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序章
かなり世界観が入り乱れるファンタジーですので、ややこしかったら教えてください。個別で解説します(笑)。
大昔。具体的に言えば千年程前のこと。
この家には龍が飛来した。
龍は青龍と云われるもので、伝説の四神のひとつだった。
傷ついて疲れ果てていたところを家の者に助けられた青龍は、この家に願いを託した。
『我はもう死ぬ。この命が尽きる前に、お前たちに感謝したい。受け取るがいい、我が心臓を』
力なく龍は横たわると、自分の身体に爪を突き立てて、自らの心臓を取り出した。
どくどくと脈打つそれを差し出し、切実に告げる。
『そして、それを護ってくれ。時が来たれば力を発揮し、次はお前たちを守ってくれるだろう』
それから家の者は龍の心臓を受け取り、それを人の心臓と入れ替えた。
それは次へ次へと受け継がれ、龍の心臓は守り続けられた。
それは呪いのように。




