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-第36-ロイvsフィンラッド

『ブック・オブ・グリアス』

他者の持つ力をコピーし、それよりも強い力で使う事ができる魔書

ページを消費し、ページの切れ目が死の切れ目をと言っていい物


だが、この本は1つ……いや、何かが足りない

リナリアの力、魔法を何度とコピーしたが

リーナ達に聴いた『リナリアの暴走』の力はコピーできていない

その力を一度でも見ないと使う事ができないのか

それとも、使う者に作用されるのかは、未だにわからない


それこそ、自分に魔力が合ったのならこんな本には頼らなく

リナリア達に負担をかけぱなっしって事にはならなかったはずだ

だからこそ、自分が今、この本でできる最大限の力を使ってみようと思う


俺はフィンラッドの前で本を広げ構える

その行動を鼻で笑っているフィンラッドを余所にページは刻まれていく

しかし、そのページは何時ものように1ページだけではなかった

2ページにも無造作に文字が刻まれていく

こんな事は今までなかった事だったのが、今はそんな事を気にする余裕はない

その2ページから生まれた薄いオーラー状の武器を手に取る


そのオーラーになる前に一瞬だけ見えたそれは真っ黒な剣

しかも、剣の周りにどす黒いオーラーを纏っているのがわかる


『……これは』


「ほぅ……僕以外にもその剣を持っている者がいるとは」


「ただ似てるだけじゃないか?」


「『デモハグス・ブレード』、悪魔界で1本しかない武器をかい?」


『デモハグス・ブレード』

悪魔界において、フィンラッドが作らせた魔剣の1つ

元々の素材となったのは、冒険者……即ち、人間の武器

それを悪魔達に弄らせ開発したのが、この武器

元々がなんの武器かは不明で、その力を知る者はない


「……まぁいい、その紛い物が本物かどうか試してあげるよ」


そう言うとフィンラッドの手元に何もない場所から似たような剣を取り出す

その剣も先程、一瞬みたようにどす黒いオーラーを纏っている


「ふん、手加減だ、この武器1本で相手してあげるよ」


フィンラッドは鼻で笑い、俺に突撃してくる

それに構え、武器を振るうと剣同士ぶつかった音が周囲に響き渡る

その音はけして良い音ではなく、まるで超音波のような嫌な音


「何よ、この音……」


「……剣が泣いている」


「え?!」


「あの剣、悲しそう」


耳を塞ぐリーナの言葉に同じく耳を塞いでいるリナリアの肩で言葉を発するイミィ

それを耳で聴きながら俺はフィンラッドの攻撃を耐える


「はっ、そんな物かよっ、所詮は100盤の雑魚」


「……なら、これはどうだ?」


「あん?」


笑っているフィンラッドの剣を弾き、後ろに飛び退いた俺は詠唱を始める

それに対してフィンラッドは笑ったままその場を動かない

所詮は雑魚のやる事と言った眼で俺のやる事を見ている


「……いくぞ」


その詠唱の終了と共に俺は剣を両手で構える

すると、その剣の2倍は大きい魔力のオーラーが剣を包む

それを見たフィンラッドは笑うのをやめ、驚いた顔をしながらも詠唱を始め言う


「なんでお前如きがそれを……」


そして詠唱の隙を付き、俺は剣を頭上に構え振り下ろす

それに対峙するため、フィンラッドも同じ魔力のオーラーを付けた剣で抑える

そのオーラー同士がぶつかった衝撃は周囲の木をなぎ倒し

見ているリナリア達にも衝撃が走る


「っ……凄い衝撃」


「ええ、でも耐えられないほどじゃないわ」


「そうね……」


リナリアは肩のイミィを両手で抱きしめながら立ち

リーナは吹き飛ばされそうなミミリアを片手で首根っこを掴み平然と立っている


「ふん、似たような力が使えても……僕のほうが……?!」


しかし、その言葉とは裏腹に押し込んでいるのは俺の剣

もちろん、本の力のお陰だが、目の前の男を圧倒している


「チッ」


剣で手放し後ろに飛び退いたフィンラッドだが

振り下ろされた剣の衝撃を浴びる

無論、取り残された剣は見るも無残に折れている


その衝撃の煙から顔をだしたフィンラッドの顔からは血がでている

その血を手で払い、俺を睨むように言う


「……いいだろう、僕の城で相手してやる、こい」


そう言い残し、フィンラッドは飛びながら森を抜け

奥に少し見える城に行く

それを追いかけるため、剣を消し……追いかけようとした時

リーナとリナリアが俺の腕を両脇から掴む

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