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悟空、初妖怪退治をした後に天界に招かれるのこと

花果山にある卵のような石から猿が生まれ、人間並みの精力を持った猿は仙人から人間と子作りする方法を学ぶため悟空という名をもらって弟子入りするも仙術にもそんな手段はないと知り、怒った悟空は仙人の元から飛び出し、花果山に帰ってくると何と!?仲間の猿達が妖怪に連れ去られたという話を聞くのだった。


うきぃ~!うきぃ~っ!


妖怪の住み処にて檻に入れられた猿達の泣く声が鳴り響いていた。


混世(こんせい)魔王「ガハハッ、もっと泣け!泣けば泣くほどいい暇潰しになる」


この巨人のような妖怪・混世魔王が猿達を誘拐した本人である。


乙女「ちょっとあんた!私達を捕らえてどうしようってのよ!」


捕らえられた一匹である乙女が混世魔王に聞くと


混世魔王「俺様は猿が好物なんだ。特に猿脳(えんのう)がな」


じゅるりっ!


そう言いながら舌で口回りを舐める混世魔王


ちなみに猿脳とは文字通り猿の脳を使った中国の最高珍味であるが食べると様々な病気にかかる恐れがあるらしい。


するとその時


小猿「フンッ!お前なんてボスが帰ってきたらイチコロだい!」


捕らわれていた一匹の小猿が言い出した。


混世魔王「お前達のボスだと」


小猿「そうだ!今は旅に出てるけど帰ってきたらお前なんてイチコロだい!」


乙女「よしなさい!」


叫ぶ小猿を乙女が止めようとすると


混世魔王「ガハハッ!そいつは面白い。ボスだろうと所詮はたかが猿、いつでも俺様が相手をしてやるってんだ!」


混世魔王がそう言った直後


「なら今すぐ相手をしてもらおうじゃねぇか」


混世魔王「誰だ!」


何処からか声が聞こえ、混世魔王が声のする方を見てみると


悟空「俺が悟空だぜ!」


バァンッ!!


猿達「「「ボスっ!」」」


乙女「石猿!」


悟空が勢いよく登場すると


混世魔王「ガハハッ!こいつらのボスっていうわりにはただの服着た猿じゃねぇか、こんな奴なんて┅」


混世魔王は悟空を馬鹿にすると


混世魔王「こいつで十分だぜ!」


ドッカァーーンッ!!


大きな金棒を悟空目掛けて振り下ろした。


混世魔王「ガハハッ!猿の煎餅(せんべい)の出来上がりだ!」


悟空を潰したと思う混世魔王であったが


ピキッ┅


バッキィーーンッ!!


混世魔王「へっ?」


突然金棒が折れると


悟空「いま何かしたのか?」


そこには少しだけ額が切れただけの悟空がいた。


混世魔王「ば┅馬鹿な!?金棒食らって死ぬどころかタンコブすらできてないだなんて!?」


悟空「悪いが俺の体は鉄より固いんだよ。さて、お前を倒して仲間を返させてもらうぜ!」


乙女「石猿┅」


仲間のために駆けつけてくれた悟空に感動する乙女であったが


悟空「何せ俺が戻ってきたのに世話をする奴が一人もいないんじゃ一人でどうすりゃいいんだって話だからな!」


全ては自分のためだけであった。


乙女「┅前言撤回。死ねあのクソザル!」


感動した自分を返せとばかりに怒りまくる乙女であった。


混世魔王「フンッ!金棒が効かないのなら俺が直々に相手をしてやる!」


悟空を相手に今度は素手で戦おうとする混世魔王であったが


悟空「へんっ!お前なんて俺が相手をするまでもない。お前の相手なんてこいつらで十分だ!」


ぶちっ!


悟空は毛を数本抜き


悟空「フッ!」


抜いた毛に息を吹き掛けると


おらっ! おらっ!


毛がどんどん悟空の姿となっていった。


混世魔王「な┅何だこれは!?」


悟空「見たか!仙人から教わった仙術の一つ、『毛髪分身の術』だ!」


そしてあっという間に分身が増え


悟空達「「「じゃじゃーんっ!」」」


バァンッ!!


