董卓、妖怪に捕らわれるのこと
洛陽にて董卓という人物が民達に対して悪行の限りを行っている。
その事を知った帝は知り合いの一族である袁紹こと麗羽に董卓の討伐を依頼し、単独で攻めて手柄を横取りしようと企む麗羽であったが突如、洛陽の回りを消えない炎が囲い、これに対して麗羽は自分だけでは無理だと考え、連合軍を組んで董卓を倒そうと企むのだった。
董卓の背後に妖怪一味がいることを知らずに┅
さてさて、時は遡り
まだ董卓の悪名が大陸各地に広まる前の頃
洛陽にて
月「詠ちゃん、最近町の様子はどう?」
董卓(真名は月)が側近でもあり筆頭軍師でもあり友達でもある賈駆に確認すると
詠「大丈夫。月が民達のためを思って政治をしているから問題ないわ」
月「それはよかったです」
とても民達を苦しめているというイメージが今の月には全く思えなかった。
そんな月を見て
霞「ほんま月はえぇ子やなぁ」
猫「あぁ、民に愛され、我々からも愛される。董卓様は立派な優しき主君だ!」
恋「┅月、好き」
ねね「ねねは恋殿の方が好きですぞ!」
部下である張遼(真名は霞)、華雄(真名は猫)、呂布(真名は恋)、陳宮(真名は音々音、通称ねね)が主君を称賛していたその時だった。
恋「┅!」
霞「どないしたんや恋?」
恋「┅何だか嫌な気配を感じる」
恋が何かを感じ取った直後
兵士「董卓様、至急お話ししたいことがあります!?」
慌てた様子の兵士が広間に入ってきた。
月「何かありましたか?」
兵士「は┅はい。実は城内に化け物が┅!?」
と、兵士が告げた直後
ドカァッ!!
いきなり扉がブッ壊されると
?「ちっ、脆い扉だぜ」
?「兄貴、ここに強い奴がいるのかな?」
バァンッ!!
鬼のような姿をした兄の金角と弟の銀角が姿を現した。
詠「な┅何よあんた達!?」
金角「おい、この城で一番偉い奴を出せ。話がある」
金角が偉そうに言うと
猫「この化け物がぁっ!!」
ブォンッ!
猫が斧を金角目掛けて振るうが
パシッ!
猫「なにっ!?」
金角は斧を指2本でつかむと
金角「そらよっ!」
ブォンッ!!
猫「のわぁっ!?」
ドシャアッ!!
そのまま斧ごと猫をぶん投げてしまった。
金角「おいおい、こっちは珍しく話し合いに来たんだ。力ずくって言うんなら相手になるぜ! まぁ、ここにいる奴らは大したこと無さそうだがな」
霞「なんやとわれぇっ!!」
武を馬鹿にされ、今度は霞が金角に向かおうとするが
ガシッ!!
恋「┅霞、ダメ」
霞「恋っ!?」
恋が霞を止めた。
武力ならば大陸でもかなり上位とされる恋が戦いを止めようとする。
それだけで金角達の強さがわかる霞であった。
すると
月「私がここで一番偉い人です。ですからみんなには乱暴しないでください!」
月が金角達の前に出てきた。
詠「月っ!?」
月「詠ちゃん、私なら大丈夫だよ」
金角「ほほぅ、お前がここで一番偉い奴か、名前は?」
月「董卓仲穎です」
男であっても逃げ出すような鬼の姿をした金角を前にして月は堂々と名乗った。
金角「お前、見かけによらずなかなかの奴だな、まぁ別にいい、早い話だがこの城と国を俺達に明け渡せ!」
金角がそう言うと
月「それはできません!」
洛陽の国とこの城を金角に渡したら絶対に荒らされる。
たとえ殺されるとわかっていても城と国を渡さない月であったが
金角「そうか、こっちはできるだけ傷つけたくなかったんだがな。おい銀角!」
銀角「へい兄貴」
金角に呼び出された銀角は
スッ!
銀角「董卓さん」
浄瓶を月に向け
月「何でしょうか?」
月が返事をした瞬間
キュイイーーンッ!!
月「えっ┅? へぅーーっ!?」
詠「月っ!?」
すぽんっ!!
月の体が突然浄瓶に吸い込まれてしまった。
銀角「兄貴、一丁あがりだ」
金角「さすがは宝具、大したものだぜ」
と、その時!
恋「┅月を返せ!」
バッ!
恋が物凄い速さで銀角に襲いかかろうとするが
金角「おっと、銀角を傷つければ浄瓶が落ちて割れる。そうなれば中の奴も死ぬぜ!」
ぴたっ!
それを聞いた恋の戟が銀角に当たる寸前で止まった。
金角「さぁ、董卓の命が惜しけりゃこの城と国を俺達に渡すことだぜ!」
詠「くっ!?」
月を人質に取られてしまい、仕方なく董卓軍は金角、銀角兄弟に洛陽と城を渡した。
それからの洛陽は地獄であった。
兵士「董卓様からの命令だ! 税は今日から十倍、いや、百倍にする!」
董卓軍の鎧を着た金角達の手下の妖怪が町の皆にお触れを出し
兵士「逆らったり、文句を言う奴は処刑にしてやるから覚悟しておけ!」
人々「「「ひいぃーーっ!?」」」
城での出来事を知らない町の人々は董卓軍が洛陽を苦しめているようにしか思えなかった。
そして金角達の悪行は続き、ついには帝から袁紹に討伐命令が出たわけなのだが
銀角「兄貴、変な髪をした奴が騒いでるぜ」
金角「大方俺達を討伐しに来たんだろうがそうはいかねぇ!」
スッ!
金角は芭蕉扇を取り出すと
金角「燃え上がれーっ!!」
バサァッ!!
芭蕉扇を振るった瞬間
ボオォーーッ!!
洛陽の国を激しい炎が囲った。
西遊記に登場する道具・芭蕉扇。
実は作中に二種類登場し、うち一つは風を起こすものだが、もう一つは炎を出現させることができるのだ。
金角「これで簡単には攻められまい!」
銀角「それなのにあの変な髪をした女、炎に突っ込むだなんて馬鹿だなぁ」
もはやこの国の天下は自分達のもの
そう信じている金角、銀角兄弟であったが
それから一週間後
桃香「何だか人が多いね」
鈴々「お祭りでも始まるなのかなのだ?」
愛紗「そんなわけがなかろう! 何だか背後の方から嫌な予感を感じる」
愛紗がそう言った直後
一刀「さすがだな愛紗、俺が尻を触っていることに気付くだなんて」
さすさすっ!
愛紗「ひゃんっ!?」
嫌な気配の原因が一刀のセクハラだと気付いた直後
ドガバキンッ!!☆ミ
愛紗「何をするか貴様っ!」
一刀「ぐふっ!?」
偶然にも洛陽に一刀達が現れたのだった。




