俺とくじ引きと勘違い
・Characters
・涼風 綾
・椛崎 倖十音
・天屯 依利香
・佐々木 洋平
・柊 秋香
指摘、評価などあれば書いて頂けると幸いです。
時刻は、八時二十三分ホームルーム終了まであと十二分。
「じゃ、じゃあせ、席替えをするのですぅ!教室のぉ左端から順にぃくじを引きにきてくださいなのですぅ!」
先生がそういうと、左端からみんなが動き出した。
さっき洋平が言っていたが、やはり倖十音さんと、依利香さんは人気が高いらしくくじの前で手を合わせてその二人の近くになれる様にと祈ってる奴も見受けられた。
しばらくすると俺の番が回ってくる。
「よし、行くか....」
何気なく、くじの箱に手を突っ込み何気なく取った紙には『32』の二文字が並んでいた。黒板に書かれたクラスの席のイラストから『32』を探す。
「一番後ろか....」
『32』....その席は学校でもかなり良い席とも言える窓側の一番後ろの席だったのだ。俺は心の中でガッツポーズをしながら、もといた席へと戻った。
「綾、何番だ?」
洋平がまた話しかけてきた。
「ああ、俺は32だ。 お前は?」
「少し離れたな、12だ」
話しているとくじ引きが終わった様で。
「そ、それではぁ、席を移動して下さいなのですぅ!」
ガタガタと席の移動を始める、数分後席の移動が終わり静かになる。
すると、前に座っていた白い髪の女の子が振り返った。
「りょ、綾さんじゃないですかっ!」
「うおっ!?」
大声で叫ぶもんだからびっくりしてしまった、その声に反応してクラスのみんなもこちらを向いている。
そこに洋平が余計なことを挟んできた。
「おい、綾お前が椛崎さんが知り合いだったなんて聞いてないぞ....どーゆー事なんだっ!」
「い、いや....何というか....そ、その———」
俺が戸惑っていると、倖十音さんがみんなに向かってこう言った。
「私は、綾さんの....その、恋人ですっ!」
教室が、静まり返り––––––。
数秒後....。
「....え、ええええええぇぇぇぇぇぇ–––––––––ッ!」
爆発した....。
俺は、凍りついた様に固まり、目の前で倖十音さんが頬を赤らめている。
「え...? り、りりり綾、どど、どういう事だ....?」
洋平が俺に聞いてきているようだが、すまん俺にもわからん。
すると、ガタッと机の列の前の方で音がした。音のした方を見ると依利香さんが下を向いて立っていた。
そしてとんでもない事を口にした。
「りょ、綾くんの、こ、恋人はあ、あたしなんだからぁぁぁぁぁ–––––––ッ!」
先程と同様に静まり返り....。
「....え、えええええええぇぇぇぇぇぇぇ–––––––––––ッ!」
爆発した....––––––––。
「りょ、綾、お前はこっち側の人間じゃ無かったのかぁぁぁぁぁぁッ!」
「い、いや違うんだ、そうじゃない、え、えっとだな....」
「いいんだ、みなまで言うな....幸せになれよ!」
「何で、結婚前提!?」
「えっ!結婚っ....それはまだ....でも綾さんが望むなら....はい」
「一体何が、『はい』何ですかねぇ!?」
ホームルーム終了のチャイムが鳴った....。
俺の高校生活は、一体どうなってしまうのだろうか....。