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⚠︎精霊契約は計画的に!  作者: 柊 楓
精霊契約は計画的に
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第2話 「他愛ない日常」

 


 今日も俺は、楽しく自宅警備をしている。

 ついさっきまではフィリアと楽しく遊んでいたが、少し疲れてしまった為に、契約精霊達にフィリアの遊び相手を押し付けて俺は休憩中だ。


 一匹の契約精霊以外は、フィリアの遊び相手になっていることだろう。


 一匹以外とは言っても、全部の契約精霊が常に姿を見せているわけではない為、フィリアの遊び相手になっているのは数十匹程度だ。


「なあ、精霊王ってどんなやつ?」


 《母親とでもいいましょうか。優しいかたです》


 と、精霊。

 今回、俺の会話相手になってくれている精霊は、いつものお調子者の精霊とは違って、大人しくゆったりとした精霊だ。


「会えたりしないのか?」


 《うーん。マスターならば、会えなくないかもしれませんが、少し難しいですね》


「そうか。でも、いつの日か会ってみたいな」


 目の前にいる精霊もそうだが、他の精霊達も一様に幻想的にまで可愛い。

 だとすると、精霊王も絶対に美しく可愛いらしいはずだ。いつの日になるかわからないが、精霊王に会える日が待ち遠しい。

 もし会えたら、絶対に精霊王の胸元に飛び込んでやるんだ。


 《マスター、変なこと考えてますね》


 じとーっと、ジト目で精霊が俺を見る。

 その姿が反則級に可愛すぎて、思わず、


 《マ、マスター⁈》


 抱きしめていた。それはもう、精霊の柔らかな肢体の感触を愉しむように、ぎゅうっと抱きしめた。


「ったく、可愛いなー! どうしてそんなに可愛いんだよ、お前ら精霊ってやつは」


 《 く、苦しいですよぉ、マスター》


「可愛いすぎるお前がいけないんだぞ! ったく、俺はロリコンじゃないってのによ」


 《マスター、そろそろ離してくらはいー》


「何言ってんだ。もう二時間は、絶対に離してやらないからな!」


 《ま、マスター! うしろ! うしろ!》


「うしろ?」


 俺が背後を振り向くと、そこには鬼がいた。

 正確には、紅く揺らめく魔力を身体から放出している、鬼の形相をしたニアがいた。

 いや、訂正しよう。

 鬼となったニアがいた。


「ず、随分とお早いお帰りで…………」


「おい、ロリコン。なぁにしてるのかなぁあ?」


「え、えええっと、精霊を抱きしめていました。いや、合意の上だよ! ちゃんと合意したよ!」


 《いえ、してないです。無理矢理抱きしめられました》


 そこは、合意したって言おうよ!

 というかそう言ってよ!

 君のマスター、死んじゃういますよ⁈


「さて、レイジ。何か言い残すことはある?」


 どうせ何を言っても、右ストレートが飛んでくることだろう。

 ならここは、せめて強気でいくか。


「嫉妬させて……、ごめんな」


 その一言を発した瞬間。

 俺の意識は、闇の中に葬られた。




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