ハジマリ。
最近、俺はツイてないと思う。
いい女に巡り合わないし。
良いターゲットもみつからない。
「つまんねぇなぁ。」
今日も食堂でターゲットを探す
「おいこれ、何だよ。マズっ。」
買ってこいと言ったメニューが不味すぎる。
「すみません!今すぐ作り直します!」
食堂の料理人が謝ったが
もうここの料理は食べないことにする。
この学校は楽だ。
無駄に試験を受ける必要もない。
学校全体も広いし設備が整っている。
おかげで生徒会長だから好き放題だ。
「地味子ちゃん♡なにしてんの?」
「すみません、、」
「謝ってすむの?私の服に思いっきり付いたんだけど?」
「すみません、、。」
食堂の隅で何やら争う声が聞こえた。
大好物だ。
あ、、あれ、、!
「昨日の子じゃん!」
よく見てたら
夜にぶつかった子が、女子たちに責められてたようだった。
「榊原さん!!」
「何怒ってんの?」
「さっき、この子が思いっきりコーヒーかけてきたんです。それでほら、見てください。私の制服、、コーヒーで染みちゃって。」
「うわぁ、酷いね。」
確かに、これは酷い。
「すみません、、クリーニング代、出しますので。すみません。」
「これ、ブランドものなの。特注で加工してもらった制服。染みなんて取れないの。どうしてくれるの?」
「すみません。。」
「謝ってばっかり!どうすんのかって聞いてんの!!」
女の声が食堂中に響いた。
「えっと、、あの、、」
しどろもどろになる生徒の顔は、やはり見ると興奮する。
そう言ってテーブルに置いてあった
缶コーヒーを取ろうとした
瞬間
「……あ。」
掴み損ねた缶コーヒーのコーヒーが
俺の制服のズボンにかかった。
「あなた!榊原様になにしてんの!!?」
「おい、コイツやらかしたぞ!」
「退学決定だな」
見ていた連中がザワつきだした。
「…ごめんなさい。すみません。。」
「っ、、はははっ、、謝るなら、もっと、ちゃんと謝れよ。」
「すみません。。」
次は深くお辞儀をして謝った。
謝るなら、土下座して謝れって意味だってこと理解してないみたいだ。
あーおもしろ。
久しぶりに興奮した。
これはもっと味わいたい。
「きーめた!
次は、君がターゲット。」
そう言った瞬間が俺の合図。
周りの生徒の目が変わったのを
俺は笑いながら確かめていた。