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龍の花嫁  作者: おはなし
第一章 嫁入り
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序章

かなり世界観が入り乱れるファンタジーですので、ややこしかったら教えてください。個別で解説します(笑)。

 大昔。具体的に言えば千年程前のこと。

 この家には龍が飛来した。


 龍は青龍と云われるもので、伝説の四神のひとつだった。

 傷ついて疲れ果てていたところを家の者に助けられた青龍は、この家に願いを託した。


『我はもう死ぬ。この命が尽きる前に、お前たちに感謝したい。受け取るがいい、我が心臓を』


 力なく龍は横たわると、自分の身体に爪を突き立てて、自らの心臓を取り出した。

 どくどくと脈打つそれを差し出し、切実に告げる。


『そして、それを護ってくれ。時が来たれば力を発揮し、次はお前たちを守ってくれるだろう』


 それから家の者は龍の心臓を受け取り、それを人の心臓と入れ替えた。

 それは次へ次へと受け継がれ、龍の心臓は守り続けられた。


 それは呪いのように。



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