華佗、一刀の目を治すとのこと
黄風大王の手によって桃香が拐われ、取り返しに向かった一刀であったが黄風大王の繰り出した術によって目をやられ、あっけなく吹き飛ばされてしまうのだった。
その後
バシャシャッ!!
一刀「何だよ。この目の砂、どんなに洗っても取れねぇぞ!?」
倒されて早々、目に入った砂を洗い落とそうとする一刀であったが何度水をかけても砂を落ちなかった。
一刀「変化が解けても砂は落ちないし、あの野郎め!」
砂が目に入って痛いし、あっけなく倒されるし、踏んだり蹴ったりな目に遭わされる一刀
愛紗「まったく、何が『桃香は俺が助けにいくからお前達はここで待っていろ』だ。お前に任せてみたが結局返り討ちだったではないか」
一刀「うるせぇ! 俺だって奴があんな術を使うってわかってたら対策を┅いてぇっ!?」
愛紗に対して反撃しようとする一刀であったがつい目を開けてしまい痛がっていた。
星「大方、早々に妖怪を倒して我々がいない間に桃香様の半裸姿を見ようという欲望であろう」
一刀「うっ!?」
図星であった。
いつもは邪魔する愛紗達がいない間にじっくり桃香の半裸姿を見ようと一人で乗り込んだ一刀であった。
朱里「風を操る妖怪をどう攻略するかですね」
鈴々「簡単なのだ! 後ろを見ながら向かえば目に砂が入らないのだ!」
雛里「鈴々ちゃん、それでどう攻撃するんですか?」
鈴々「あっ!?」
一刀「お~い」
一刀を置いて皆で作戦会議をする愛紗達
愛紗「よし、では作戦決行だ! 皆、いくぞ!」
一刀以外『おうっ!』
一刀「俺、何も作戦聞いてないんだけど!?」
一刀は突っ込むがそんな一刀は無視していた。
愛紗「今のお前は足手まといだからそこにいろ!」
ダッ!
そしてついに愛紗達は一刀を置いて行動を開始するのだった。
一刀「ちょっと待てよ!?」
置いてかれてはなるかと追いかける一刀であったが
ゴンッ!!☆ミ
一刀「いてぇっ!?」
目が開けられないため、木に激突してしまった。
一方
黄風大王「さぁて、邪魔が入ったが劉備の肉を食うとするか」
桃香「い┅いやぁっ!?」
黄風大王が桃香を食べようと牢から出していた。
桃香「わ┅私はおいしくないよ!? 最近お風呂に入ってないから臭いし、今だって恐怖のあまり漏らしそうだから食べたらお腹壊しますよ!?」
食べられたくない桃香は次々と言うが
黄風大王「その方が味がついて旨いというものだ♪」
桃香「いやぁっ!?」
逆効果であった。
黄風大王「さて、早速食えば妖力が高まるという劉備の肉を┅」
桃香「ひいぃっ!?」
このままでは桃香が食べられてしまう!?
だがその時!
愛紗「待て妖怪!」
バッ!
洞窟の入り口から愛紗達が現れた。
桃香「愛紗ちゃん!」
黄風大王「ちぃっ、馬鹿猿に続いて邪魔するものばかり、こうなれば貴様らも劉備と共に食ってくれる! 者共、ゆけ!」
ギャシャァーーッ!!
