悟空、念願の人間になるも弱くなるのこと
悟空が封印された岩があるとある村にやってきた桃香一行
その村では妖怪が悪さをしており、桃香一行は妖怪退治を引き受けるもその妖怪はかつての悟空の配下である混世魔王であった。
そんな奴相手に桃香の仲間である愛紗と鈴々が混世魔王に立ち向かうもいくら武力の高い二人とはいえ妖怪には敵わず蹴散らされてしまい桃香も飛ばされてしまうなか
桃香が悟空が封印されていた岩に触れた瞬間、岩が壊れ、中から┅
?「おぉっ、何でか知らないが俺は外に出られたんだぁーっ!!」
全裸の男が現れたのだった。
?「へぇ、ここが外か、十年近く経っても全然変わらねぇなぁ」
裸で周囲を見る男に対し
桃香「あ┅あ┅あっ!?」
間近で男のアレを目撃してしまった桃香が顔を赤くするなか
愛紗「服を着ろ! この変態が!!」
桃香の異変に気づいた愛紗が男に向けて叫んだ。
?「服を着ろ? 何を言ってるんだよ。俺はちゃんと服を着て┅」
と、男が自身の体を確認し
?「って、何じゃこりゃーっ!? 俺の体、人間になってる!? 毛も尻尾もねぇ!? やったぜ! 俺はついに人間になれたんだぁーっ!!」
男は裸の姿よりも人間になれたことに驚いていた。
愛紗「何なんだ。あの変態は!?」
いきなり人間になれたと叫ぶ男に対して呆気に取られる愛紗であったが
混世魔王「ば┅馬鹿な!?」
愛紗達以上に混世魔王が一番驚いていた。
混世魔王「外見は変わっているがその顔、その言葉、そしてその馬鹿っぷり、間違いねぇ、お前は悟空だな!?」
混世魔王が男を指さしながら叫ぶと
?「ん~? 誰かと思ったら俺の部下の混世魔王じゃねぇか、ははぁん、さては俺が大仏に封印されたと聞いてまた悪さしやがったな」
ドキィッ!?
図星である。
?「お前は俺の強さを忘れているようだな、調度いい、十年近く封印されたこの体の力、テメェで試させてもらうぜ!」
混世魔王「ひ┅ひぃっ!?」
男は拳を構えると
?「おりゃあぁーーっ!!」
ブォンッ!!
ドカァッ!!☆ミ
混世魔王に一撃を食らわせた。
そう。大きなダメージを受けたのだ。
プックゥ~~っ!!
?「ぎゃあぁーーっ!?」
┅男の拳の方が
?「いていてぇ!? 何だよお前の体、前より固くなってるじゃねぇか!?」
混世魔王「へっ?」
男が混世魔王を殴ったことで大きく腫れ上がった拳を押さえながら苦しんでいた。
しかし混世魔王には体が固くなったという気持ちなんて存在しない
?「だったら、こいつを食らわしてやるぜ!」
ぶちぃっ!
?「いてぇ!?」
男が痛みながらも毛を数本抜くと
混世魔王「そ┅その構えは!?」
?「あぁ、お前を苦しめた毛髪分身の術だ!」
ふぅっ!
男は抜いた数本の毛に息を吹き掛け、分身を作ろうとするが
ひらりっ┅
?「あり?」
毛は分身にならなかった。
?「ちょっとこれどうなってるんだよ!?」
男がまさかの展開に驚くなか
混世魔王「ははぁん、悟空、どうやら貴様は人間になったことで肝心の身体能力や妖力が失われてしまったようだな」
?「マジ!?」
これに対しては混世魔王の答えが当たっていた。
そう。悟空は人間になってしまった代償として妖怪にとって力の源である妖力と強靭なる身体能力を失ってしまったのだ。
それを混世魔王に知られてしまい
混世魔王「だったら調度いい、前に散々ボコられた恨みを晴らさねぇとな」
ぼきぼきぃっ!
