世界法則調律師
世界は規則正しく動いている。
一ミリも狂うことは許されない。
狂ってしまったとき、それを調律するのが私の仕事。
繊細で素晴らしい仕事なのだ。
もし、世界が狂ってしまったままだったら、やがて世界は壊れるだろう。
美しいこの世界は均衡を崩し、崩壊する。
それはとても悲しいことだ。
許されないことだ。
だから私は調律する。
世界が正しく、美しく動くように。
私の仕事場は世界の中心にある。
小さな地下の部屋で常に世界を調律している。
歪みが生じれば私にはわかる。
どこを直せばいいのかわかるのだ。
私は小さな道具を使って世界を調律する。
世界が正しく調律されたとき、私は嬉しくなる。
いつからこの仕事をしているのか、私にはわからない。
気づいたらここにいて、この仕事をしていた。
私は世界のために存在している。
それ以外に重要なことがあるだろうか?
過去の私が誰であるかなんて些細なことだ。
私の未来も世界のためにあるのだ。
どれほど長い時間を生きていようと、私のすべては世界のためにある。
ああ、今日も世界が少し狂ってしまった。
どうして皆はこの美しい世界を壊そうとするのだろう?
私は道具を使って世界を調律する。
これで世界はまた正しく動き出した。
私は安堵する。
そうして美しいこの世界は、今日も正しく動いている。