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-第25-運も実力のうち-

「っと……その前にそのコインを見せて」


「いいけど?」


ミミリアから預かったサキュバスはコインの表裏を確認し

さらにコインの横なども良く見た後、ミミリアにコインを投げる


「どうも、じゃあ始めましょ?」


「……ねぇ、表と裏どっち?」


ミミリアの質問にサキュバスは『裏でいいわよ』と答える

それに頷き、ミミリアはコイントスをする


そのコインは2人の頭上に飛び回転

その回転数は多く、そして……地面に落ち跳ねた直後

小さな回転し、床に落ちる『面』がわかる


『勝ったわね、だって私が細工したもの』


サキュバスは微笑み、両腕を組む

しかし、回転をやめたコインはその場で縦にくるくると回り

その回転は長く……どちらの面がでるかわからない


「まだよ……」


ミミリアのその言葉にコインは今も回っている


『何、私はたしかに細工したのよ? こんな回転は……』


「ねぇ」


「何よ?」


「コイントスでどっちの面が多くでるか知ってる?」


「は? そんなのどっちも同じ確率じゃないの?」


「そう……どっちも同じ確率よ」


その回転が終わり地面に付く時、その面は『裏』

だが……ミミリアの足にコインが当たる

その反動でコインはまた少し回転する


「ただ、それにはお互いの『運』が拘わる」


「運? 馬鹿馬鹿しい……」


サキュバスはミミリアの顔を見て笑い

足元のコインを見た時

そのコインは地面についており、その面は『表』


「ほら、運の勝利よ」


「……あんた何かしたでしょ?」


「してないわよ」


「だってこのコイン、私が魔法をかけて裏しかでないようにした物」


そう言いながらサキュバスは足元のコインを眺める

しかし、どこにも細工した痕跡はない


「それは、そのコインがちゃんと地面に落ちればの話

 私の足にぶつかったじゃない」


「……あんた、まさか……わざと?」


「さぁね、運良く足に当たっただけ」


「……あんたの勝ちで良いから何をしたのか教えなさい」


「だから、運がよかっただけ」


ミミリアはそれだけ言うとサキュバス唇を噛みながらは扉を開け

小さな声で『またのご来店をお待ちしています』と言う

その言葉にミミリアは『もうこないよ』と言い、軽く手を振ると扉の外に出る

それに合わせ、リナリアとリーナもミミリアの後に続き外に出ると

扉は勝手に閉まり、その扉の方を向き、座ったままロイは言う


「遅かったな」


「だって、この2人がカジノ弱いんだもん」


「弱くないわ、規制されただけ」


ミミリアの馬鹿にしたような顔にリーナが反論するが

それに聴く耳を持たず、ロイに近寄ろうとしたミミリアにリナリアが質問する


「ねぇ、あのコインに何の細工をしたの?」


「は? だから何もしてないって」


そう、ミミリアはコインに何の細工もしてない

普通のコインで表も裏もある

ただ、打ち上げた時に裏がでるようにしただけ

そのコインにサキュバスが魔法をかけ『裏』が出るようにした

しかし、ミミリアの足に当たり『表』がでた


「ようは、地面に裏がでた時に魔法の判定が消えた後

 私の足に当たって表がでたってだけ」


「もしかして知ってたの?」


「さぁね」


「……あなたが味方で良かったわ」


「それはどうも」


ミミリアとリナリアの会話を聴きながらロイとリーナはエレベーターに乗る

すると……エレベーターが動き出し、上を目指す

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