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-第17-謎の70盤

そしてエレベーターが開き、3人と1匹がエレベーターの外に出た時

目の前に立っていたバニーガールの服を着たサキュバスが立っていた

それに警戒し、3人は臨戦態勢に入ると……サキュバスは笑顔で話かけてくる


「ようこそ、70盤『女性だけのカジノ』へ」


「……カジノ?」


「はいっ、あ……男性はご入場できませんのでこの入口の外で

 地べたにでも座って待っててください」


ロイの言葉にサキュバスは笑顔でそう言い返す

その言葉にロイは周囲を見回すとサキュバスの後ろに両開きの扉がある

そして、その外側……は何もない地面、椅子1つ置いてない

もちろん、他の男はいなく……ロイ1人と言う事になる


「あなた、ロイ様ですよ? 特別に入れなさい」


「はい? ロイ様……? そんな人知りませんし

 上層に行きたかったら、このカジノで勝ってください」


バニーガールのサキュバスは笑顔で両手を両開きの扉に差し出す

それを見た後、リナリアは心配そうにロイの顔を見ると

ロイは右手を払いながら左手で本を開く


「行ってこい、俺はここで本でも読んでる」


「で、でも……」


「行くわよ、リナリア……あ、この妖精擬きもいいわよね?」


「……いいですよ、その子も女の子みたいですし」


リーナはサキュバスに確認すると心配そうにロイの顔を見ている

リナリアの手を引き、扉を開け……中に入っていく

そして、2人と1匹が扉の中に入った後、扉を閉め

サキュバスが笑顔でロイに話かける


「……ではでは、男性はここで死んでください」


「お断りだ」


ロイはそれだけ言うと開いている本のページを見る


「なるほど……男性キラーと言うだけあるな」


「ふふ、男なんて簡単よ」


「なら、これならどうだ?」


それだけ言うとロイの周囲にピンクの煙みたいな物がおき

その煙がなくなるとロイがいた所に角のない女子が現れる

もちろん、その手には本を開き持っている


「なっ?!」


「一時的な女体化……まぁ、あの扉の中には入れないが

 サキュバス避けにはなる、本を読む邪魔をしないでくれ」


女体化したロイは平然とした顔で魔空間に手を入れると

リナリアの本らしき物2冊を手に取り表紙を見る


『男性を落とす1000の本』

『嫉妬による殺意行動の押さえ方』


「……」


ロイは両目を瞑り、その本達を空間に戻す

その行動を両目を何度も瞬きしながら

唖然とした顔でサキュバスはロイを見ている


「なんだ?」


「……あんた本当に元魔王なの?」


「さぁな、俺は今無職だ」


「無職ねぇ……なら、相手にするだけ無駄ね」


それだけ言うとサキュバスはその場から姿を消す

そのいた場所を見てロイは独り言を言う


「なるほど……あいつがここの門番か」


そしてロイはまた魔空間に手を突っ込み2冊の本を取り表紙を見る


『魔王のお嫁さん』

『羽なしとの付き合い方』


「あいつ……まともな本は全部、城に置いてきたな?」


「へっくし……」


「何? リナリア、風邪?」


「違うわよ……でも、ロイ様大丈夫かしら……」


「あんた、本当にロイ君いないとだめね」


「そんな事ないわよっ」


しかし、扉を入った場所で落ち着きがなく、閉じられた扉の方を

何度も何度も見るリナリアに呆れた表情で言いながらリーナは周囲を見る


そこは正しくカジノ

ただ……客も店員も全員が女性

しかし、カジノだと言うのに誰1人……楽しそうな表情はしていない


「ねぇ、リナリア」


「な、なによ」


未だに閉じられた扉の方を見ているリナリアに話しかけると

リナリアは体をリーナに向き直り、嫌そうな顔で聞き返す


「このカジノで勝たないとロイ君とも会えないし、先にもいけないわよ」


「どういう事?」


「……周りの女共の表情見ればわかるでしょ」


リーナの言葉にリナリアは周囲を見回す

そこには数多くの悪魔女性がいる

しかし……70盤と言う下の階層なのに4羽や貴族悪魔の女性がいる


「わかった? カジノと言う娯楽に釣られた悪魔

 偶々、下に来た悪魔……そして、何かの影響でここに来た悪魔」


「……ようは女の牢獄みたいな物ね、明らかに眼が血走ってる」


「……だから、私達が全力でやらないとロイ君があんな場所で死ぬか

 さっきのサキュバスにメロメロにされて終わり」


「め……メロメロ?!」


「そ、だってサキュバスって男性を食物にする悪魔でしょうが」


「……あのサキュバス……後で潰す」


「はいはい、殺気丸出しはいいとして、そこの妖精紛い」


「紛いじゃない、イミィリアって名前があるんだ」


リナリアの右肩で今の今までカジノを見回し楽しそうな表情を浮かべていた

イミィにリーナが話しかけるとイラついた表情でイミィはリーナに言い返す


「あっそ、じゃあイミィ、ここで魔法使える?」


「そんなのあたりま……あれ?」


「……やっぱりだめか」


「どういう事?」


1人頷いているリーナにリナリアは首を傾げ聴き返す


「今までテンパってたリナリアは気が付かなかったでしょうけど

 ここは魔法を使えないのよ、自分の運とこの手と足ぐらいな物」


「……なるほど、イカサマは使えないと……でも手と足は使わないでしょ」


リナリアの呆れた表情にリーナは両手を頭の後ろに回し

笑顔でその場で一回転するとリナリアに右手人差し指を立て言う


「使うわよ、私を誰だと思っての?」


「リーナ・ミル」


「そうそう、じゃなくて……こういう事ならお手の物って事」


「手癖が悪いだけでしょ」


リナリアの溜息交じりの呆れ顔にリーナは微笑み歩き出す

それに続くようにリナリアも歩く……が時折り、閉じられた扉を見る


『ロイ様……サキュバスに誘惑されたら、私が殺してあげます』


その思いが通じたのか扉の外で寝ていたロイに寒気のような悪寒のような物が

走るが、気のせいだと思い……ロイは女体化が切れた男性の姿で目を閉じる



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