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妖狐イナモ、策を巡らすが阻まれるのこと

桃香の肉を狙い、妖狐が温泉宿の女将に変化して桃香達を罠に嵌めようとしていた。


そしてその事に気付いていない桃香達は┅


桃香「うわぁ~、良い景色だね~」


かぽーんっ!


折角温泉宿に来たということで温泉を満喫しようとしていた。


鈴々「わぁーい! でっかいお風呂なのだ!」


愛紗「こら鈴々、我々しかいないとはいえ風呂場で走るでない!」


桃香「まぁまぁ、愛紗ちゃん」


星「うむ、折角温泉に来たのだから今日は温泉を堪能しようではないか」


バンッ!


そう言う星の手にはちゃっかり徳利(とっくり)とお猪口(ちょこ)が用意されていた。


桃香「こんな良い温泉なら朱里ちゃん達も来ればいいのにね」


鈴々「朱里達は疲れたから部屋で休むそうなのだ」


と鈴々は言うがそれは朱里達が言った建前であり本音は┅


朱里「あんな巨乳だらけの場所なんて行くわけにはいかないよね」


雛里「見るだけで狂いそうだもんね」


と、貧乳をコンプレックスに思う二人であった。


星「しかし、温泉に来たとなれば一刀殿が覗きに来るのではないか?」


愛紗「それはない! ちゃんと入る前に釘を打っておいたからな」


そう。実は風呂に来る前


愛紗「いいか一刀、絶対に覗くでない! 覗いたら殺すからな!」


一刀「は┅はい!?」


と、一刀に対して釘を打っておいた愛紗であった。


星「それでお主だけタオルを巻いておるわけか、全く愛紗は堅いな、裸なんて見られたところで減るわけではないのだから見せてやればよいのに」


愛紗「そういうわけにはいくか!」


桃香「まぁまぁ二人とも!?」


四人が温泉を楽しむなか


がたっ┅


温泉に置かれていた大きめの岩がかすかに動いたのだが


妖狐「(フフフッ、我の華麗な変化じゃ)」


それは妖狐が変化したものであった。


妖狐「(このまま近づいて劉備の肉を┅)」


そろり┅


と、妖狐が桃香に近づこうとしたその時


愛紗「むっ! そこか!」


シュッ!


愛紗が岩目掛けて風呂桶を投げた。


妖狐「(なっ!? まさか我の変化に気付いたか!?)」


だが投げられた風呂桶は角度を変え


ドカァンッ!!☆ミ


石灯籠(いしとうろう)に当たると


一刀「いった~!?」


そこには石灯籠の着ぐるみを着た一刀がいた。


愛紗「貴様、私は先に言ったよな。覗いたら殺すと」


ぼきぼきっ!


腕を鳴らしながら一刀に近づく愛紗


一刀「ま┅待て!? 俺は覗きに来た訳じゃない! そ┅そう。温泉の成分を調べに┅!?」


愛紗「そんな言い訳が通用するものかぁーっ!!」


一刀「ぎゃあぁーっ!?」


ドガバキボコォッ!!☆ミ


怒りまくる愛紗は一刀に制裁を食らわした。


そしてその様子を見て


妖狐「(ま┅また後にするとするか!?)」


妖狐は桃香を襲うのをやめるのだった。


それから少しして


女将「さぁさぁ皆さん、夕食にきつねうどんといなり寿司をたくさん用意しましたので召し上がってください」


鈴々「わぁいっ! たくさん食べるのだ!」


桃香「でも何でこんな品書きなんだろう?」


この二つにはアゲという共通点があった。


女将「それではごゆっくりと」


そして女将は去ると


女将「(フフフッ、あの料理には睡眠薬が仕込んでいる。寝ている間に劉備の肉を食うてやるとするか)」


不気味に笑いながら女将は廊下を歩くのだった。


朱里「あのぅ、そういえば一刀さんは?」


愛紗「あのバカのことならほっておけ!」


星「まぁ、そのうち自分で出てくるでしょうしな」


桃香「あははっ┅!?」


雛里「?」


というのも一刀は


一刀「誰か助けて┅!?」


愛紗に散々ボコられた後、簀巻きにされて温泉に浮かばせられていた。


その後


愛紗「すぅすぅ┅」


鈴々「ぐかぁーっ!」


桃香「もう食べられないよ┅」


妖狐の策略により睡眠薬入りの料理を食べた桃香達は眠ってしまった。


そこへ┅


妖狐「しめしめ、ぐっすり寝たようだな」


妖狐がこっそり部屋に入ると


妖狐「さて、劉備の肉を┅」


桃香に近づこうとしたその時


がらっ┅


妖狐「!?」


サッ!


