表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
⚠︎精霊契約は計画的に!  作者: 柊 楓
精霊契約は計画的に
33/34

第1話 「俺、幸せです」


 


「それじゃあ、学園行ってくるから。フィリアの面倒、ちゃんと見なさいよー!」


「わかってるよ、ニア。まあ、俺が面倒みずとも、他の精霊達が見てくれるし。安心しろよな」


「絶対だからね!」


 ニアはそう残して、玄関を飛び出した。

 一時間目が始まるまで、あと一○分。遅刻しないといいが。まあ、ニアにかぎって遅刻することはないか。


「ん? レイジは今日も学園いかないのかー?」


 いつの間にか、小麦色の肌が健康的な美幼女、フィリアが隣に立っていた。頭には、ちっこくて可愛らしい精霊を乗っけている。


「引き篭もりみたいに言うなよ。所謂、ドクターストップってやつだ」


「ふーん。まあ、なんでもいいや」


 と、心底興味なさそうに言うと、フィリアは他の精霊達を連れてどっかいった。


「俺の契約精霊なんだけどな……。ま、仲良いのはいいことだけどな」


 黒龍が街を襲ってから、もう一カ月が経つ。

 あの戦いで深手を負った俺は、退院した今では自宅療養ということで、家でゴロゴロしている。


 することなくて、本当にゴロゴロしている。

 フィリアと遊ぼうと思っても、なんか俺の契約精霊達がフィリアを独占してる。


 少し寂しい。


 仕方なく最近では、フィリアと遊んでる奴以外の契約精霊達との対話が、主な暇つぶしの手段となっている。

 今だって、無数の契約精霊が、俺の周囲をふよふよ漂っている。


 全ての契約精霊に、いちいち名前をつけるのも面倒臭くて、最近では色で判別している。

 そのせいか、知ってる限りでは、「赤」と呼んでる奴が数十匹いる。


 ただ、こんな現状であっても、


 《やっはろーー! 最近何してます?》


 一番付き合いの長い、この精霊だけは一目でわかってしまう。

 まあ、一緒に風呂入ったり、ハグしたり、色々したから分かるのかもしれない。


「なんもしてないよ。だから、なんかして」


 《やだよー! 言い出しっぺの、レイジがなにかしてよ》


「俺に何かできたら、こんな風に暇は持て余してないよ」


 《褐色ロリと遊べばいいじゃん》


 褐色ロリって。お前、フィリアのこと、そう呼んでるのかよ。

 言っとくが、褐色ロリでは不十分だからな。

 正確には、金髪褐色ロリ天使。


「フィリアは他の精霊達と遊んでるから、あんまり邪魔したくない」


 《何言ってんの? まざって遊べばいいじゃん》


 まざって遊ぶ?

 フィリアを独占したい思いが強すぎて、その発想はなかった。


「お前、天才かよ。ちょっと、まぜてもらいに行ってくるわ!」


 俺、十七歳、八雲 怜治。


 こっちに来てから何やかんや、色んなことに巻き込まれたけど、


「おーい! 俺もまぜてくれよーーー!」


 今、最高にハッピーです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