関羽、敵の策略に嵌まり、劉備を拐われてしまうのこと
桃香の望みである国を作るため旅を続ける一刀達
しかし、敵は各国の王や賊だけではなく
ギャシシャッ!
桃香の肉を食えば妖力が高まるやら不老不死になれるを信じている妖怪達も桃香を狙っていた。
そんなある日
いつものように桃香達が旅を続けていると
一刀「うっ!?」
突然一刀が汗を流しながら体を震わせた。
鈴々「お兄ちゃん、どうしたのだ!?」
愛紗「そんなに体を震わせるだなんて敵か!?」
皆が周囲を警戒すると
一刀があることを口にした。
一刀「ウ〇コ漏れそう!?」
どたぁーーっ!!
一刀から発せられた下品な言葉に皆はずっこけたのだった。
愛紗「とっとと用を済ましてこい!」
一刀「じゃあ、あそこの岩の裏でやるからな、覗くなよ!」
愛紗「誰が覗くか!」
サッ!
一刀は急いで岩の方へ回り、桃香達から離れた。
そしてその様子を
黄風大王「おっ、厄介な馬鹿猿が離れたようだな」
茶色いテン(イタチの一種)の姿をした黄風大王が手下と共に見ていたのだった。
虎先鋒「黄風大王様、他のものは私が引き付けますのでその間に劉備をお連れください」
黄風大王「うむ、任せたぞ虎先鋒」
虎先鋒「ハッ!」
そして部下の虎先鋒は黄風大王の元から離れた。
一方
愛紗「全くあいつは変わらず能天気な奴だな」
星「まぁ、一刀殿らしくていいではないか」
鈴々「真面目すぎるお兄ちゃんなんてお兄ちゃんじゃないのだ」
その言い方もどうかと思うのだが
すると
虎先鋒「ガハハッ!虎先鋒様参上!」
桃香達の前に虎先鋒が現れた。
桃香「妖怪!?」
朱里「はわわっ!? 一刀さん呼んできます!?」
愛紗「そんな時間はない! おい妖怪、貴様、我々に何の用だ!」
愛紗が虎先鋒に聞くと
虎先鋒「何の用かだと、そんなもの食えば妖力が増すという劉備の肉目当てに決まっているだろうが!」
バッ!
桃香「きゃあっ!?」
虎先鋒が桃香目掛けて飛びかかるが
愛紗「このっ!」
ブォンッ!!
虎先鋒「わっ!?」
虎先鋒は愛紗が繰り出した攻撃に怯んでしまい
虎先鋒「おのれ、今日のところは見逃してやる。次に会ったら覚悟しておけよ!」
ダッ!
何と!? そのまま逃げてしまった。
愛紗「あいつを逃がしたらまた桃香様に被害を与えてしまう。追うぞ鈴々、星!」
鈴々「わかったのだ!」
星「承知!」
ダダッ!!
そして愛紗は鈴々、星を連れて虎先鋒を追いかけてしまい
桃香「みんな、早く戻ってきてね」
朱里「はわわっ!?」
雛里「あわわっ!?」
イナモ「やれやれ」
残ったのは桃香、朱里、雛里、イナモの四人となってしまった。
その直後
ビュンッ!!
桃香「えっ? うわぁーっ!?」
桃香達を黄風(黄砂をまとった風)が襲いかかったのだった。
一方その頃
愛紗「待て妖怪!」
逃げた虎先鋒を追う愛紗達
すると
虎先鋒「(そろそろいいかな)」
サッ!
何かを企んだ虎先鋒は岩影に隠れると
虎先鋒「金蝉脱殻の術!」
バサッ!
愛紗達目掛けて自分の皮を投げつけた。
鈴々「にゃにゃーっ!?」
愛紗「鈴々!?」
虎先鋒の投げつけた皮が鈴々に絡まり
鈴々「このーっ! 離れるのだーっ!!」
ビリビリーっ!!
鈴々は力任せに虎先鋒の皮を破った。
鈴々「妖怪がバラバラになっちゃったのだ!?」
さすがにやり過ぎたかと思う鈴々であったが
星「よく見ろ鈴々、これは皮だぞ」
鈴々「にゃにゃっ!?」
愛紗「すると、奴は何処に┅」
そして虎先鋒は
虎先鋒「(今のうちに去らせてもらうぜ)」
皮を剥ぎ、透明となった虎先鋒はカメレオンのように保護色となりまんまと愛紗達から逃げたのだった。
愛紗「待てよ。妖怪が逃げたということは┅しまった!? 桃香様が危ない!?」
今更ながらこれが桃香から愛紗達を引き離すための陽動であることに気付き、すぐに桃香達の元へ戻るも
バァンッ!!
そこに桃香達の姿はなかった。
愛紗「遅かったか!?」
鈴々「朱里と雛里もイナモもいないのだ!?」
星「くっ、まんまと妖怪の策略にかかってしまうとは不覚!」
妖怪の策略に嵌まり、まんまと桃香を拐われたことにショックを受ける愛紗達
そんな愛紗達の元へ
一刀「はぁ~、すっきりした。何せ3日近く我慢してたから遅くなっちゃったぜ」
呑気にトイレを終えた一刀が現れた。
一刀「あれ? みんな暗い顔してどうしたの? まさかウ〇コ漏らしたのか?」
一刀のデリカシーゼロの言葉に
愛紗「そんなわけあるか! だいたい貴様が場を離れるから┅」
桃香を守れず拐われたことに腹を立てた愛紗が怒るが
星「落ち着け愛紗、桃香様が拐われたのは一刀殿のせいではないだろう」
そんな愛紗を宥める星であった。