突然窓が開かれ、驚いた妖狐が隠れると


一刀「脱出成功!」


一刀が窓から部屋に入ってきた。


愛紗「すぅすぅ┅」


一刀「俺を置いてのんきに寝ちゃって、これはお仕置きが必要ですなぁ♪」


そして一刀は


スゥッ┅


愛紗に気付かれないようパンツを脱がすのだった。


一刀「くくくっ、起きたらノーパンになっているから驚くといい」


妖狐「(な┅何て奴じゃ!?)」


仲間に対して破廉恥行為をする一刀に呆れる妖狐


そして一刀は


一刀「さて、それではいつも変化しては殴られている恨みを含め、桃香のパンツをいただきましょうかねぇ♪」


スッ┅


そして一刀は桃香のパンツに触れたその時


桃香「┅んっ?」


一刀「あっ!?」


桃香が目を覚ましてしまい、暗がりなのでよくわからないが誰かが自分に襲いかかろうとしていると察した桃香は


桃香「きゃあぁーーっ!!」


叫び声をあげてしまい


愛紗「桃香様!?」


鈴々「にゃにゃっ!?」


桃香の叫び声で皆も目を覚ましたのだが


一刀「あ┅怪しい奴が窓から出ていったぞ!?」


愛紗「何だと!」


一刀は自分が見られていないことをいいことに自分の犯行を隠蔽したのだった。


一刀「(これでバレることはない。読者のみんなも黙っててね!)」


妖狐「(最低な奴じゃ!?)」


その様子を一部始終見ていた妖狐はそう思うのだった。


妖狐「(しかし、さっきからあの男に邪魔されてばかり、こうなったら劉備の前にあの男を始末してくれる!)」


そう妖狐が思った翌日


桃香「女将さんは何処へ行ったんだろう?」


桃香達は宿を出るがそこに女将の姿はなかった。


桃香「お別れの挨拶をしたかったのにな」


愛紗「まぁ、我々も急いでいるわけですし、先を進みましょう」


と、一行が先に進もうとしたその時!


パッ!


昼間だというのに辺りが暗くなり


ポォッ!


愛紗「ひ┅人魂!?」


突然一行の前に青白い人魂が出現すると


妖狐「劉備の肉、我が食うてやる!」


バァンッ!


大型トラックくらいの大きさの妖狐が出現した。


桃香「よ┅妖怪!?」


妖狐「フフフッ、先に劉備の肉を食うてやりたいがまずは我の邪魔をするそこの男から退治させてもらうとしよう」


一刀「えっ? 俺のこと!?」


妖狐「くたばるがよい!」


ボオォーーッ!!


妖狐はまるで火炎放射器のごとく火炎を一刀目掛けて繰り出し


一刀「あちちっ!?」


焼かれた一刀が跳び跳ねたところを


妖狐「そぉれ!」


ばくんっ!


そのまま食べてしまった。


桃香「あぁっ!?」


妖狐「フフフッ、男の肉は不味いな、口直しに劉備の肉を食うてやるとするか!」


そして一刀を片付けた妖狐が次に桃香を狙おうとしたその時


妖狐「うっ┅!? いてぇーっ!?」


バッ!


突然妖狐が苦しみ、口の中から


悟空「ふぅ、危なかったぜ!?」


バァンッ!


一刀こと悟空が飛び出してきた。


妖狐「おのれ、貴様も妖怪だったか!?」


悟空「そういうこった。悪いが桃香の肉を食うってんなら容赦しねぇ! くたばりやがれ!」


ドカァッ!!


妖狐「ぐほぉっ!?」


悟空は妖狐に一撃を食らわせ


悟空「止めだ!」


次なる一撃を食らわせようとしたその時


ボンッ!


妖狐から煙が発生すると


イナモ「い┅痛いのじゃ!? 何も本気で殴ることはなかろう!」


悟空「へっ?」


煙の中から金髪ショートで瞳の色も金色。狐耳と尻尾をつけた小さな女の子が現れた。


実はこの小さな女の子の姿が妖狐イナモの真の姿であった。


その事を知らない悟空は


悟空「そんな小さな姿に変化したって無駄だーっ!!」


イナモ「ひぃっ!?」


構わずイナモを攻撃しようとするが


桃香「ダメですーっ!」


ドンッ!!


桃香がイナモの前に現れて悟空を突き飛ばし


悟空「あぁーっ!?」


バビュンッ!!


キランッ☆


突き飛ばされた悟空は何処かへ行ってしまった。


桃香「こんな小さい子をいじめるだなんて一刀さん、あなたはひどいです!」


悟空「お┅お前の方がひどいじゃねぇか!?」


そして悟空はボロボロになりながらもすぐに戻ってきたのだった。


その後、しばらくして


イナモ「ワシはイナモという。妖怪達から劉備の肉の話を聞いたので妖力を得ようと狙っただけで本気で食べる気はなかったのじゃ」


イナモは謝ると


桃香「謝ってくれたならそれでいいよ」


桃香は許してあげた。


愛紗「しかし、この者をどうします?」


確かに妖怪をほっとくわけにもいかず倒すわけにもいかないためどうしようかと思っていると


『ほほほっ、お困りのようだな』


空から声が聞こえてきた。


一刀「その声は大仏!」


『大仏言うな馬鹿猿! それより劉備よ、その妖狐も悪い妖怪ではないようだし、更正のために旅に連れていってもらえぬか』


桃香「えっ?」


『妖狐よ、悪いがお前の力は封じさせてもらう。二度と劉備の肉を食らうと思うでないぞ』


イナモ「う┅うむ!?」


その後、イナモはチョーカーのようなものを付けられ力を封じられてしまった。


しかし


一刀「俺は反対だね。そんな妖狐何て信用できるか┅」


ただ一人だけイナモを連れていくことに反対であった一刀だが


イナモ「そういえば昨夜見ていたが劉備を襲ったのはそこのおと┅」


一刀「よ┅妖怪の更正のためには仕方ないよね!?」


イナモに脅され、連れていくことに賛成するのだった。


星「そういえば愛紗よ、今朝は出てくるのが遅かったな」


愛紗「す┅少し着替えに手間取っただけだ!?」


愛紗は言えなかった。朝起きたらパンツが無くなっていただなんてとても恥ずかしかったからだ!?


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