黄風大王の命に従い、部下の妖怪達が愛紗達に襲いかかった。
愛紗「いくぞ鈴々、星!」
星「うむっ!」
鈴々「桃香お姉ちゃんを返せなのだ!」
そして愛紗達が黄風大王や雑魚妖怪達の目を引き付けている一方
朱里「桃香様」
桃香「みんな!」
雛里「静かにしてください」
イナモ「早くここから出るのじゃ」
こっそり桃香を救出する朱里達であった。
一方その頃
一刀「くそっ! 目さえ見えればあんな雑魚妖怪なんて軽く倒してやるのに! いててっ!?」
目に砂が入るため目を開けられず、目が見えなければ前に何があるのかわからない
一刀「こうなった目玉をくり抜いて┅」
人間の時は不死身とはいえ一刀が恐ろしいことを口にしたその時
?「そこの男、ちょっと待て」
誰かが一刀に話しかけてきた。
一刀「誰だよ。声からして男のようだが」
一刀が男に聞くと
華佗「俺の名は華佗、流れ者の医者だ」
一刀の目の前に現れた男は華佗という赤い髪をした医者であった。
華佗「お前に病魔が取りついているのが見えてな、一体どうした?」
華佗が一刀に話を聞くと
一刀「どうしたもこうしたもねぇよ! 信じてくれるかわからねぇけど妖怪の繰り出した砂が目から取れねぇんだよ!」
一刀が華佗に訳を話すと
華佗「成程。妖怪については詳しく知らないが病魔が相手なら俺の専売特許だ。その病、俺が祓ってやる」
一刀「マジ!?」
華佗「任せておけ」
スッ!
そう言う華佗は懐から一本の鍼を取り出すと
華佗「一鍼同体・ゴッドヴェイドォーーッ!!」
一刀「な┅何が始まるんだ!?」
目が開けられない一刀の前で華佗が鍼を出しながら叫ぶと
華佗「元気になれーーっ!」
ブススッ!!
一刀「ぎゃあぁーっ!?」
華佗は一刀の目に鍼を突き刺した。
※危険ですので読者は絶対に真似しないでください
一刀「こ┅この野郎、何が治療だヤブ医者め!」
目に鍼を刺されたことを怒る一刀であったが
華佗「どうだ? 目を開けても痛くないだろう」
華佗が一刀に聞くと
一刀「あれっ? そういや痛くねぇ!?」
先程から一刀は目を開けているのに目は痛くなかった。
一刀「すげぇなお前!?」
華佗「なぁに、あの程度なら朝飯前さ。治療代は要らないから元気でな」
そう言うと華佗は一刀の前から去っていった。
一刀「よっしゃ! とにかくこれで桃香を助けにいけるぜ! でも考え無しだとまた目をやられちまうな」
一刀が珍しく頭を使っていると
ガサッ!
一刀「ん?」
近くの茂みで何かが動くのを発見し、こっそり見てみると
虎先鋒「ちくしょうあいつら、俺の大事な皮をビリビリにしやがって」
そこには黄風大王の部下である虎先鋒が鈴々に破られた皮を縫っていた。
虎先鋒「よし完成だ! 早くこれを着て黄風大王様の元へ向かわねば┅」
と、虎先鋒が縫い終えた自分の皮を着ようとしたその時!
一刀「バァッ!!」
虎先鋒「んっ? うわぁっ!?」
虎先鋒は一刀に襲われてしまうのだった。
その頃
黄風大王「劉備を寄越せ!」
桃香が奪われたことに気付いた黄風大王は愛紗達に迫り
愛紗「寄越すわけがなかろう!」
鈴々「みすみす桃香お姉ちゃんを食べさせないのだ!」
星「参る!」
愛紗達は一斉に攻撃を仕掛けるが
黄風大王「馬鹿め! 三昧神風!」
ビュゴォーーッ!!
黄風大王は愛紗達目掛けて黄風を繰り出した。
愛紗「うおっ!?」
星「物凄い風だな!?」
鈴々「へへーんっ! 後ろを向けば平気なのだ!」
確かに鈴々の言うように後ろを向けば目に砂は入らないのだが
ビュゴォーーッ!!
鈴々「にゃにゃーっ!?」
愛紗「鈴々!?」
飛ばされることに変わりはなかった。
愛紗「我々は飛ばされぬぞ!」
ザクッ!!
対して愛紗達は得物を地面に突き刺し、飛ばされまいとしていたのだが
黄風大王「その状態でどう攻撃するというのだ。それに私の風は吹き飛ばすだけではないぞ!」
黄風大王がそう言うと
ドカカァッ!!
