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2.腐女子、人生初めて男子と帰る。

ー「ふざけんなっ!」拓也は由乃のシャツのボタンを乱暴にはずすと、無理やり口を塞いだ。「や、やめて…」由乃は抵抗しようとするが、手が縛られていて身動きが取れない。ー


…やばいやばい!早く次のページめくりたい!


「おーっす!羽島!何読んでんだ?」


うわあああああああああああああ?!な、なななんで話しかけてくんの?!


てゆーか、「BL小説ですっ!」なんて答えられるわけないでしょぉ


「えと…」


「?」


あー…どうしようどうしようどうしようどうしよう


「ご、ごめんなさいぃ…!」


何故か謝った私は、教室を飛び出して、保健室まで全力疾走したのだ


保健室の前まで来ると、授業を仮病でサボるという罪悪感があったが、私が授業に出なかったところで気にかける人は誰もいないと思い、保健室の扉を2回、コンコン、とノックして開けた


「失礼しまー…す」


私は保健室に入り、先生に頭痛がすると言って、ベッドに入った。


保健室は好き。うるさくないし、布団は暖かくて気持ちいし、なにより一人で居られるから


この時間は保健室をネタにした妄想をしようと思っていたが、布団が気持ちよくて、つい、眠ってしまった




………誰かの話し声で、目が覚めた。


一人は保健室の先生、もう一人は…聞いたことのある声だった


「ん…?」


目を開くと、見覚えのある顔が私の目の前にあった


「おー、起きたかー?」


「あ…え…?」


え?えええええええええええええええええええええええええ?!


ちょ、まって…!なんで、この人がいるの?!


「体調悪くなって、保健室行っただろ?もう大丈夫なのかよ」


「…あ、あああ、あの…な、なんで、私が、保健室に行ったって…知ってるん、です、か…?」


「?なんでって、クラスメイトだし、いなかったらすぐわかるだろ。それに、さっき走って行っちゃったし」


そうだよ!私、全力疾走して、保健室まで来ちゃったんだった!


この人、私が教室にいないって気づいてたんだ…


「えと…な、なんで、こここここ、ここに、いるんですか…?」


「さっき先生に、羽島を家まで送ってやれって言われたから来てみた。俺、クラス委員だし」


バリバリ元気です、はい。家まで来てもらわなくても一人で帰れます。


「わわわわわわ私、ひ、1人で、帰れま、す」


「え?帰れるのか?」


「は、はい」


よかった。これで送ってもらわなくて済m


「ダメ。帰る途中で倒れたりしたら大変だろ?だから送ってく」


「いや、あの…ほんと、一人で」


なんとか断ろうとしたけれど、先生に「送ってもらいなさい」と言われてしまい、結局送ってもらうことになった。




どうしてこうなったんだっけ?!なんで送ってもらってるんだっけ?!


今から全速力で走って帰りたい…けど、そんなことしたらせっかく送ってもらってるのに失礼かなぁ


「…羽島ってさぁ、俺のこと名前で呼ばないよな?なんで?」


「ふぇ?!」


な、なんでって言われても…


「あー、もしかしてさ、俺の名前知らない?」


「?!」


「図星?」


はい、そうです。図星です。覚えてません。ごめんなさい。


「やっぱりなー。だって羽島、この間の自己紹介のとき、ずっと本読んでただろ?」


なんでそんなこと覚えてるんですか?!


「しかも、ニヤニヤしながら」


なんでそんなことまで覚えてるんですか?!


「ご、ごめんなさ」


「俺、五十嵐宗介!よろしくな!」


「えっ…」


普通、名前とか覚えてなかったら怒ったり機嫌悪くなったりするものじゃないのかな…


「そこ、右?左?」


「え、あ、左です」


「マジで?俺も左!」


なんて会話を少しずつ交わしながら、帰って行った


「あ…ここで、いいです」


「ここが羽島の家かー。けっこうデカいんだな」


はやく家入ってBL漫画読もうそうしよう


「あ、ありがとうございました!さよなら!」


早口でそう言うと、私は家に入ろうとした。が


「あー…あのさ!」


な、なんだろう…もしかして、名前覚えてないの怒ってるのかな?!


「さっき、先生に家まで送ってやれって頼まれたって言っただろ。あれ…嘘だから」


「え?」


え?えぇ?ええええええええええええええええええええええ?!


「じゃーな!」


そう言うと、走って帰ってしまった


…とりあえず、家に入ろう


私は家に入ると、鞄を置き、手を洗って、着替え、PCの電源をつけた


毎日更新されるBL漫画のサイトを見るためだ


「!これ、続き更新されてる!…あっ!姫野先生の新作出てる!はやく読もう!」


私はさっきの出来事なんて忘れてしまうくらい、サイトに没中していた。そして、寝る頃には、さっきの出来事を忘れていた

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