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-第9-姉妹喧嘩

「さぁ……私を楽しませて……」


リーナはリナリアが空に来た事を確認すると両手を上に挙げ

両手で円を作ると詠唱を始める


「我……ここに収束し闇を解き放つ者なり……」


「なっ?! それは……」


リナリアはリーナが詠唱を始めた言葉に驚く

何故ならそれは……大魔法の詠唱『ブラックホール』である


「そんな物ここで放てば……ロイ様もろとも……!」


「空間を歪め……我は全てを包み込む」


「……イミィ! 私に力を……!」


「りょうかい」


リナリアはイミィと一緒に詠唱を始める

それ見ながら詠唱の言葉を唱えてるリーナは心の中で叫ぶ


『なるほど……私のブラックホールを止めるのね……

 でも、もう遅い……私の方が速い!』


「汝をあだ名す敵を包み込め! 収束ブラックホール!」


「……空間を歪め……イミトレイト!」


リナリアはリーナの魔法と同時に右手を横に払う

するとリーナの収束ブラックホールは発動しリナリアを個人を包んだはず

そのはずなのだが……リナリアはその場いて笑顔を浮かべている


「……リナリア、何をしたの?」


「教えるわけないでしょ……というか私個人を殺すために

 わざわざブラックホールを収束して私に放ったわね」


「……ええ、そうよ」


それを宿屋の椅子に座ったまま空を見上げていたロイが気付く


『たしかにリーナの収束ブラックホールは個人だけを殺す技の中では強い

 だがリナリアのイミトレイトは空間を歪め、自分に害する魔法を無かった

 にするための魔法……だが、それを放つためには……』


『……魔法薬、後何個あったかしら……』


リナリアはリーナに気付かれないように

左手で自分の服のポケットを漁ると手に感じた瓶の感触はあと2つ


『後2個……それまでに決着を……』


『そう……イミトレイトはたしかに凄い魔法だ、だが……リナリアであろうと

 空間を歪める魔法を易々と使う事はできない、だからこそ触媒のための

 魔法薬を使ってイミトレイトを放っている……』


ロイは空を見上げたまま難しい顔をし……独り言を呟く


「……それまでに決着か……」


そんなロイを他所にリーンはリナリアに殴りかかる

それをリナリアは横に避け、右足をリーナの頭目がけ放つ

しかし、それはリーナの右手によって防がれる


「甘いわよ……接近なら私に分があるのだから」


「……さすが脳まで筋肉になってるだけはあるわね」


「そう……ね!」


リーナはリナリアの引っ込めた足に眼をやらず

リナリアの胸めがけ左を放つ、それをリナリアが両手で受ける


『っ……なんて馬鹿力……』


「……隙あり」


その直後、リーナの拳から魔法が放たれる

その衝撃によりリナリアは後ろに吹き飛ばされる


「……」


「どう? 衝撃を与えると放たれる魔法は?

 あなたでも考え付かなかったでしょ?」


リーナは自慢するかのように腕を組み、笑顔を浮かべる

その時、両手を構えたままのリナリアが微笑み、言う


「……さぁ、どうでしょう?」


リナリアがそう言った直後、リーナの足元に黄色の魔法陣が展開され

魔法陣から伸びた光の枝がリーナの動きを拘束する


「へぇ……でもね、こんな魔法……!」


リーナは力を振り絞り魔法を断ち切ろうとする

しかし一向に枝はリーナの体から離れない


「……無駄よ、その枝はあなたの力を吸い取っているのだから」


「……随分と汚い手を使うのね」


「……汚くて十分よ、悪魔同士の対決に汚いも綺麗もないでしょ?」


そう言いながらリナリアは両手を前に構え、掌を開き

肩に止まっているイミィを使う事なく詠唱を始める


「俺は爆砕、全てを打ち崩す者なり、力を我にあり、力は我と共にある……」


「……何よ、その詠唱……聴いた事がないわよ?!」


リーナが拘束の中で暴れてる事を無視しリナリアは詠唱を続ける


「……汝をあだ名す宿敵をここに爆砕せよ

 ハーモニック・フル・エクスプロージョン!」


その言葉と共にリナリアは両目を閉じ、両手を放つと

拘束されているリーナの後ろで爆発が1つ、また1つ起きる

その爆発にリーナは目をやると男の悪魔1人、また1人と地面に向け落ちていく

それを見ながらリーナは両腕を組んでいるリナリアに言う


「何……あれは」


「何ってあんたを監視していた悪魔達でしょ

 まったく……姿を消して追いかけられるのに気付かないとは……」


「……じゃあ、今のは私じゃなくて……」


「後ろの悪魔10匹に向けて放っただけ

 お望みなら……直撃させてあげるけど」


「……お断り」


リーナは拘束された中、力を振り絞り両手を開き上にあげる

それを見たリナリアは拘束を解き、ロイの元へ降りていく


『……リナリアは初めから知っていたのか……』


「ロイ様? 無事終わりましたっ」


「あ、ああ……姉妹喧嘩はもういいのか?」


「ええ、私の勝ちですから」


「……今回『は』ね、次は負けないわよ、リナリア」


「ええ、次も私が勝つわ、リーナ姉さん」


リナリアは後ろにいるリーナを見る事なく微笑み言う

それをわかっているのかリナリアの後ろで腕を組んでいるリーナも微笑んでいる

その後……リーナがベットの端に座り、リナリアに聴く


「で、最後のあの魔法はなんなの?」


「え? ああ、エクスプロージョンの事?」


「そ、でもあれは単純なエクスプロージョンじゃないわよね?」


「……そうね」


リナリアはリーナの質問に腕を組んだまま立ち答える

しかし歯切れが良くなくチラチラとロイの方を見ている

そんなリナリアの態度にロイは気付く


『ああ、なるほど……説明していいのか迷っているのか

 まぁ、俺も聴いてみたいからいいか……』


「俺も聴きたい、説明してくれるか? リナリア」


「はいっ!」


リナリアは満面の笑みでロイの言葉に答えると

リーナは小さな声で『薄情ね……』と言った後、ベットで寝ている子を横眼で見る

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