学校で怪談
キャンバス&タイガー、連載中!
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「ねえねえ知ってる?」
「なになに知らない」
「この学校の七不思議ってあるじゃん」
「うん」
「あれってね、全部嘘だったらしいんだよ」
「全部…嘘?」
「うん」
「それってどういうこと?」
「実はこの前、〇〇くん達が夜中にここに忍び込んでそれぞれ七不思議を体験しようとしたんだけど、どれも起こらなかったんだって」
「へえ…えっと、七不思議って確か」
「夜に起こるんだったね…『12時になると廊下に現れる幽霊』、『1時になると動き出す理科室の人体模型』、『2時になると現れる旧校舎』、『3時になると段が増える階段』、『4時になると目が動く音楽室の肖像画』、『5時にかかってくる電話を取ると空襲を知らせるサイレンが聞こえる職員室』、『6時になると背中の薪が増える二宮金治郎像』、だよ」
「そうそうそれそれ…へえ、嘘だったんだ」
「でもさあ」
「ん?」
「やっぱ自分で見てみないとわかんないよね」
「あ、あんたまさか」
「あんたっていうか、一緒に来てくれない?」
「…ええ…?」
「今日、お泊まり会じゃん」
「うん」
「行けるじゃん!」
「でも怖いよ…本当だったらどうするの」
「いや、だから、この前は何にも起こらなかったんだって、〇〇くんが言ってたから、大丈夫だよ!」
「うーん…」
「大丈夫、危なかったら引き返せばいいし、だいたいそんな怪談、もとから嘘に決まってるって!」
「…じゃあ行く」
「よし!」
「はーいみんな、席について!朝のホームルーム始めますよ!」
「…12時になったよ」
「よし」
「廊下って、本当にここの廊下なの?」
「うん。それは間違いないよ」
「幽霊…出ないね」
「うん」
「…1時になったよ」
「よし」
「理科室怖いよ…」
「ん?今、誰か呼んだ?」
「ええ⁉︎怖いこと言わないでよ!」
「冗談冗談。…人体模型は動かないっと」
「…2時!」
「旧校舎っていうのはこの目の前で間違いないけど、現れないね…まあ、一番ありえなさそうだとは思ってたけど」
「ねえ、そんな事言ってたら、七不思議が向こうからやって来ちゃうよ…」
「怖がりだなあ…よし、私が怖くなくしてあげよう」
「え?」
「七不思議…ナナフシっぽい!」
「たしかに!」
「3時だよ」
「さて、では登るとしますか」
「さっきは20だったけど…」
「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20…さっきとおんなじだよ」
「よかった…」
「ちぇ」
「今、ちぇって言わなかった?」
「言ってないよ」
「こ、怖い!」
「4時!」
「…」
「動かないね」
「うん」
「5時になったよ」
「…」
「どう?」
「なんか聞こえる」
「⁉︎」
「ぅうううううううううって」
「えっ⁉︎」
「それに、なんか声も…『熱い、熱いよ』って」
「や、やめたほうがいいんじゃない⁉︎」
「うん…やめとこう」
「早く逃げよ!」
「そうだね」
「さっきはびっくりしたね…まさか6個目の都市伝説が本当だったなんて…」
「私も…ちょっと怖くなってきちゃったよ」
「もうやめとこうか」
「いや、あとひとつだし…行っちゃおう」
「ええ?」
「6時だよ!」
「…!」
「どうしたの………………⁉︎」
「増え…てるよね」
「増えてる…ね」
「…き」
「…今、なんか声聞こえなかった?」
「うん」
「貴様ら…我の勉学を…邪魔するか…」
「し、喋った⁉︎」
「逃げよう!早く!」
「殺してやるううううううううううううううううううぅううううううううう!!!!」
「わああああああああああああああ!?」
「…な、なんだ夢か…びっくりしたよ…結構リアルだったな…ああ怖かった…でも面白かった…女子中学生になるとか…人に言ったら変態だと思われちゃうな、拙者」
わけがわからないぜ