愛紗「ぐはぁっ!?」
桃香「愛紗ちゃん!?」
目に見えない何かが愛紗を襲った。
それは┅
星「これは砂か!?」
そう。黄風大王は風の中に大量の黄砂を混ぜることで弾丸のようにしたのだ。
黄風大王「フフフッ、貴様らはもうおしまいだな、まとめて食べてやるから安心しろ」
どう安心しろというのやら
とにかく愛紗達が窮地に陥ったその時!
虎先鋒「大王様、お待たせしました」
黄風大王の元へ虎先鋒が現れた。
黄風大王「遅いぞ虎先鋒、何をやっていた!」
虎先鋒「申し訳ありません。鈴り┅奴らに皮を破かれて修繕してましたので」
愛紗「むっ┅!」
この時、愛紗は虎先鋒の言葉を聞き逃さなかった。
黄風大王「まぁいい、お前も劉備の肉を食うのに協力しろ」
虎先鋒「わかりました」
スッ!
すると虎先鋒は黄風大王の後ろに回ると
虎先鋒「おらぁっ!!」
ドカァッ!!
黄風大王「ぐふぅっ!?」
そのまま黄風大王を後ろから蹴った。
黄風大王「こ┅虎先鋒、貴様、部下のくせに何をする!」
虎先鋒「まだ気付かないか、馬鹿な奴め!」
バサァッ!
虎先鋒が自分の皮をめくると
悟空「へへんっ!」
バァンッ!
そこには悟空の姿があった。
黄風大王「お前は馬鹿猿!?」
そう。さっきまでの虎先鋒は皮を奪った悟空が変装していたのだ。
愛紗「やはりな」
もちろん愛紗は虎先鋒が鈴々という名を呼んだ時点で気付いていた。
星「愛のなせる技というわけだな」
愛紗「それは違う!」
それはさておき
黄風大王「おのれ、どうやって目から砂を剥がしたかは知らないがもう一度目を見えなくしてやる!」
スッ┅
黄風大王が術を出そうと構えている間に
悟空「同じ手を二度も食らうもんか!」
ブンブンッ!
悟空は奪った虎先鋒の皮を回しまくると
黄風大王「三昧神風!」
ビュゴォーーッ!!
黄風大王は悟空に風を繰り出すが
悟空「秘技・三昧神風返し!」
ブンブンッ!!
悟空が皮を振って発生させた竜巻によって三昧神風は跳ね返され
黄風大王「なっ!?」
黄風大王は自分の術を自分で食らってしまった。
黄風大王「だあぁーっ!? 痛くて目が開けてられない!?」
黄風大王が目を閉じると
悟空「今のうちだ!」
ドカカァーーッ!!
黄風大王「ぐほっ!?」
悟空は今までの憂さ晴らしとばかりに目が見えない黄風大王を一方的にボコボコにした。
愛紗「おい、それくらいで┅」
悟空「ダメだ! まだ半分も痛め付けてない! こいつには死ぬより痛い目に遭わせないとな!」
これ以上やったら本当に黄風大王が死んでしまいかねないため
桃香「やめてください!」
ドンッ!!
桃香が悟空を強く押した瞬間
悟空「うおぉっ!?」
ドカァッ!!
悟空の体はぶっ飛び、壁にめり込んでしまった。
その後、黄風大王はお釈迦様に引き渡され
一刀に皮を奪われ、木に縛り付けられていた虎先鋒もお釈迦様に引き渡し全てが丸く収まったのだが
一刀「いてぇっ!?」
一刀が壁にめり込まれた時の傷はなかなか治らず、顔が大きく腫れていた。
愛紗「その顔ではナンパもできないからお前にはいい薬だ。しばらくそのままでいろ」
一刀「そんな~!? 華佗、治療してくれ~!?」
その時
華佗「へくしゅんっ! 風邪か? 医者である俺が風邪を引いてはいかんな」
華佗は一刀の叫びによる発生したくしゃみの理由を知らないまま旅を続けるのだった。