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劉備、水鏡先生をスカウトしに行くのこと

お釈迦様から罰として桃香の望みである平和な国を作るため、元の姿に戻るため桃香達と旅を続ける悟空の一刀


ようやく愛紗から真名を許可され一行が旅をするなか


桃香「さぁ、みんなで頑張っちゃおーっ!」


鈴々「おーっなのだ!」


陽気な桃香と鈴々とは裏腹に


愛紗「全く桃香様ときたら」


何やら悩むような顔をする愛紗と一刀


一刀「これから先、出てくるのは盗賊だけじゃなく妖怪まで襲ってくる自覚はあるのかねぇ」


そう。普通に旅をするのならば襲ってくるのは賊なのだが実は桃香は妖怪にも命を狙われている。


その理由を前回愛紗をひどい目に遭わせた黒風怪(こくふうかい)を捕らえて聞いてみると


黒風怪「お┅俺は劉備の肉を食えば長生きできるって噂を聞いたから襲ったんだ!? 誰から聞いたか何て忘れたよ!?」


ということで妖怪達が桃香を狙っていることがわかった。


一刀「なのに当の狙われている本人ときたら意気揚々と旅なんかしちゃって、俺なら国作りなんてやめて引きこもるね」


愛紗「貴様と桃香様を一緒にするな! それだけ桃香様は国作りをしたいということだ」


確かにその点については愛紗の言う通りなのかもしれない


桃香「あっ、そうだ愛紗ちゃん、このまま宛もなく旅をしているわけだけど今の私達に足りないものってあるのかな?」


愛紗「我らに足りないものですか? えぇと┅」


一刀「そりゃ爆乳、美尻、熟女枠だろそれに┅」


一刀がおかしなことを言ったところで


ドカァンッ!!☆ミ


愛紗「貴様は黙っていろ!」


一刀「は┅はい!?」


一刀は顔にめり込むくらい愛紗の拳を喰らってしまった。


愛紗「そうですね。戦の頭脳なる軍師でしょう」


気を取り直して愛紗が桃香達に足りないものを言うと


一刀「軍師~? そんなのいらねぇじゃんか」


鈴々「そんなのを入れるくらいなら強い人が欲しいのだ」


脳筋である一刀と鈴々は軍師を否定するが


愛紗「何を言う! 戦いにおいて戦術は必要不可欠! そして軍師は戦術の達人と呼ばれる立場なのだぞ!」


確かに愛紗の言うように戦場にて作戦を考える存在は必要不可欠


一刀や鈴々のような脳筋こそ戦術に引っ掛かりやすいのだ。


桃香「確かに軍師は必要だよね」


一刀「ぶーっ! だからそんなの入れるくらいなら爆乳のお姉さんを┅」


いまだブーイングする一刀を


愛紗「なら貴様にはゲンコツが必要なようだな」


ゴキンッ!


一刀「ぐ┅軍師は必要です!?」


愛紗が力ずくで黙らせるのだった。


桃香「そういえば聞いた話だとこの先にある水鏡院っていうところに水鏡(すいきょう)っていう頭のいい人がいるんだって」


愛紗「その者なら我らの力になってくれるでしょう」


一刀「ぶーっ! 軍師なんかより┅」


相変わらず軍師の必要性に対してブーイングする一刀であったが


桃香「そういえば別の話だと水鏡さんって美女らしいよ」


桃香がそう言った直後


一刀「水鏡院へ急ごうぜ!」


バビュンッ!!


一刀は態度を変え、走っていった。


愛紗「まったく、あいつという奴は┅!?」


桃香「あはは┅!?」


鈴々「お兄ちゃんらしいのだ」


そして桃香達も一刀を追うと


一刀「ごめんください水鏡さん、劉備一行があなたをスカウトしに来ましたよ!」


ドンドンッ!


一刀が水鏡院と看板がかけられた建物の扉を強くノックしていた。


すると


ガチャッ!


扉が開き


一刀「水鏡さん!」


水鏡を一目見ようとする一刀であったが


?「あのぅ、水鏡先生でしたらいませんけど┅」


?「何か御用でしゅか?」


現れたのは水鏡ではなく金髪ショートの小柄な女の子と紫色のツインテールの小柄な女の子であった。


一刀「・・・」


現れたのは水鏡ではなく、しかも小柄かつ貧乳少女だと判明し、一刀は


一刀「いや、用はないです」


?「はわわ!?」


?「あわわ!?」


用は無いとばかりに即座に帰ろうとした。


愛紗「待たぬか貴様!」


一刀「何だよ~。水鏡さんがいないのならここに用はないじゃないか~」


愛紗「そんなわけにはいくか!」


桃香「うちの連れがごめんなさい」


愛紗が一刀を取り押さえ、桃香が女の子達に謝罪した。


桃香「私達は劉備一行です。怪しい人もいますが怪しいものではありませんので水鏡先生の居場所を教えてくれませんか?」


桃香が二人に聞くと


諸葛亮「はわわ、私は諸葛亮と申します」


鳳統「鳳統(ほうとう)です」


女の子達は名前を言い、桃香達は水鏡先生について聞いてみた。


すると


桃香「ここ数日の間、出掛けたきり戻ってない!?」


諸葛亮「はい。この先にある何でも望みの叶う『獏念寺(ばくねんじ)』という場所で町の人が戻らないという相談を受けて水鏡先生が向かったのですが」


鳳統「水鏡先生も出掛けたきり戻らないのです」


一刀「ミイラ取りがミイラになったわけか」


ミイラ取りがミイラになる


説得しようとした人がかえって説得されてしまい先方と同意見になるという言葉。または迷子を探しに行った人が迷子になるという言葉でもある。


諸葛亮「水鏡先生が心配です┅」


鳳統「もし水鏡先生の身に何かが起きていたら┅」


不安がる二人を見て


桃香「わかった。私達が水鏡先生を連れてきてあげるよ」


桃香が二人にそう言った。


一刀「おいおいマジかよ桃香!? 話を聞いた限りたぶん相手は妖怪だぜ!?」


桃香「だからですよ。妖怪相手なら私達が行けばいいじゃないですか」


愛紗「桃香様の言う通りだ。話を聞いた以上放っておいてはおけぬ」


鈴々「妖怪なんて鈴々達が倒してやるのだ!」


桃香に続いて愛紗と鈴々も水鏡先生を探しに行くと決意し


一刀「ちっ、わかったよ! 俺もついていってやるよ!」


一刀も渋々であるがついていくことにした。


諸葛亮「ありがとうございます」


鳳統「獏念寺まで案内します」


そして桃香達が行動を開始した頃、その獏念寺では┅


獏念和尚「さぁさぁ、幸福になりたいものは誰それ構わずやって来なさい。この寺に入門すれば幸福になれますよ」


獏念寺の和尚(おしょう)である獏念和尚


表向きは人の良さそうな和尚であるが


人のいないところでは┅


獏念和尚「ぐひひっ、更なる獲物が捕まったわい」


正体である(ばく)の姿になるのだった。


※動物園にいるバクではなく伝説の生物の獏です。


獏念和尚「馬鹿な奴らめ、望みを叶える夢を見させる代わりに精気を吸い取られるとも知らないで次々と入門者が集まってくる」


精気とはいわゆる魂のようなもの。それは吸い取られ続けると体がミイラのようになっていき、いずれ死ぬ


獏念和尚「聞けば劉備とやらもこの近くに来ておるらしいし、来てくれれば嬉しいものじゃわい」


この時の獏念和尚は知らなかった。


その桃香達がこの寺に来ようとしていることを


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