序章
興味を持っていただければ嬉しいです
暗い暗い世界で。話すことも、体を動かすことも出来ないまま俺は「無」になるのだと気付かされた。
死ぬことは怖くない…なんて強がっていた頃が懐かしい。まさか、地震で崩壊してきたビルの下敷きにされるとか。ダサすぎる。
完全に体の感覚が無くなってきたみたいだ、これで終わり。
(これで終わりだ。弱冠19歳にしてろくな死に方もできない。何もかも半端だった。)
(なんて言うか)
(正直)
【悔しい】
『なら。捨てちまえ。』
(捨てる、なにを、まぁいいかどうせ死ぬんだから)
死神かなんかしらんが好きにしろよ。
『クッ…ハハハッ!いい、いいぞ。』
笑ってる、何がおかしいのか分からないがもう眠らせてくれ。もぅ、楽に…
『好きにしろよ。か…ならさせてもらうぞ?』
(あぁ…)
『よし!決まりだ。お前に、権利を譲渡しよう』
《真央海鈴さま》
《権限の開放完了》
《空席権取得完了》
『せいぜい新しい世界を楽しめよ“カイリ”お前には、王の資格がある。きっと、面白いことがお前の周りで起きるだろう』
何を言って…
『おっと、時間だ。向こうの世界の私によろしくな、またな』
あぁ、じゃあな。
そして、真央海鈴の意識は暗闇に飲まれた。
次回は、ついにあの子が!登場