

「言い切れよ!そこは!」


 顔がシチューまみれになりながらまだ眠そうな声で応える勇馬くんに園田が関西人顔負けレベルのツッコミを出す。


 勇馬くんはそのツッコミを聞いてやっと目が覚めたのか、今度はいつも通りの声で話しかけてくる。


「ああ、やっと目が覚めたよ。サンキューな、お前ら」

「「「それより大丈夫か、お前!!?」」」


 絶対に火傷してんだろう!?そんな意思を込めた私達のツッコミが木霊した。


 ......................................................................


 ~勇馬~


 うん、やっと頭がちゃんと働くようになってきたな。昨日は寝るのが遅くなってしまったな。


 反省しよう。


 と思いながら勇馬は再度書類仕事を始めていた。どうやら勇馬には反省する気がないようだ。勇馬さんはワーカホリックなのかもしれない。


 だが仕方ないだろう。だって昨日、クラスメイトどもが城の壁を神法でぶっ壊したことでいろんな仕事が俺に回ってきたんだよ!


 その犯人は北村(きたむら)安東(あんどう)九重(ここのえ)ら3人。こいつらは許さねぇえええ。いつか八つ裂きにしてやる。


 そう思いながら書類を確認し、ハンコを押していく。一部、異世界人のおかしな要求の書類があったがそれは千切りに千切った。


 すると扉がバーン!と開き、人型の何かが勇馬に特攻した!


 椅子に座っていた勇馬、一応前世では強かったはずなのですがその速さには対応しきれず、その勢いのまま勇馬も吹き飛んだ。


「・・・ぃってぇ。・・・お前かよ、アゲハ?」

「うん! 勇馬くん! 聞いてよニュース! ニュース!」


 ちなみにアゲハはみんなの前ではそれなりに落ち着いて行動しているのだが、俺だけの前だと素が出る。単純にオテンパにチェンジするのだ。


「この光! 凄くない! これが精霊なんだよ!」


 アゲハが指す五色の光。それぞれ赤、青、緑、黄、桃の色を持っている。


 確かにファンタジー、ファンタジーでは有るのだが・・・


「・・・虫?」

「蛍じゃないってばー!!」


 そう、なんだか地味だ。空中で光ってるだけとか便利な照明でしかないし。


「・・・ん? またこの子達変なこと言ってるね」


 急にアゲハが虚空に耳を貸す。ファンタジーに頭が染まりきったのだろうか?


「何も言ってねぇようにしか思えないんだが?」

「ん? 言ってるでしょ? 『虫! 虫って言われた!』『うっひょー! あざっす!』『ワタシはウジ虫です!』『I'm a dast』『感謝、感激、梨汁、滴る』って」

「・・・」


 やべー奴らだった。精霊とはこんなにもふざけたものだったのだろうか。しかも最後のやつなんかは勢いの弱いふ○っしーである。


 絶句する勇馬、そして気が戻った瞬間に肩を掴み真摯に向き合う。


「・・・悪いことは言わねぇ。そいつら捨ててこい」


 と川で取ってきたザリガニを嫌悪する母親の如く、勇馬がアゲハを叱咤する。


「やだー! この子達飼いたーい!」

「ダメです! 捨ててきなさい! そんなウジ虫ども!」

「あ! この子達、勇馬くんのこと気に入ったらしいよー」

「くっ! よんな、このLEDどころか蛍光灯にすらも負ける微弱な光どもが!」

「喜んでるよー」


 とこんなやり取りを20分間、勇馬とドMな精霊達が戦っていた。その間、書類仕事は一切進まなかった。


「・・・これどうしようかな? グリちゃん?」


 そしてアゲハは肩にのっている小さな鳥にそっと尋ねていた。

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