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孫策、一刀の罪に対して目をつむるのこと

旅を続ける桃香一行


そんな時、一行は呉の王である孫策と遭遇し、進む先にある河の主である河童の妖怪・沙悟浄と出会う


河を渡りたければ子供の(きも)を寄越せと言う沙悟浄の要求に答えるはずがなく戦うが水を操る沙悟浄に鈴々がぶっ飛ばされ、一刀は水の牢獄へ捕まってしまうのだった。


一刀「なぁんだ。水の中に閉じ込めるからてっきり溺れさせるかと思ったけど全然息ができるじゃねぇか。河童の妖怪だなんて名乗ってるが河童は元々妖怪だろうが!」


スッ┅


こんな水の牢獄なんてすぐに出てやるとばかりに拳を繰り出す一刀であったが


ぶよんっ!


一刀「ありっ?」


拳は水を貫けず、まるでゴムのように伸びてしまった。


沙悟浄「馬鹿はお前だ。儂の牢獄は一度捕まってしまえば中から出ることはできない特別製の水牢獄だ! そのまま中で仲間が倒されるのを見ているがいい」


一刀「なにっ!?」


沙悟浄「さぁて、残りの奴を始末するとするか」


スッ!


沙悟浄は月牙(げつが)(三日月の刃)がついた得物の月牙鏟(げつがさん)を構えると愛紗達に迫るが


愛紗「我々を嘗めるなよ!」


星「貴様のような奴、倒してくれる!」


バッ!


二人は得物を手に沙悟浄に向かっていくが


沙悟浄「嘗めるなと言うのはこっちだ」


パチンッ!


沙悟浄が指を鳴らした瞬間


ブシャァッ!!


河の水が噴き出すと


シュルルッ!!


愛紗「なっ!?」


星「うおっ!?」


水がヒモ状になり、愛紗達の体に絡み付いてきた。


しかも


シュルルッ!!


愛紗「こ┅こら、何処を縛っている!?」


胸の谷間や股等、妙にエロっぽいところに絡み付いていた。


一刀「何やってるんだ。このエロガッパ! もっとやれ!」


沙悟浄「やかましい! それとそれが仲間に対して言う台詞か!!」


沙悟浄が一刀に突っ込むと


沙悟浄「さて、食えば妖力がつくとされる劉備の肉をもらうとするか」


桃香「わわっ!?」


愛紗達を倒した沙悟浄が桃香に近づいてくるが


朱里「と┅桃香様を食べさせません!?」


雛里「私達が相手でしゅ!?」


桃香を守るべく朱里と雛里が沙悟浄の前に立つが


沙悟浄「子供は後で食ってやるから今は退いていろ!」


パシィッ!!


朱里「はわわっ!?」


雛里「子供じゃないのに~!?」


沙悟浄の一撃に弾かれてしまった。


だが


イナモ「食らえ狐火!」


ボォッ!!


桃香を守るべく、朱里達が倒された後でイナモがマッチのような小さい炎を沙悟浄目掛けて繰り出した。


沙悟浄「こんなもの┅」


サッ!


イナモの攻撃を軽く避ける沙悟浄であったが


スッ┅


狐火が沙悟浄の頭をかすった瞬間


沙悟浄「わわわっ!?」


バシャァッ!


沙悟浄は慌てながら頭に水をかけて狐火を鎮火させた。


イナモ「くぅっ!?」


沙悟浄「こんなちんけな炎が儂に通じるわけがなかろうが! さて、邪魔者は排除したことだし、劉備の肉を食らうとするか」


桃香「ひぃっ!?」


もう誰も守ってくれる人がいない


そう思ってしまう桃香であったが


スッ!


孫策「何だかいまいちハッキリしないんだけど、あんたのせいで河を渡れないってことはよくわかったわ」


桃香「孫策さん!?」


そんな桃香を守るかのように孫策が沙悟浄の前に立ちはだかった。


沙悟浄「誰だ貴様?」


孫策「私を知らないだなんてとんだ田舎者ね。まぁいいわ、あんたが河を渡れなくしたせいで私が帰れなくなって、帰りが遅くなったら冥琳に怒られちゃうんだからね!」


バッ!


孫策は剣を構えて沙悟浄に向かっていった。


沙悟浄「貴様、なかなかの強者のようだが水のある場所で儂に勝てると思うな!」


ブシャァッ!!


対する沙悟浄は河の水を噴き出させ


孫策「なっ!?」


ぎゅっ!!


孫策の手足を縛り上げて動きを封じてしまった。


沙悟浄「これで終わりのようだな、くたばるがよい!」


孫策「くっ!?」


沙悟浄は月牙鏟を孫策目掛けて繰り出したその時!


悟空「くたばるのはお前の方だぜ河童!」


バシャァッ!!


一刀が悟空に変身し、水の牢獄から脱出した。


沙悟浄「あやつ、妖怪であったか、確かに人間には通じずとも妖怪であれば脱出は可能だが、牢獄から出たところで儂に勝てるわけがなかろうが!」


確かに沙悟浄の言う通りなのだが


悟空「へん! こちとら何の対策もなしに挑みはしねぇぜ!」


スッ!


悟空は一枚の布を取り出すと


悟空「沙悟浄、テメェの弱点はこいつだ!」


こすこすーーっ!!


布で沙悟浄の頭を擦りまくった。


沙悟浄「何をするかと思えば皿磨きか? こちらは頭の皿が輝いて感謝┅」


ところが


沙悟浄「あつっ!?」


急に沙悟浄が苦しみ出した。


悟空「さっきお前がイナモの狐火を食らって苦しんでいるのを見てわかったんだ。お前の弱点は熱だってことがよ! だからお前の皿を磨きまくることで熱を与えているのさ!」


長時間擦りまくれば熱を持つ


悟空にしては珍しく頭を使った作戦であった。


そして河童は頭の皿が乾くと力が抜けてしまうらしく


沙悟浄「ち┅力が抜ける!?」


沙悟浄も力が落ちてきたところを


悟空「こいつでとどめだ!」


ドッカァーーンッ!!☆ミ


バリィンッ!!


悟空は頭の皿目掛けて拳骨を繰り出し、頭の皿を破壊した。


沙悟浄「ぎえぇーーっ!?」


人間でいうなら頭蓋骨を破壊されるのに匹敵するため頭の皿を割られた沙悟浄には大きなダメージであった。


悟空「さぁ、早く河を元に戻してここから去れ! さもないと更に頭の皿を粉々にするぞ!」


そうなってしまえば二度と皿が戻らないため


沙悟浄「わ┅わかった。儂の負けだ!?」


降伏する沙悟浄であった。


その後、沙悟浄の降伏によって河の流れは元に戻り、沙悟浄も別の場所へと移動した。


孫策「何はともあれこれで帰れるわ。それじゃあ劉備、また会う時までね」


桃香「はい!」


と、孫策は一刀達と別れるのだが


孫策「あっ、そうだ。そこのキミ!」


一刀「俺?」


孫策は一刀を手招きして呼び寄せると


孫策「助けてくれた褒美として私の裾をめくろうとしたことは内緒にしてあげるわ♪」


一刀「えっ!?」


どうやら一刀がしようとしていたイタズラはバレていたらしい


孫策「それじゃあ、またね」


そう言って孫策は一刀と別れるのだった。


一刀「(罰は受けなくてよかったけど、危ないところだったぜ!?)」


もし罰を受けていたら不敬罪であったかもしれないと安心する一刀であった。


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