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-第24-言葉巧みに-

「まず、最初は戦士10枚ね」


「ええ」


リーナは思い出すように両腕を組んだまま、空を見上げ喋る


「あれは魔法使いが戦士に『バーサク』の魔法を賭けたのよ」


「バーサクーって……たしか『狂戦士』って意味よね」


「そうね、ようは凶暴かして襲い掛かるみたいな図ね」


「……それで相手の戦士を吹き飛ばせたのね」


「そういう事」


リーナはリナリアの顔を見ると微笑む

その表情に『何か』を悟ったリナリアは質問する


「……ねぇ、それでよくばれなかったね」


「そんなの簡単よ、と言うか、リナリアが言ったんじゃない」


「……私が?」


「ええ、『このゲームはイカサマができる』と」


「それは相手が使った場合の話よ」


リーナの勝ち誇った言葉に呆れたような表情でリナリアは言う

しかし、リーナは右手人差し指だけをあげ言う


「ようは、バレなければいいのよ」


「……まぁ、そうね……ってちょっと待って」


「何よ?」


「まさか……あの後も全部?」


「ええ、全部イカサマをしたわよ」


リーナは『何を今更?』と言った表情でリナリアの顔を見る

それに一緒に呆れ、下を向き溜息をはいた後、顔をあげ言う


「まぁ……最後までバレなかったからよしとしましょう」


「さてっと、今お互い合わせて7.000近くね、さっさと集めちゃいましょ」


その時、カジノの人物の放送らしき声がフロア全域に発せられる


『カジノでのゲーム勝負、『リナリア』と『リーナ』

 この両名と勝負する事を禁じる』


「は?」


その言葉にリーナは唖然とし、口を開けたまま天井を見上げる

そんなリーナを余所にリナリアは腕を組み考える


『やっぱり……このまま私達を閉じ込める気ね

 それも、コイン枚数が足りない……』


そんな時、2人の目の前にサキュバスが現れ笑顔で声をかけてくる


「お二人さんっ、順調かしら?」


その言葉に2人は睨み付けると『あら、怖い』と両手を口に当てる

しかし、すぐさまその手を腰に当て、笑顔で言う


「ねぇ、今2人で何枚集まったの?」


「7.000ぐらいよ」


「あら、随分あるじゃない、よし……それ全部で1人外に出してあげる」


「10.000じゃなかったの?」


「ふふ、折角そこまで集めたのだから、1人『だけ』でも出たいでしょ?」


サキュバスは『だけ』を強調するように言う

それは明らかに、この場にいる2人で争うなりして決めろと言う笑顔


「……まだ諦めないわ」


「2人共、もうカジノでコイン稼ぎできないのに?」


サキュバスは嫌味を言いながら微笑む

その微笑みにリーナは気づき言う


「……さっきのあなただったのね」


「あったり」


リーナの睨むような視線に満面の笑顔を浮かべる

そしてサキュバスはその場で一回転すると

右手をあげ御盆を持つような姿勢で2人に笑顔で話かける


「さて、どうするの? 1人だけ外に出れるわよ」


「外に出るのはいいだけ……エレベーターは?」


「それはもちろん、外で待ってる人と2人で上にいけるわよ」


リナリアの言葉にサキュバスは左に一回転し

右手を下げると、今度は左手をあげ、先程と同じような姿勢をし

笑顔でリーナに話かける


「さぁ、どうするの?」


「しかたない、じゃあリナリアが」


リーナがそこまで言いかけた時、サキュバスの後ろから声がかかる


「え? 後何枚足りないって?」


「ミミリア……今までどこに?」


リナリアはサキュバスの後ろで両手で袋を持ちながら

きょとんとした表情で3人を見ている


「まぁ、コインが足りないのよ」


「だから、何枚? あ、3人分で」


「23.000かしら?」


「へぇ、じゃああげる」


「え?」


リーナとの会話をした後、ミミリアは袋をリーナの両手に置く

すると、リーナは予測してなかった重さに両手を少し下に下げる


「おもっ……」


「だって、その中……」


「50.000枚入ってるもん」


『え?!』


ミミリアの言葉にその場にいた3人が同時に声を挙げる


「ど、どう言う事……イカサマをしたのなら今頃……規制されているわよ」


「してないもん、『イカサマ』なんて」


「イカサマなしでそんなに集められるはずない!」


サキュバスはミミリアの言葉に怒鳴る

すると、ミミリアは『にやり』と微笑み、リーナに言う


「あ、その袋開けてみて」


「え、ええ」


ミミリアに言われた通りリーナが持っている袋をリナリアが開ける

すると……そこにはかなりの枚数があるが、明らかに50.000枚はない


「……ミミリア足りないわよ?」


「だって、そこに30.000枚しかないもん」


「……どういう事?」


「だから、このおばさんが……さっき言ったように

 イカサマ『を』使わないとたどり着けない枚数は行ってないって事」


「ちょ、ちょっと待って……私達は約3.000と約4.000枚で

 規制されたのよ、それなのにあんたは……」


「だから、してないって」


「……まぁ、いいわ……そのコインこっちに渡しなさい、3人外にだしてあげる」


「あ、そうなの? ありがとっ」


ミミリアは笑顔でコインを全部2人から受け取るとサキュバスに渡す

しかし、サキュバスはそこで笑顔を浮かべ言う


「では、最後のゲームをしましょ」


「へ?」


「……今からあなたがこのコインの中から1枚とってコイントスをして

 当たったのなら、外へ、外れたのなら0枚からスタート」


「何よそれ……約束と違うでしょ!」


リーナの言葉に『騙された方が悪いのよ』と笑顔で言う

その言葉にリーナはサキュバスを睨み付けるが

リナリアがリーナの肩を叩き、言う


「ここはあの子を信じましょ、ほとんど……あの子が集めたのだから」


「……わかった」


そしてミミリアはサキュバスが持っているコインの山から1枚を取る

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