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劉備、乙女と戦うとのこと

悟空こと一刀のために人間に転生した花果山時代の頃の仲間である元メス猿・乙女


ついに一刀を見つけた乙女は一刀を連れて花果山に戻ろうとするがそこへ桃香が待ったをかけたのだった。


乙女「はぁ? そもそも誰よあんた?」


桃香「私は劉備玄徳。一刀さんと共に旅をしています。お願いですから一刀さんを連れていかないでください!」


桃香は乙女に対して言うが


乙女「何で?」


桃香「えっ?」


乙女「この一刀(バカ猿)のことだからあんた達に迷惑ばっかかけてるんでしょ。こいつがいなくなればあんた達も楽に旅ができるんじゃない?」


桃香「えぇと┅!?」


実際その通りであった。


愛紗「確かにそいつは女を見る度にナンパしては旅の進行を遅らせるし、全裸でないと眠れないとかで我々を驚かせるし(主に鈴々、星、イナモ以外が被害者)、食い意地は張っている。我々にとっては邪魔者でしかありませんね」


桃香「愛紗ちゃん!?」


悔しいが愛紗の言う通りだったりする。


乙女「ほらやっぱりそうじゃない。だからあたしがこいつを花果山に連れ帰るからあんた達は旅を続けなさい」


乙女は一刀を連れ帰ろうとするが


桃香「だ┅ダメです! えぇと、そうだ! お釈迦様から一刀さんを旅に連れていけって言われたんです! だから一刀さんを連れていかないでください!」


お釈迦様に言われた。


それをいま思いついたかのように一刀を引き止める桃香


桃香「それに一刀さんは確かにちょっとエッチでスケベで変態です」


どれも同じ意味である。


桃香「ですが妖怪から私達を守ってくれるいい人なんです。だから連れていかないでください!」


最後に一刀の良いところを言う桃香であった。


愛紗「確かに妖怪を退治できるのはあいつだけであったな」


鈴々「お兄ちゃんは鈴々達にとって必要な存在なのだ!」


朱里「確かに変態ですけど」


雛里「時折役に立ってはくれます」


星「まぁ、いなければ退屈するだろうですしな」


イナモ「ワシだけでは桃香達を守れぬしのぅ」


桃香に同調するように愛紗達も一刀が必要だと言った。


それを聞き


乙女「成程。あんた達にとってもこいつが重要だってことがよくわかったわ」


桃香「えっ、それじゃあ┅」


一刀を連れ去るのを諦めてくれるのかと思いきや


乙女「だから劉備さん、あたしと勝負しなさい!」


ビシィッ!


乙女が桃香を指さしながらそう言った。


桃香「えっ!? 勝負ですか!?」


乙女「そう。こいつ(一刀)をかけて勝負よ! あんたが負けたらあたしはこいつ(一刀)を花果山に連れ帰る。あたしが負けたらあたしは大人しくこの場から去る。どう、やる?」


乙女からの話を聞き


桃香「わかりました。やります!」


桃香は勝負を引き受けた。


愛紗「桃香様!?」


桃香「任せてよ愛紗ちゃん、それで勝負方法は何ですか?」


正直に言うと格闘の場合、桃香が負ける可能性があったが


乙女「そうねぇ、ここは『尻尾取り』で決着をつけましょうか」


桃香「尻尾取り?」


尻尾取りとはズボンの後ろに紐など長いものをつけ、それを互いに奪い合うという子供でもできる遊びである。


ルールによっては復活用の尻尾を用意して取った尻尾の数を競う等があるが


乙女「今回は特別ルールとして紐は1本にしてフンドシのように巻き付けるのよ!」


桃香「えぇっ!?」


それはつまり、勝負の間、下半身はフンドシのみ、しかもフンドシが取られれば下半身が裸になるという子供におすすめできないゲームとなっていた。


乙女「どう? やらないっていうならあたしの不戦勝で┅」


もちろん普段の桃香ならそんな戦いは絶対にやらないのだが


桃香「や┅やります!」


愛紗「桃香様!?」


一刀を連れていかさないため桃香は勝負を受けるのだった。


それから少しばかりして


陳琳「さぁ、始まりました! 劉備選手対乙女選手の尻尾取り合戦! 実況解説は勝負と聞けば陳琳あり! の陳琳とゲストとして北郷一刀さんがお送りします!」


一刀「あんた、前々の話にもいなかったか?」


解説と聞けば陳琳しかおらず、たまたま近くにいたということで引き受けたとのこと


そして舞台には


バァンッ!


下半身フンドシ姿の桃香と乙女がいた!


桃香「うぅっ、やっぱり恥ずかしいよぅ」


もちろんスカートは身につけておらず、今更ながら恥ずかしがる桃香に対し


乙女「フンッ、尻尾取りは猿にとって十八番(おはこ)の試合、負けるわけにはいかないわ!」


同じく下半身フンドシ姿だというのに乙女は堂々としていた。


陳琳「おや、乙女選手は恥ずかしくないようですね」


一刀「そりゃまぁ、元が猿だから恥ずかしくなんてないんでしょう。野生の猿はズボンやパンツを履くなんてしませんから下半身丸出しですしね、もちろん乙女の奴だって下半身丸出しで堂々と歩いて┅」


と言いまくる一刀に


ドカァッ!!


一刀「ぐほぉっ!?」


乙女の履いていた靴が顔の正面に炸裂した。


乙女「女に対して丸出しとか言うな! あたしだって人間になって少しは恥ずかしいんだからね!」


誰のために戦っているんだと言いたい乙女であった。


陳琳「それでは両者準備ができましたところで、試合開始です!」


カァーンッ!


そしてとうとう試合が開始され


乙女「ハァッ!」


バッ!