混世魔王は腕を鳴らしながら男に近づいていった。
?「え┅えぇと、混世魔王くん、復讐なんてダメだよ!? 暴力反対┅!?」
混世魔王「こいつは暴力じゃねぇ」
ガシィッ!!
混世魔王は男を握ると
混世魔王「仕返しだ!」
めきめきぃっ!!
?「ぎゃあぁーーっ!?」
そのまま男を握り潰した。
混世魔王「あの時はよくもやってくれたな、今度は俺がお前をボコボコにする番だぜ!」
めきめきぃっ!!
混世魔王が男を握り締める手に力を込め
?「や┅やめろ!? それ以上締め上げられると┅」
そして男は┅
しゃあぁ┅
?「はあぁ┅」
握り締められた手の中で漏らしてしまった。
混世魔王「ぎゃあぁーーっ!? 汚ねぇなテメェ!?」
混世魔王は慌てて男を手放すと
?「今のうちに俺は逃げさせてもらうぜ!」
ビュンッ!!
男は逃げてしまった。
愛紗「貴様、戦場を前に逃げるとはそれでも男か!」
愛紗は男を叱責するも
?「こういう時に男も女も関係ありませ~ん。後はそっちでやっておいてちょ」
男は構わず逃げ出そうとしたが
混世魔王「逃がすもんか!」
ブォンッ!!
?「わぁっ!?」
混世魔王が放った剣により前を塞がれてしまった。
混世魔王「テメェは八つ裂きにしてやるから覚悟しておけ」
?「は┅はわわっ!?」
じょぼぼーっ┅!!
男が盛大に漏らしまくり混世魔王が迫ったその時
桃香「えぇいっ!」
ザシュッ!
混世魔王「いてっ!?」
愛紗「桃香様!?」
鈴々「桃香お姉ちゃん!?」
いつの間にか飛び出してきた桃香が混世魔王の足に剣を突き刺した。
桃香「あ┅愛紗ちゃん達やその男の人に手を出しちゃダメです!?」
がたがたっ!
その体は震えていたが桃香は勇気を出して混世魔王に向かっていったのだ。
?「(あの女、今の俺ですら逃げ出す混世魔王を相手に┅!?)」
混世魔王「この野郎!」
ひょいっ!
桃香「えっ!?」
だが桃香が食らわしたダメージは混世魔王には全く通じず混世魔王は指で桃香をつまむと
混世魔王「雑魚は引っ込んでろ!」
ブォンッ!!
桃香「うわぁーっ!?」
桃香は岩壁目掛けて投げ飛ばした。
愛紗「桃香様!?」
このままでは桃香が岩に当たって死ぬ
誰もがそう思ったその時
?「おらぁっ!!」
バッ!
男が桃香が投げ飛ばした先に飛び出した。
ガシィッ!!
桃香に激突することで衝撃をやわらげようとしたが
?「うわぁーっ!?」
桃香「きゃあーっ!?」
男が一人加わったところで勢いは止められず
ドッカアァーーンッ!!
二人はそのまま岩壁に投げ飛ばされてしまった。
だが
?「いてて┅!? 骨が数本折れちまったかな!?」
男がクッションとなり、桃香は助かったのだった。
桃香「あなた、何で私を助けたんですか?」
桃香が男に対して聞くと
?「知らねぇよ。ただあそこで見捨てたらダメな気がしたから助けたまでだ」
実はあの時、自分でも知らないうちに男の中に初めて『誰かを助けたい』という気持ちが芽生えていたのだ。
そしてその力が最大限に高まったその時
カァッ!
?「んっ?」
男に力を与えたのだった。
一方
混世魔王「おいクソ悟空、いつまで岩の下でのびたフリしてるんだ! 殺されたくないから生き延びようとしてるなら無駄だ。今すぐ殺してやるぜ」
混世魔王が男と桃香が埋もれている瓦礫に近づいたその時
ドッカアァーーンッ!!
瓦礫がブッ飛ぶと
悟空「よう待たせたな混世魔王、第二ラウンドの始まりだぜ」
バァンッ!!
瓦礫の中から悟空が飛び出したのだった。