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-第14-上に向かって

「ロイ様っ!」


リナリアはミミリアを抱え空から屋根のない宿屋に戻ると

嬉しそうにロイに近づく

しかし……その笑顔は数秒で嫌な顔になりその人物に話かける


「で、なんでここにいるわけ?」


「え? だって私、ロイ君と契約しちゃったし」


リーナの言葉に驚いた表情のままフラフラとベットにミミリアを下ろすと

ロイに詰め寄り叫ぶ


「ロイ様?! 本当なんですか?! 

 こんな野蛮な人と……一体どんな契約を……」


「失礼ね、ちゃんとした主従契約よ、ほら」


リーナは胸元を広げその証をリナリアに見せる

するとリナリアはそれを覗き込む形でジロジロとそれも長く見る


「あ、あのさ……そんなに胸ばかり見なくても……」


「あんたの胸なんかに興味はない、興味があるのはこの証だけ」


「あっそ」


リーナは呆れた表情でリナリアが見るのをやめるまで

胸元を広げ……立っていた

それから暫くして……リナリアがリーナから離れると、ロイに話かける


「ロイ様……本当にこんな奴を部下にするんですか?」


「こんな奴って……一応あなたの姉なんだけど……」


「あんたは黙ってて、私はロイ様に聴いてるの」


その言葉にリーナは溜息をつき、リナリアと一緒にロイの顔を見る

するとロイは椅子から立ち上がると2人の頭に手を起き、微笑みながら言う


「まぁ、姉妹仲良く……ってことだ」


「……ロイ様」

「ロイ君……」


その言葉に2人は嬉しそうに頬を染める

もちろん2人の感情は違うと思うが実際のロイの心の中は違っていた


『……こう言わないと俺の命が魔王になるよりも速く消える

 ある意味、この姉妹が一番の天敵なのかもしれない……』


そう考えた後、ロイは2人から手を離すと2人は『あっ』と言う声をあげるが

それをロイは気にせず、リーナに話かける


「ところで、リーナ……80盤に行きたいんだが……」


「80盤? あ……ああ、80盤は無いわよ」


「ん? ないわけないだろ……この上が80盤なんだから」


と言っても頭上の空に屋根があるわけではないので正確に上と言う表現が

正しいのかは……ここにいる全員がわかるわけがない


「……えっとね、現魔王に逆らったとかで魔王の側近が80盤をふっとばして

 今は何もないし、それにあのエレベーター、80盤を通り過ぎるから」


「……吹っ飛ばしたか……そこまで側近に力があるのか」


「ないんじゃないかしら、だからそこのエルフから魔力を奪ってたわけで」


「……ふむ、という事は80盤を飛ばして70盤に行けるんだな」


「うん、もちろん門番はいるからそれを倒さないといけないけどね」


「面倒だ……リーナ、説得してきてくれ」


「むーり、というか……私、現魔王から好かれてないから権限ないのよね

 だからヘイムに無理矢理連れて来て貰ったってわけ」


「……そこまでして現魔王が嫌だったのか?」


「嫌よ、あいつ大嫌いだもん」


リーナは両方のほっぺを膨らませ首を横に振る

それを見ながらロイはミミリアが寝ているベットに近づくと

ミミリアを両手を抱え、歩き出す


「ロイ様?」


「……いい加減、出発するか……姉妹喧嘩に独占欲喧嘩……

 俺には関係ない事ばかりだったからな、ここは飽きた」


「……すみません」

「ごめん……なさい」


リナリアとリーナは同時にロイに深々と頭を下げると

ロイの後を続き、駆けだす

その最中、今まで無言だったイミィがリナリアに話かける


『ふぁーあ、やっと終わった? ところでご主人様』


『ええ、大きな欠伸をしてどうしたの? イミィ』


その2人の会話は前を歩いているロイ

隣を歩いているリーナにも聴こえない……2人だけの会話


『……エレベーターの前にいるの90盤以上の敵みたい』


『……ミノタウロスより強いのかしら』


『ここからだとよくわからないけど……羽があるかも』


その言葉にリナリアは右手を顎に当てて悩む


『……羽持ち相手にロイ様が……たしかにあの本があれば行けるかも

 でも……基本的な性能……能力がロイ様にはない……』


『ねぇ、ご主人様……ご主人様が戦うんじゃだめなの?』


『あっ、それなら大丈夫かも……それで行きましょう』


リナリアとイミィの会話が終わった直後

3人と寝ている1人はエレベーターの前に辿り着く

するとエレベーターの前にいた男がロイに話かける


「よぉ……ロイ、ここは通せない」


「……ヘイム、どうしてお前がここに?」


「どうして? まぁ……暇つぶしって奴だ」


ヘイムの表情と目線は明らかにロイではなくロイが抱えているミミリア

それに気づいているリーナとリナリアはロイに前にでる


「ヘイム……私が相手になるわ」


「おっと、リナリア様はだめですよ?」


「じゃあ私は?」


「もちろん、リーナ様も……というか上に行きたい奴が戦うのが条件だから

 結局はロイが俺と戦うしかないのさ」


「……めんどくさい」


「じゃあやめとくか?」


「……ヘイム、手加減はしないぞ」


「はっ、羽なしが2羽に敵うと思うのか?」


ヘイムは鼻でロイを笑うとヘイムの目の前にいたリーナとリナリアから

無言の殺気がヒシヒシとヘイムに届く……

それに怯えながらヘイムはロイから距離を取ると

何もない場所から黒い槍を構える


「……準備するのを待ってやる、さっさとしな」


「ああ」


ロイはミミリアをリナリナに預けると何も持たずヘイムの前に立つ

それを見たリナリアが慌てて声をかける


「ロイ様っ! 本!」


「……問題ない、ここにある」


何も持ってないはずのロイの右手にブック・オブ・グリアスがある

それに疑問を感じているリナリアにリーナが話かける


「どうしたの?」


「ロイ様……何も持ってなかったわよね?」


「……そうね、空間の中にでも本を収めてたんじゃないの?」


「今のロイ様に魔力はないわ、それなのに……一体どうやって」


「……さぁ? この戦いが終わったらロイ君に聴いてみましょ」


「……ええ」


リーナとリナリアの会話が終わるのを待ってヘイムはロイに話かける


「へぇ……少しは魔力が戻ったみたいだな」


「……かもな、まぁ……『お前』の実力、見せて貰うぞ」


「吠えずらかくなよ?」


ヘイムはロイが本を開いたと同時に槍を構え、突撃し

槍をロイに突き刺す……しかし、その槍は先端から砕かれる

それもロイの右手の拳によって


「なっ?!」


「……だから言っただろ? 手加減しないと」


そのロイの言葉と共に左手にあったはずの本はなく

空いている左手でヘイムを殴る

その時、ロイの左手には黒と赤のオーラを纏っていた


「あれは……私のじゃない」


「……私の? 黒だけならリナリアだけど、あれは私のね

 ロイ君ったら……何時の間にあんな事できるようになったのよ」


『……なるほど、ロイ様はリーナの力を借りてるのね

 たしかに物理だけならリーナの方が上……』


リナリアは心の中でそう思うだけで口にはださず

リーナの顔を横眼で見た後、またロイ達の方を見る

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