試合開始早々、乙女が桃香の尻尾を奪おうと襲いかかるが


桃香「きゃあっ!?」


サッ!


桃香は乙女の突撃を見事避けた。


戦闘力こそ低い桃香であるが回避力はかなりのものだっりする。


乙女「なかなかやるじゃない」


桃香「わ┅私だってそう簡単に負けたくありませんから!」


桃香が負けたくない理由


もちろん羞恥をかけた戦いでもあるが本人はまだ少し否定しているものの一刀を連れていかせないためだったする。


乙女「だったら手加減は無用のようね。本気でどんどんいくわよ!」


ビュンッ!


桃香「ひゃあっ!?」


攻撃を繰り出しまくる乙女と避ける桃香


二人の戦いは少しの間続いていき


桃香「はぁはぁ┅!?」


乙女「はぁはぁ┅!?」


二人の体力は限界を迎えていた。


体力は少ないが避ける桃香と


体力はあるが動き回る乙女


この二人が互いに戦えば両者共に体力の限界を迎えるのは当然であった。


陳琳「おぉーっと、どうやら両者共に体力の限界を迎えたもよう! これは決着が近いかもしれません!?」


陳琳の言うように


乙女「ハァッ!」


ガシィッ!!


桃香「ひゃあっ!?」


ついに桃香は抱き合うように乙女に捕まってしまった。


乙女「観念なさい!」


ぐいっ┅!


あとは乙女が桃香の尻尾を引き抜けば乙女の勝ちなのだが


桃香「負けません!」


ぐいっ┅!


この勝負に置いて互いに抱き合う形は自殺行為であり、乙女の尻尾も桃香につかまれてしまった。


陳琳「おぉーっと、両者共に尻尾をつかまれてしまった!? 決着は尻尾を引き抜いた方が勝ちとなります! はたしてどちらが勝つのか!?」


桃香「う~んっ!?」


乙女「ハァ~っ!?」


両者共に体力の限界を迎えており尻尾を引っ張る体力は無かった。


こうなるとなかなか決着はつかないのだがその時だった。


一刀「ねぇねぇ、そこのお姉さん、俺とお茶しない♪」


この時、実況席にいた一刀がいつの間にかナンパをしていたのだ。


そしてそれを見てしまった乙女は


乙女「あの馬鹿猿!」


パッ!


桃香と勝負の最中だというのに尻尾を掴んでいた手を離してしまい一刀に制裁を食らわせるべく向かうのだが


しゅるりっ!


桃香「あっ!?」


桃香は乙女の尻尾を掴んでいたままだったため、そのまま動いた乙女の尻尾はほどけてしまい


バァンッ!


乙女は下半身丸出しとなってしまい勝負の決着はついたのだが


乙女「覚悟なさい!」


バッ!


その事に気付いていない乙女は怒りのまま一刀の方へ向かい


一刀「げっ!? んっ┅!?」


乙女の接近に気付き、逃げようとする一刀であったが


乙女「この馬鹿猿がぁーっ!!」


バッ!


下半身丸出しのまま飛び蹴りを繰り出すという行為に一刀は注目して動けず


ドカァッ!!☆ミ


一刀「がはぁっ!?」


一刀は乙女の飛び蹴りを食らってしまうのだが


乙女「まったくこの馬鹿猿は! さて、勝負の決着をつけに┅」


一刀に制裁を食らわし、舞台に戻ろうとする乙女であったが


じーっ┅


乙女「えっ? 何よ?」


周囲の人達の目線が自分を見ていることに気付き


乙女「それに何だか下半身が寒いし┅」


下半身の冷えを感じた乙女が下半身を見たことで


バァンッ!!


乙女「あっ┅!?」


乙女は今更ながら自分が下半身丸出しなことに気付き


乙女「きゃあっ!?」


羞恥のあまり乙女はその場にしゃがんだ。


乙女「あ┅あんたのせいよ! この大馬鹿猿ーっ!!」


ドガバキンッ!!☆ミ


一刀「ぎゃあぁーっ!?」


そしてこうなる原因を作った一刀に更なる制裁を食らわしたのだった。


一方


桃香「えぇと、私の勝ちでいいのかな?」


いつの間にか勝ってしまった桃香は少し呆然とするのだった。


その後


乙女「いい! 今回は連れていくのは勘弁してあげるけど次また会う時は覚悟なさいよね!」


一刀「あ┅あぁ!?」


乙女は一刀にそう言うと


乙女「それまで生きてなさいよ!」


バッ!


乙女はそのまま去るのだった。


しかし


星「それにしても愛紗よ、一刀殿がナンパをしておったのにお主はよく平気であったな」


確かに一刀に制裁を与えるのは愛紗の役目だったのだが


愛紗「ナンパも何も、一刀殿は何もしてないであろう?」


そう。実はあの時、一刀の周囲に女はおらず、一刀はただ台詞を口に出しただけなのだ。


桃香「(まさか一刀さん、私を勝たせるためにナンパのフリを┅)」


確かに乙女の性格を考えれば一刀を殴りに来るのは考えられる。


まぁ、更なる制裁を受けたのと、乙女のアレを見てしまったのはさすがに計算外だったと思うが


桃香「(一刀さん、私を勝たせるために殴られるだなんてこれからは少しは優しくして┅)」


と桃香が思ったその時


一刀「そこのお姉さん、俺とお茶しない♪」


桃香達の目の前で一刀が本当にナンパをしていた。


愛紗「貴様という奴は!」


ドカァッ!!☆ミ


一刀「ぐえっ!?」


桃香「(これは前言撤回だね)」


少しは一刀を見直した桃香であったがまたすぐに一刀に対する評価を下げる桃香であった。


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