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-第40-目覚める力

「じゃあ次はこれっ!」


スペクトラは今度は血のついた槍を2本、両手で持つ

斧で勝てないと踏んだから両手で武器を持つ事に決めたのだろう

そんな簡単理由、リーナが予測できないわけがない


「ええ、いいわよ、かかってらっしゃい」


「いっくよー!」


スペクトラの走り込みに動揺せず、リーナはその場でふわふわと浮いている

だが、そんな光景すら見ず……スペクトラは右手から槍を突き出す

しかし、それは簡単に避けられたため、もう1本の槍を突き出すと

それはリーナの手によって掴まれてしまう


「……本気できなさい」


「むぅ」


ほっぺを膨らませたスペクトラは槍を手放すとその槍をリーナは遠くに投げる

その直後、スペクトラから感じた殺気が強くなるのを感じた


「もういいもん、手加減しないんだからぁ!」


その言葉と同時にスペクトラの周囲に魔法陣が展開される

その数は4つ、しかしどれも魔法を唱えるような物ではなく

何かを封じ込めたような文字が刻まれている


『なるほど……あれはスペクトラの力を封じ込めた物ね

 でもあんな高度な魔法陣誰が……現魔王にできるとは思えない』


「ロイ様はあれは……」


「ああ、あれをやったのは俺だ」


「え? どうしてそんなことを……」


「あそこまでやらないと味方すら殺しそうだったからな

 ある程度、力を抑えたのさ」


「……元々の力は」


「ああ、魔王とまではいかなくが、その少し下ぐらいはでるかもな」


「……リーナ」


「ここからが本番だ、リーナ……お前の実力見せてもらうぞ」


心配してるリナリア余所に隣で微笑んでいるロイの顔を見たリナリアは

ある事に気づく、それは……『本当のリーナ』の力

記憶にないリナリアの力と同じくして、リーナにも眠っている物があるとするなら


「……ロイ様、だからリーナにあの子を……?」


「いや? スペクトラがいたのは予測外だが

 いつもふざけているリーナの本気が見たいのは本当だ」


その言葉と共にスペクトラの周囲の魔法陣は音をたて割れると

スペクトラは周囲にどす黒いオーラーが渦巻いている


「あはは、はははは……これが私の力、さぁ……遊びの続きをしよ」


「いいわよ、じゃあ、私も少し本気だそうかしらね」


リーナも組んでいた両腕を構え、スペクトラに向け構える

その態勢は魔法を打つ動作ではなく、明らかに接近戦の構え


「叩き合いはだーいすき! いくよ……!」


スペクトラは先程とは比べ物にならない速さでリーナに接近すると拳を構える

その拳を右手で防ごうとした時

その拳に小さな魔法陣が展開されている事に気づく


『何これ……でも、当たっちゃだめな気がする』


直感に従ったリーナは防ぐためにだした手を引っ込め

体を後ろに下げて避けようとするが

それに合わせスペクトラは空いている手でリーナを殴る

もちろん、その手にも魔法陣が展開されている


「うち抜け! いんぱくと・ぶれいかー!」


『いんぱくと・ぶれいかー』

正式な名前は『インパクト・ブレイカー』、カタカナの方が正しい表記

それは圧縮した魔力を魔法陣を拳に封じ込める

それの拳が相手に当たった直後、魔法陣から放たれた魔力の爆発が相手を包む

その衝撃は圧縮した魔力の2倍とされるため、ブレイカーと言う名前が付いた


「ちぃ」


リーナはそれを両手で防ぐがスペクトラの拳で体は吹き飛ばされ

その空いた体に『いんぱくと・ぶれいかー』の衝撃を直接受ける

その反動で地面をすり……ズサーと言う音と共にリーナの体は地面をすっていく


「リーナ……お姉ちゃん!」


リナリアは大きな声で吹き飛ばされたリーナの方を向くが起き上らない

それに向かい走り出したスペクトラは笑顔でもう一度拳を構える

その拳には先程と同じ魔法陣が紅く光っているのがわかる


「これでっ、おわり!」


倒れているリーナに殴ろうとした時、その腕を誰かに掴まれる

それは倒れているリーナ、ただし……その眼に生気なく別の何かを力を感じる


「リーナ……?」


リナリアが驚いていたのはリーナが攻撃を防いだ事ではなく

リーナの周りに漂っている蛍のような光

それは赤、青、緑と多種多様の物が浮かんでいる


「万物の精気、生命の根源か、さすがリナリアと同じミルの家系……」


「……え?」


心配してるリナリアの横でロイが小さな声で真面目な顔でそう言うのを聴き

慌てて、ロイの顔を見ながらリナリアは質問する


「どういう事……ですか?」


「お前は魔法、魔力優れ……リーナは物理、接近に優れていた

 だが、ミルの力はどちらにも存在していたのさ

 ただそれを使おうとしなかった『だけ』で」


「……じゃあ、あのリーナの周りにあるのは」


「あれは小さな精霊、今まで見ようとせず使おうとしなかった魔力の力

 簡単な魔法しか使わなかったリーナがやっと……それに気づいたんだ」

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