その数はゆうに百人を越えていた。


混世魔王「ひゃ┅百対一なんて汚いぞ!?」


悟空達「「「汚い?武器を持っている大男が小さな猿と戦うことに比べりゃ全然汚くねぇよ!」」」


バッ!!


混世魔王「ぎゃあぁーっ!?」


ドガバキンッ!!☆ミ


悟空は百人がかりで混世魔王を袋叩きにし


悟空「これからはお前は俺の子分だ!わかったな!」


混世魔王「は┅はい親分!?」


悟空が元の一人に戻った時には混世魔王はボロボロにされていた。


悟空「さぁて、花果山に帰ったら俺の帰還祝いも兼ねて大子作り大会の始まりだぁーっ!」


乙女「この馬鹿猿!」


こうして悟空は仲間の猿達を連れ戻し、混世魔王を子分にした。


一方その頃、神々が住まうという天界では


神A「ほら見ろ、あの時ほっておいた猿がとんでもないことをしでかしているぞ」


神々達の前に映し出されている映像には悟空が仲間の猿達を率いて人間相手に子作りしている様子が映っていた。


神B「このままでは地上が文字通り猿の惑星となってしまうな」


神C「言ってる場合か!早く対策をしなければ」


神々は悩みに悩みまくった。


一刻も早くこのエロ猿を殺そうというもの


一度は見逃しておいて殺すのもかわいそうだからこのまま見逃してやろうというもの


様々な意見が出されるなか


神D「あの猿をこの天界に連れてこよう」


という結論になった。


神A「どういうことだ!」


神D「あの猿に適当な役職をつけてこの天界に連れてくるのだ。地上で暴れまわるあの猿も神々が集まる天界ではアリンコのようなものだから大丈夫だろう」


昔から神というものは地上で片付けられないほどの大きな問題であっても天界にとっては小さなことだから大丈夫だろうという大きな慢心があった。


神A「ではこれより猿を天界に迎え入れるわけなのだが適当とはいえどういった役職を与えればいいのだろう?」


神E「なら弼馬温(ひつばおん)はどうだろうか」


神B「弼馬温か、猿にはちょうどいいかもしれぬな」


こうして神々は悟空に弼馬温という役職を与えて天界に呼ぶことにしたのだが


これが後に天界にとって大惨事となる切っ掛けになろうとはこの時は誰も思わなかった。


そして


悟空「あん、神が俺を呼んでいるだと」


神の使い「そうです。つきましてはあなたの強さを見込んで天界にご招待を┅」


悟空「やだね。俺は子作りで忙しいんだ。用があるならそっちから来いって神に伝えな」


神が相手であっても態度がデカイ悟空


神の使い「そうですか、天界に来れば人間と子作りできる方法がわかるというのに┅」


と神の使いが小声で言いながら去ろうとすると


悟空「待て!それは本当だろうな!」


悟空は神の使いの足を止めさせ話を聞いてみることにした。


神の使い「もちろんですとも、天界は仙人だって行けない世界です。きっと人間と子作りできる方法がわかるでしょう」


悟空「よし!天界とやらに行ってやらぁ」


先程まで断っておきながら人間と子作りできる方法がわかるかもしれないだけで天界に向かうことを決意する悟空であった。


乙女「ちょっと悟空、あなた正気なの!?」


悟空「俺は正気だぜ。絶対人間と子作りできる方法を学んでこの地球を猿の惑星にしてやるんだ!」


乙女が止めるのも聞かず


乙女「もういいわよ!あんたなんて天界でも何処へでも行っちゃいなさい!」


ついに乙女は怒って出ていってしまった。


悟空「何を怒ってるんだ乙女の奴?」


女心がわからない悟空であった。


そして


ウキィ! ウキィ!


悟空「それじゃあみんな、行ってくるぜ!」


悟空は乙女以外の猿達に見送られながら天界に向かっていくのだった。


これが猿達との別れとも知らずに┅


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